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シャンピニオン・ア・ラ・グレック 〜ですよ池辺晋一郎さん

今月の日経履歴書は池辺晋一郎さんです。「N響アワー」の司会者としてしか知りませんでしたが、若い頃からの付き合いは多士済々です。ちょっと羨ましくなりました。都立新宿高校は学校群以前かなりの進学校だったことは、高校時代の英語教師がそこから来たので知っています。しかし、東大進学だけでなく多彩な才能があったのだと池辺さんの記載で知りました。


 東京芸大に入ってから音楽という限られた世界とはいえ、その付き合いはさらに深化していきます。三善晃先生という方は、今時こんな先生、大学にはちょっといないよです。その三善先生が教え子の池辺さんを自宅で指導(?)した時、即席でつくってご馳走してもらったものに「シャンピニオンアラ何とかがあった」と書いています。ああ、これchampinions a la grecqueで間違いないです。フランス語を訳すと「ギリシャ風マッシュルーム」です。新宿高校で池辺さんの2年先輩だったという女子医大名誉教授の岩田誠先生がご覧になったら、たちどころに指摘されるでしょう。何せ岩田先生のフランス語は超一流ですから!


 このキノコ料理、フランス料理では前菜の定番です。しかしレストランで食べることはあまりなく、街の惣菜屋でよく売っています。名前は留学する前から知っていたので、向こうに到着して早速買いました。食べて驚いたのは、異常に酸っぱいこと。これ後で知りましたが、フランスの酢(vinaigre)は日本の酢より相当酸っぱいです。そのせいかなと思いますが、爽やかではあるもののどんどん食べられるものでもありません。でもそのとんがった味が何となくパリっぽく、今となると懐かしいです。


 しかし今「シャンピニオン・ア・ラ・グレック」で検索すると、画像がフランスで見たのと違う。みんな素材の色そのものでパリのみたいに赤くないです。ちなみにchampinions a la grecqueで引くと、おおよそ赤いですね。赤いのはトマトのせいだろうと思ってましたが、フランス語のレシピを見るとcoulis de tomateつまりトマトピューレを入れています。うーむ、何でかな?やはり酢が関係しているのでないかと思います。フランスのvinaigreは通常黒いというか濃い紫色。何でかというと赤ワインからつくる酢だからです。初めてフランスのスーパーで買い物した時、酢がなかなか見つからない。酢=透明と思い込んでいたからです。あのvinaigreで煮たらみんな黒っぽくなって見栄えが良くないでしょう。おそらくそのせいでフランスのchampinions a la grecqueにはトマトを入れるんじゃないかな。トマト味は酸を和らげてくれるし。ちょっと懐かしくなりました。作ってみるか。