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ブラッドオレンジ 〜今年も季節がやってきた


ブラッドオレンジ、一昔前まで輸入物の濃縮還元ジュースでしか、日本ではお目に掛かれませんでした。もうとても貴重なジュースですが、イタリアを旅行するとホテルの朝食でこのジュースがピッチャーでごく普通に出てきます。子供が小学生だった頃イタリアを一緒に旅行しことがありました。その時朝食でこのトマトジュースみたいな色をしたブラッドオレンジジュースを何杯も飲んでいたことを思い出します。しかし日本に帰ってくると全然なく、子供がとても残念がっていたので、時々奮発して購入していました。


 しかし数年前のNHKの食レポの「うまいっ!」でブラッドオレンジが紹介され、日本でも栽培されるようになったのを知りました。ブラッドオレンジはミカンと比べて寒さに弱いので、今まであまり栽培されてなかったようです。しかし近年の気候温暖化で徐々に栽培可能となり、愛媛県の宇和島辺りで積極的に栽培されるようになったと言っていました。


 しかしそうはいっても、スーパーなどの店頭でブラッドオレンジを見掛けることはありません。新宿高野くらいの高級果物店に行けばあるでしょうが、おそらく高くて手が出ないでしょう。そうこうするうちに、ネット通販でブラッドオレンジが手に入るようになっていることに気づきました。値段もまあまあです。


 ここに紹介するブラッドオレンジは、そのネット通販で手に入れました。Sサイズの小玉ということですが、それでもミカンくらいのサイズはあり、かえってそれくらいの大きさの方が食べやすいです。ブラッドオレンジでポピュラーな品種には、モロとタロッコの2種類があります。このブラッドオレンジはどちらかはっきりしませんが、果皮がやや黄色いのでタロッコかなと思います。

 ブラッドオレンジの味は普通のミカンやオレンジとは、かなり違います。甘み・酸味以外に何となく花のような香りを感じます。果肉が赤くなるのはアントシアニンのせいで、赤や紫色の花色の基になる物質です。普通の柑橘の黄色やオレンジ色はカロテン色素で、アントシアニンとは異なる物質です。しかしアントシアニン自体は香り成分ではないので、ブラッドオレンジには色以外に何か特別な香り成分をつくっていると思います。ブラッドオレンジの起源ははっきりしません。wikiをみると、

全てのオレンジは、ザボンとタンジェリンオレンジ(北アフリカ原産の柑橘類)の交配種だと考えられているが、このブラッドオレンジは、そうしてできた甘口のオレンジの突然変異種と考えられている。


と書いてありますが、突然変異でいきなりアントシアニンをつくる遺伝子が出現するのでしょうか?何とも謎ですが、

 2012年、ブラッドオレンジの「血のような色」を生むアントシアニン色素の生成にかかわる遺伝子(ルビーと命名された)が特定された。この色素は心臓血管の働きを助ける効果が知られている。

だそうです。ふーん、このルビーという遺伝子が柑橘類のゲノムで、どう保存されているのか大変興味があります。少なくとも柑橘類の花は白しかありません。果実に発現する遺伝子は多かれ少なかれ花にも発現するので、不思議です。ルビーの遺伝子発現がどうなっているのか、よく知りたいです。しかしこの色素はそんなに健康にいいのか。

昼夜の寒暖の差が激しい土地でないと、この色素は十分に発達しない。シチリアの一部地域はまさに絶好な生育環境である。

 そうなんだ!ただ実らせるだけではだめで、赤の発色には適地と適切な管理が必要そうです。宇和島のブラッドオレンジ栽培も相当苦労したと、上記の「うまいっ!」では言っていました。そういう有り難い果実をあまり高くないお値段で購入できる有り難さを感じます。今年も購入して、北海道にいる子供達も送り、家族みんなでその美味しさを共有しています。