羅臼岳でヒグマに食い殺された青年 〜京大卒業生だった
恐ろしい事件が知床・羅臼岳登山客に起こりました。北海道ニュースUHBと共同通信から引きます。
【登山中にクマと遭遇】「友人が襲われた」目撃相次ぐ羅臼岳で同行者から通報…「追い払おうとしたがヤブに引きずられ連れていかれた」“太もも付近から大量出血”安否不明の20代男性あす救助へ〈北海道斜里町〉
8/14(木) 20:40配信
8月14日午前11時10分ごろ、北海道斜里町の羅臼岳で「友人がクマに襲われた」と一緒にいた男性から警察に通報がありました。
警察によりますと、標高550メートル付近の登山道を歩いていた20代の男性2人のうちの1人がクマに襲われました。容体は不明ですが、太ももあたりから大量に出血していたということです。通報した男性は避難し、その後救助されました。
襲われた男性について「前から名前を呼ばれたので近づいたら格闘する男性を発見した。追い払おうとしたがヤブに引きずられ連れていかれた」と話しています。
警察などが救助を進めた
通報した男性が避難した「オホーツク展望」にはほかにも60人近くの登山客がいて、北海道警がヘリで救助を進めています。警察はハンターを含めた体制で、15日、襲われた男性の救助を検討しています。
7月以降クマの目撃が相次ぐ羅臼岳
羅臼岳の登山道では7月以降クマの目撃が相次いでいて、12日は、至近距離でクマに遭遇した登山客がクマ撃退スプレーを噴射したものの、数分間にわたり付きまとわれる事態も起きていました。
友人、必死の抵抗かなわず ヒグマ襲撃時、素手で殴る
8/15(金) 22:11
北海道・知床の羅臼岳で東京都墨田区の会社員曽田圭亮さん(26)が登山中にヒグマに襲われた際、一緒にいた友人の男性は曽田さんを助けようと素手で殴って必死の抵抗をした。しかし、ヒグマは曽田さんを引きずって茂みの中へ姿を消したという。
この友人から襲撃時の状況を聞き取った道警によると、友人は別の登山者を挟んで、曽田さんの約200メートル後ろを歩いていた。「助けて」と叫んで自分の名を呼ぶ曽田さんの声に慌てて駆け寄ると、曽田さんは茂みの中に引きずり込まれていった。
友人は「クマを素手で殴った。殴った腕が血だらけになった」と話したという。ヒグマには既に曽田さんの血がついていたとみられる。
友人は身の危険とすぐに助けを求める必要性を感じ、登山道に戻って通報した。
被害者たちはスプレーを使用してクマ防御を図ったようですが、まったく効かなかったようです。非常に厳しい状況で、安否不明となった男性はまず助かるまいと感じました。
STVによる続報です。
【続報】遺体を発見…下半身に激しい損傷 安否不明の男性か 駆除されたクマのそばに…北海道・羅臼岳
8/15(金) 15:28配信STVニュース北海道
登山中の20代男性がクマに襲われ安否不明となっている北海道の羅臼岳で8月15日、遺体が見つかりました。
【詳細】遺体は安否不明の男性か 周辺に男性のものとみられる所持品 専門家は「異常個体」と分析 羅臼岳クマ襲撃警察や道などによりますと、所持品などから遺体は安否不明の男性とみられています。15日の捜索では、男性が襲われたとみられる場所付近で、捜索隊がクマの親子3頭を目撃し、駆除しました。その後、警察官がクマのそばで遺体を発見したということです。警察によりますと、遺体は顔と上半身に複数の傷があったほか、下半身の損傷が激しく性別が分からない状態だということです。駆除されたクマが男性を襲ったクマかどうかは分かっていませんが、道総研が今後DNA分析を実施するとしています。STVニュース北海道羅臼岳では8月14日午前11時10分ごろ、登山客の男性から「友人がヒグマに襲われた」と110番通報がありました。警察によりますと、友人と2人で入山した20代男性が、下山中に標高550メートル付近の登山道でクマに襲われました。男性と友人は当時、200メートルほど離れた場所を歩いていて、男性に名前を呼ばれた友人が駆け寄ったところ、クマと格闘する男性を発見。友人がクマを追い払おうとして近づきましたが、男性は藪の中に引きずり込まれ、その後安否不明となっていました。
