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ノロウイルスと宴会場 〜しぶとい!感染性

ポワール



最近ノロウイルス感染は、冬期だけでなく年中起こるようになりました。食中毒という要素だけでなく、空気感染のリスクも相当高い気がします。北海道放送から引用します。

結婚式場で男女27人集団“ノロウィルス”食中毒、5日前この式場で乳児が便をもらし…効果がない“エタノール”で消毒し感染拡大 札幌市保健所

北海道放送

2025年6月26日(木) 08:26

国内


 今月6日、札幌市内の結婚式場であった結婚式に出席した53人のうち27人が発熱などの症状を訴え、検査の結果、便などからノロウィルスが検出され、札幌市保健所は食中毒と断定しました。
◆27人が発熱やおう吐、下痢などを発症


札幌市保健所によりますと、札幌市中央区にある結婚式場で行われた結婚式の出席者から「複数の人が体調不良を呈した」と9日通報がありました。



◆1日の結婚式で発症した40人は食中毒とみなされず


なお、乳児が便をもらした1日の結婚式には80人が出席し、そのうち40人が発熱やおう吐、下痢などの症状を訴えましたが、感染源が食品以外の可能性があるため食中毒とみなされていません。

保健所は、ノロウィルス対策として塩素系漂白剤で消毒することを呼びかける


 保健所は、ノロウィルスにはエタノールは不十分で、塩素系漂白剤などで消毒することを呼びかけています。


書き方が散漫でわかりにくい記事です。時系列でみると、


1 6月1日におこなわれた結婚式に80人が出席し、40人は発熱やおう吐、下痢などの症状を訴えた。なお乳児が会場で便を漏らし、従業員などがエタノールで処理をおこなった。


2 6月6日に同じ結婚式会場を使った結婚式に53人が出席し、27人が発熱などの症状を訴え、検査の結果、便などからノロウィルスが検出された。従業員の検査でノロウイルス感染者がいた。


となります。「1」で言えることは、少なくとも会場内で起こった集団感染だろうということです。その原因が食品でなく、乳児の便漏らしが関係すると読める書き方です。ノロウイルスの感染力は非常に強いです。数十個の経口摂取でも感染が起こるし、空気感染もあるほどでなかなか感染力を失いません。ノロウイルス消毒にエタノールは無効で、次亜塩素酸が必要なのは常識です。従って吐物や便失禁があれば、病原体不明でもとりあえず次亜塩素酸処理するのは常識です。例えばエタノールのみ使用でノロウイルス汚染の漏れた便や乳児を処理した手で会場のドアノブを触れれば、そこで感染する可能性があります。また汚物やその汚れはトイレで処理したと思われるので、トイレ内で便が少しでも飛び散れば、便座やドアノブあるいは洗面所で感染します。でもこういう時は普通多目的トイレでおこなうのでは?この結婚式場に多目的トイレはなかったのでしょうか?


 しかし6月1日の会場で提供された料理のノロウイルス汚染とて(=食中毒)、まったく否定されたとはこの記事だけでは言えません。6月1日は月曜で、6月6日は金曜で、その間の感染は報告されてない。しかし週日に結婚式をおこなうのは、あまりないのでないか。もともとノロウイスルに感染した従業員がいて、日曜、金曜と調理や配膳業務に勤務していて汚染が起こったという可能性もあります。料理検査や従業員の検便などの衛生管理時程やウイルス遺伝子型検査がどうなっていたのか、記事にはまったく書かれてないため、「1日の集団感染が食中毒でないという根拠」がはっきりわかりませんでした。


 ちょっとすっきりしない報道記事ですが、ノロウイルスの感染力の強さを改めて感じました。この報道で思い出すのは、2006年池袋のホテルの宴会場で起こったノロウイルス感染事件です。

1 事件発生の届出日:平成18年12月0 日(火)

事件発生場所:ホテルM

3 事件の概要

平成18年12月5 日(火)、池袋保健所はホテルMから12月2 日(土)・3 日(日)の宴会等の利用客で複数グループから唱吐・下痢等の症状を呈しているものがいるとの報告を受けた。池袋保健所は食中毒および感染症の両面から調査を開始し、ホテルへの立ち入り調査、主厨房等の拭き取り検査、残品食材の収去・検査、12月2 日・3 日の宴会場の利用客を中心とした健康状況調査、従業員の健康状況調査と便検査、利用客のうち、有症状者の便検査等の疫学調査を実施し、消毒の指導を行った。ホテルは食中毒の可能性も考慮し、12月6 日(水)より宴会主厨房や一部レストラン等の営業を自粛し、体調不良の従業員の出勤停止、数回に及ぶ全館の消

毒を実施した。

12月11日(月)池袋保健所は、現在までの疫学調査や便検査の結果から、ノロウイルスが検出されたが、食中毒によるものとは断定できず、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の可能性が濃厚であると判断した。このことから、ホテルに対し自主的に使用停止としていた厨房等の営業については、施設の消毒や従業員の健康管理が徹底されるもとで、再開可能であるとの見解を示した。

この時のノロウイルス感染も食中毒が原因とは断定されませんでした。どういうことか?


<理 由>

1) 宴会食そのものからはノロウイルスは検出されていない。

2) 厨房の調理師には症状がなく、検便からもノロウイルスが検出されていない。

3) 宴会食以外のホテルで調理した食事を食べた利用客からも発症者が出ていることから、発症者全員の共通食がない。

4) ホテルで調理した食事を食べていない利用客やホテル従業員からも発症者が多数出ている。

5) 現在、例年より早く、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が全国的に流行している中で、12月2 日に発症者が集中している3 階と25階で唱吐していたホテルの利用客がいた。

6) その際、かなりのノロウイルスがカーペットに付着し、乾燥して、そのカーペットの上を歩く事などにより空気中に浮遊して、経口感染につながった可能性があること。またトイレを利用していることからトイレにもノロウイルスが付着し、接触して経口感染につながった可能性があること。但し、これらのことはカーペットやトイレのふき取り検査を行っていないことから推測に過ぎない。

7) 嘘吐した利用客を介助した従業員からもノロウイルスが検出された。


この5と6がポイントとなります。つまり提供した料理と無関係にノロウイルスに感染した客がもともといて、会場周辺の廊下で嘔吐しその吐物処理が不適切だったため、感染力があるウイルスが長期間会場周辺(会場外廊下カーペットと推定されている)に残存し、そこから空気感染した(乾燥し舞い上がったウイルスを吸引する)ということです。今回の感染事件もこのように原因調査の結果がはっきり記載されていれば、読者がはっきり理解できると思います。

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