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冬瓜 〜夏の終わりに出てくる



冬瓜(トウガン)は子供の頃から名前だけは知っていました。小学校の時に読んだ中国民話集の中に、実を大きくするまじないをかけて冬瓜の実を大きくする話がありました。その書きぶりで何となく「冬瓜はバカでかいウリ」という認識はありましたが、実物の冬瓜は見たことがありませんでした。八百屋でも見た記憶がありませんで、無論食べたこともない。この点は家内も同様だったと言っています。


 初めて冬瓜料理の実物というか実体を認識したのは、1990年代を風靡した食マンガの「美味しんぼ」(原作 雁屋哲)です。この中で最高級の上湯(シャンタン)でいろいろ美味しいものを煮てつくったスープを、くり抜いた冬瓜に入れて蒸す話があったと記憶します。確か「仏跳牆」(ぶっちょうしょう)だったと思います。「ふーん、冬瓜はスープ仕立てで食うのか」と知り、どこかの中華料理店で実際に冬瓜のスープを食べたのもこの頃です。


 でも冬瓜を実際に自分で買って料理するようになったのは、ここ10年くらいでしょうか。暑くなってくると、何となく冬瓜を買いたくなる。ちょうど今の時期ですね。「仏跳牆」みたいな凝ったものでなく、調理はごく簡単です。まず鶏挽肉を水から煮ていきます。挽肉同士がくっつけないようかき回しながら煮ていき、火が通ったら鶏ガラスープやホタテガイエキスを適宜投入し、ローリエ葉、薄口醤油と日本酒で味を調えていきます。冬瓜は皮を庖丁で落として大ぶりに切ります。弱火で冬瓜の芯まで半透明になるまで煮て、最後に赤トウガラシ少しと豆板醤で辛味を追加します。最後に火を止めて水溶き片栗粉を少量入れるか、ダイレクトに片栗粉を振りかけてすばやくかき混ぜ、最後にもう一度加熱。30分ほどで出来上がります。あつあつを吹きながら食べると、暑気払いに格好です。薄味でいただくと冷気が入ってくるようです。味を少し濃いめにして、茹でたそうめんといっしょに食べるのも美味しいです。翌朝冷めたのを食べても美味しいですね。年取ってくると、こういうあっさりしたのが身体にしっくり来ます。