曽田さんはこのヒグマ親子の母親に襲われて、3頭にむさぼり食われた状況だったのでしょう。クマの習性を考えると腹から生きながら食われていったと思われ、筆舌に尽くしがたい激痛と恐怖の中で死んでいったのかと想像すると、恐怖で息も止まる思いです。
事件前から、羅臼岳ではこの親子クマと思われるクマの異常接近報告が登山客から相次いで報告されていたようです。UHBから抜萃します。
「助けて」の声も…北海道・羅臼岳で男性登山者がクマに襲われる…1人の遺体発見 駆除された3頭との関連をDNAで確認へ クマは人を恐れず接近 異常行動相次ぎ不安拡大 山林立ち入り禁止に
8/15(金) 20:40配信
羅臼岳周辺では、7月から、たびたび異常な行動をするクマが目撃され、関係者の中では不安が広がっていました。
知床の自然を撮り発信している小林さんは。
「親子のヒグマが確認されているという実情がSNSで投稿されていた。登山道周辺でクマが7月下旬から見られるような割合が増えていたのは如実だった」(自然文化団体ノノオト 小林誠さん)
8月にはクマの目撃が相次いでいた
8月4日には、今回の登山道の入口付近で親子3頭のクマが出没。
車と遭遇しても逃げずに、逆にバックする車に近寄ってきています。
そして、12日には、クマが登山者に異常接近し、クマスプレーをかけたものの数分間付きまとわれる事例も。
同じく12日、小林さんの仲間が遭遇したヒグマにも違和感があったといいます。
「スマホで撮れる距離で長時間居座っていた。人が動いたり音を立てても逃げるそぶりがなく、ずっとうろちょろ。更に登山道に寄ってくるようなしぐさも」(小林さん)
知床半島は北海道でもヒグマの生息密度がもっとも高いと言われますが、今までヒグマによる襲撃事件の報告がなく、登山客にも自治体にも油断があったと思われます。しかし、今回の事件前に以下のニュースが朝日新聞にありました。
「あの子にマスをやったやつがいる」知床のヒグマと人との距離は 25年間、変化を見つめた記者の思い
8/12(火) 7:02配
あの子にマスをやったやつがいる――。北海道・知床半島でヒグマの変化を25年にわたって見てきた記者は、ここ10年で大きな変化を感じています。7月17日で世界自然遺産登録から20年となった知床で、人と野生動物の距離を考えます。(朝日新聞記者・神村正史)
記者は、多様な生態系に魅せられて北海道の知床に取りつかれ、現在の網走支局と前任地の根室支局とを合わせて10年以上、知床地域を担当しています。
北海道の知床半島先端付近の、とある場所を「定点」にして、25年前から毎年、夏から秋にかけてヒグマやカラフトマスを観察しています。
数年前までは、そこにあった番屋に泊めてもらい、番屋の主(あるじ)(故人)からヒグマについて教わってきました。
最初に教わったのが「海から陸へ風が吹いている時は、ヒグマは出てこない」ということ。
海岸にいる人のにおいが山に入り、ヒグマは警戒して姿を見せない、という理屈でした。
マスを釣った男性に近づくヒグマ
しかし、2009年の夏、その態様の著しい変化を目にしました。
定点の海岸で釣りをする男性にヒグマが鼻をつけるほど接近していました。男性のすぐそばには釣ったカラフトマスがありました。
番屋の主が怒鳴りながら駆け寄ると、ヒグマは男性から数メートル距離を取りました。
主はその空間へ入り込み、ヒグマを叱りつけました。男性はそのすきに逃げました。
番屋の主は悔しそうに言いました。
「あの子にマスをやったやつがいる」
飼い犬を食べたり車をかじったり…
ヒグマは釣り人に近づけば、マスにありつけることをどこかで学習していたのです。
北海道では長く「春グマ駆除」が行われてきましたが、1990年に廃止。それから20年近くがたち、この頃は、人を恐れないヒグマが増えていました。
人に近づくと、食べ物が手に入ることを学習したヒグマも出てきていました。
