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トマトの青臭さ 〜「トマチン」だったのか

(神戸大学農学部のサイトから)



ゴンゴロ菜園のブログ」さんのブログでトマトの収穫が出ていて、思い出したことがありました。


大昔の子ども時代、親の留学の関係でアメリカ北東部に2年ほど住んでいました。綠に溢れる大学都市で、自宅近くに広大な家庭菜園がありました。今でも覚えている美味しい収穫物は夏のプラムと秋のリンゴです。どちらも甘く、香りがすごく良かった!そして夏は野菜もいろいろなものを収穫しました。その中で憶えているのがトマトの匂いです。熟したトマトをもぎ取ると独特な青臭さが漂います。そもそも葉や茎も強く匂います。その匂いはテントウムシの臭気とよく似た感じで、あまり心地よいとは言えません。でも短い一時の夏の暑さとあいまって、その匂いは懐かしさを感じさせるものでした。自分の手についてしまった青臭い匂いをいつまでも嗅いでいました。しかし、それ以降このトマトの匂いはあまり感じません。帰国後の一時家の庭でトマトを作っていた時は確かに感じましたが、昔みたいにあまり強くなかったです。最近スーパーで買うトマトなど、そういう匂いはまったく感じません。


 本日午前のNHKEテレ「ヴィランの言い分」で生物が持つ意外な毒性を紹介していましたが、その中にウナギなどとともにトマトもありました。「青いトマトや葉・茎にはトマチンという毒が含まれる」と。なるほど、そうか。そう言えば昔NHKラジオでイタリア語を勉強していた時、「トマトが有用なのは実だけではない。葉とかを採ってきて家の床に敷くと蚊除けにいい」という内容のスキットがありました。それがトマチンだったのか。調べると確かにトマチンには昆虫忌避効果があります。というかトマトが虫除けに自ら産生するのがトマチンということです。余計なことですが、ヴィランとはフランス語でvillainのことで、「悪者」という意味です。


 「もしかしてトマト特有の青臭い匂いはトマチン?」と思って調べると、こういう記載がありました。「とまとの森」から引用します。


みなさんこんばんは~! トマト食べてますかぁ~? トマトが青臭いってことでトマトが嫌いな人が多いようですね。 みなさんはトマトを食べて苦味や青臭さを感じたことはありますか? トマトの苦味や青臭さを感じさせる大きな成分は、 「トマチン」という成分です。 トマトの花や葉に多く含まれています。 トマトの実には、完熟するにつれ成分が消えていきます。 食べごろのトマトにはほとんど含まれていないのです。 興味深いことにこのトマチンは人間だけでなく昆虫や病原菌にも嫌われる成分で、 天然の忌避成分として役に立っています。 トマトのハウスに入ると未熟な果実などよりもはるかに強烈な青臭さが トマトの茎や葉から放たれているんです。 この青臭いトマトの葉には完熟果実の2500倍ものトマチンが含まれています。 食用にするためにトマチン含有量が少なくなるよう選抜されてきた品種には、 野生のトマトのようにトマチンだけで敵を防ぐ力はありません。 人間は「青臭くないトマト」の代償として、トマトを害する病害虫を増やしてしまったのです。

そうか、だから今のトマトは昔みたいに青臭くないのか。しかし、何か昔の強烈な青臭いトマトが懐かしい!もう一度嗅いでみたいな!トマチン、実は同じナス科のジャガイモの毒成分のソラニンと同系統の物質と知りました。いずれもコレステロール骨格を持つので加熱では壊れません。となると煮ても残ってしまう。安全性の意味では今のトマトの方がいいのかな。