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ごりの佃煮(追補)

ごりの佃煮
昨日ごりの佃煮について書いたところですが、昨夕届いていた雑誌「Fのさかな」を見たら、ごりを特集していました。何と言う偶然!「Fのさかな」は石川県漁業協同組合のPR誌で、以前日経で紹介されていて知りました。今は定期購読していますが、毎号魚に関するおもしろいうんちくがあって楽しんでいます。
 ごりはやはり川底に棲む小魚の総称だそうですが、石川県ではその中でもカジカのイメージが強いようです。カジカは魚卵の大きさから大きく3つの異なる遺伝系統があるという話は、以前どこかで読んでいました。ちょっと驚いたのは、金沢でもカジカ以外のハゼ科などの魚もごりとして扱い、佃煮だとむしろそちらの使用が多いと書かれていたことです。カジカは石川県でも希少扱いで、養殖や放流が盛んにおこなわれて大切に保護されているようです。
 食べ方ではやはり佃煮が紹介されていて、前回私が述べた魯山人の随筆も紹介されています。唐揚げも紹介されていますが、唐揚げだと魚体がはっきり判るので、カジカ以外のごりは使いにくいでしょう。ちなみに魯山人が書くごりは小さいし、何と言っても吸盤が腹にあることから、ハゼの仲間でカジカではないと書かれています。なるほどカジカは吸盤がないのですね!
 カジカの捕らえ方ですが、穴釣りが紹介されています。あんな小魚を釣りで釣るなんて驚きですが、案の定腰に負担がかかるので大変と書かれています。そしてごり押しの漁法が紹介されています。川底を板や網でごりごりこすりながらごりを追い込む方法です。「ごり押し」という言い回しはこの漁法から来たと書かれており、同じ記載はwikiにも出ています。つまりごりを捕らえる漁法がこの言い回しの語源であるということです。しかしごりという名前は何処から来たのでしょうか?「ごりごりこする」が先にあって、ごりごりこすって獲れる魚を「ごり」と呼ぶようになったんじゃないかな?とも、私は感じました。何だかニワトリが先か卵が先かの議論になりそうです。
 石川には「海ごり」というのもあるそうですが、それはどこの沿岸部でよく見られるハゼ科のキヌバリだそうです。「お土産の佃煮でよく見掛ける」と書いてありますが、えっ!そうすると僕が有り難がって食べている、金沢のごりの佃煮は実は「駄魚」のたぐいだったのか!とちょっと悲しくなりました。しかし、ネットを調べたら今取り寄せているごりの佃煮について記述している記事を偶然見つけました。それによると、そのお店のごりは琵琶湖で獲れるカジカを使用しているとのことです。ああ、良かった!でも金沢で琵琶湖の魚なのかとちょっと複雑な気持ちです。しかしながら、美味しければそれでいいです。


 以前金沢には「ごり屋」というごり料理専門の料理店がありました。前から名前だけは知っていましたが、友人が「昔ごり屋で食事したことがある」と言っていたので、僕も行きたいなと思って調べました。そうしますと何と2010年に閉店していました!うーん、すごく残念!しかもこのお店は江戸時代から続く由緒正しい店だったことを知り、改めて残念度が増しました。しかし一族は「ごり屋」の屋号を手放さず、「将来この屋号を継ぐのにふさわしいひとが現れたら、譲りたい」のだそうです。もしも将来復活したら是非行ってみたいですね。