知床が2005年に世界自然遺産に登録され、観光地としての人気は定着しました。
ここ10年のうちに、飼い犬を連続で食べるヒグマや、人の乗った車をかじるヒグマまでも現れました。
それでもなお、写真に収めてSNSへアップしようとヒグマに近寄ったり、車からお菓子をヒグマに与えたりする観光客がいます。
自然公園法が改正され、ヒグマにエサを与えたり、著しく接近したりする行為は違法となりました。
ただ、実効性があるとはとても言えません。人身被害は目の前に迫っています。
釣り客は、多分それほど深く考えずに釣り上げたカラフトマスをヒグマにやってしまったのでしょう(お前も欲しいのか?といった感じで)。しかし、こういう行為は地元漁師では危険として厳しく禁じられており、結果的に今回の事件を引き起こした遠因となった可能性を否定できません。近年続く北海道やオホーツクでのサケやマスの急激な減少で、知床でも遡上するサケやマスの減少が顕著です。知床半島のヒグマは秋に遡上するサケやマスに大きく依存すると言われますが(だから生息数が多い)、近年の急激な地球温暖化で生態環境が大きく悪化しているのは間違いないでしょう。今回は恐れていた事件がついに現実化してしまったといえます。
食い殺された曽田圭亮さんはかなり登山に慣れていたと思われますが、どういう方なのか?調べると、京都大学工学部に在籍していたことがわかりました。京都大学大学院工学研究科のホームページに「先端材料物性学講座」(黒川修准教授)がありますが、その研究室サイトを見ると、過去所属した学生リストの中に同じ名前があります。
2021年に学部4年なので(→21歳)、今回亡くなった曽田圭亮さん(26歳)で間違いないでしょう。同じ研究室で1学年上の曽田光亮さんはおそらく兄弟でしょう。余談ですが、曽田圭亮さんはうちの子どもと京大時代の同期生となります。
曽田さんは京大のサイトで以下の研究をしたグループに中に紹介されています。レーザー光を用いて掘削する時問題になる微細な表面凸凹を極力平面に近づける技術で重要な貢献をしています。優秀な学生だったことは間違いありません。
お兄さんの曽田光亮さんも京大発のベンチャー企業での活躍で、2020年3月5日に東京で開催された「令和元年度 起業家万博」において最優秀賞である総務大臣賞を受賞しました。
兄弟揃って優秀な研究者だったのでしょう。お父さんが今回の訃報で悲痛に満ちた言葉を寄せています。北海道新聞から引用します。
羅臼岳ヒグマ襲撃 死亡の曽田さん「山に真剣」と父 海外や雪山の経験も
【斜里】オホーツク管内斜里町の羅臼岳(1660メートル)でヒグマに襲われ、死亡した東京都の会社員曽田圭亮さん(26)の父、忍さん(59)=兵庫県宝塚市=は15日、同町内で北海道新聞の取材に「日本百名山の踏破を目指し、山に真剣な息子だった」と声を震わせながら語った。
忍さんによると、圭亮さんは海外の山や雪山での登山にも挑戦し、自転車や釣りなど幅広くアウトドア活動に親しんでいた。まだ社会人2年目。仕事にも熱心に打ち込む「できすぎた息子だった」。
圭亮さんの入山前、忍さんが「安全に」とLINEのメッセージを送ったのが、息子との最後のやりとりとなった。
圭亮さんはクマよけの鈴を自宅に忘れたため、入山前に購入していたという。
「息子は遊ぶなら安全にせなあかん、と分かっていたはずだ。山をなめていたわけでは決してない」。忍さんはそう言って無念さをにじませた。
( 安沢悠太 )
準備も十分にしてあったのに本当に残念な話で、父上を含めたご家族には心から哀悼の意を申し上げます。
それと比べて、上にリンクを貼った「芽室町母子遭難事件」の勝亦母子は偶々運良く助かっただけで、ヒグマに襲われて同じような無残な事件になった可能性がとても高かったと思います。軽率な行動をして他人にそしてクマにも迷惑をかけることは絶対にやめてほしい。
わかったか?バカッパパの勝亦浩希!
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