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医学部受験「入試成績と医学部成績に相関なし」〜そうではあるが

東洋経済の記事です。医学部受験の今に関したいろいろな問題を取り上げていました。一部を抜粋します。茨城県立中央病院の名誉院長を務める永井秀雄氏のコメントです。


入試の成績と医学部での成績に相関はない


私の実感では、入試の成績と医学部6年間の成績は無関係です。以前、ある大学の調査結果を示してもらったら、入試の成績と医学部卒業時の成績には相関がみられず、唯一弱い相関が見られたのが高校の内申書でした。入試で小論文や面接をじっくりやればいいという話ではなく、現在の医学部入試で測っている学力は何なのか、という根本的な議論が起きていいと思います。

ええ、これは永井氏の個人的な感想ではなく、日本医学教育学会などですでに調査・証明されています。入試成績の高低は医学部に入ってからの成績、特に専門課程の成績とあまり連動してないのは事実です。なぜか?はっきり言いますと医学部の定員は100人前後しかなく、高い倍率を乗り越えて合格して入学する学生の学力は上下で大した差がないです。そもそも入試では試験を繰り返しおこなっても絶対に合格できる鉄板層の受験生は半数くらいで、残りの半数は不合格者と入れ替わると言われています。だから入試時に良い得点であるのはまぐれみたいなもので、6年間という長期間にわたって好成績を維持する力とは異なるのが当然でしょう。その意味で高校内申書に弱いながらも相関性があるのは、内容が違っても持続的に学習する力が反映されるからと考えていいと思います。その意味で従来必ずしも肯定的な評価でなかった「推薦入試」で医学部に入る学生の評価が上がってきています


 また医学部に限りませんが、大学での学習内容は大学受験で問われる内容とあまり関係ないことが多いです。特に医学部受験で合否を分ける最大科目である数学は、専門課程の学習中心とは言えません。確率・統計は頻用しますが、微積分に関しては遺伝学や麻酔科以外ではあまり高度な内容はないと言えます(少なくとも学部教育では)。だから永井氏が言うことは当たり前と言えます。ただし、それは「同じ大学の医学部内」での話で、大学間における受験時の学力の差は入学後の6年間で培うことができる学力の多寡とかなり相関しているように感じます。ヤフコメです。

dom********20時間前


入試の難易度が高い、国立医学部や私立の御三家+順天堂大学は、高い進学率や国家試験合格率を誇りますが、一方で入試難易度が低い私立下位の医学部は留年率や不合格率が高いので、医学部の入試と医学部の成績はある程度相関するのが自明です。

医師国試は受験した身からすると「医師になる最低レベル」です。だからほとんどの医学生は合格するわけで、不合格になる学生にはここで言う「学力」とは違う次元の問題もある印象です。東大や京大医学部の国試合格率があまり高くないからといって、卒業生が賢くないということはまったくありません。少なくとも医師になれた者は「学力的」にかなり優秀なひとが多いというのが実感です。ですから、永井氏が投げかけている疑問の「今の入試選抜法でいいのか?」に関しては、「もっと良い方法もあるかもしれないけど、今の選抜法で悪いというわけでもない」と感じます。今後継続する18歳人口の減少は大学入試形態にも大きな影響があるとは思いますが。


 以下2つはこの記事のヤフコメで筆頭に出てくるのですが、これから医学生となる受験生には真に受けてほしくないコメント

rpr********1日前


ボーダーラインがわからないので入試の時の成績はできる限り高い点数を取らないといけないわけです。一方、入学後の試験はある程度ボーダーラインがわかっていて、最小限の努力で試験を受かるように勉強していました、多くの学生が。つまり試験に対する姿勢が全く異なりますので、入試成績と学部成績の比較は意味がありません。試験の受け方によってその試験が学生の能力を反映しているかどうかは異なりますね。ただし、医師になって成果を出した人と、入試の時の成績はある程度相関があるように思えます。偶発的要因も非常に大きいとは思いますが。

eqr********1日前


医者になってしまえば学生時代の成績なんて関係ないからね

それこそマッチングで有名病院にどうしても行きたい、とかなら別だけど


やから基本、入学したら最低限の労力で最低限の単位を取って、学生時代を少しでも楽しもうって感じでみんなやろうとする、それが医学部


そして、その最低限の勉強でもしっかり知識を増やせるのが、医学部に入るような頭を持ってる子たちっていうのも事実だね

少なくとも自分の母校ではあり得ないです。何処の三流医学部の話かな?上にも書いたように医師国試では「医師になる最低限の力」しか見ていません。だからそれに合格するのは当たり前で、医師としての本当の伸びはその後の研鑽がもっとも大事です。しかしながら、学部の試験で合格ぎりぎりの最低ラインでかつかつ凌いでいるような者では、卒後が覚束ない。だって大学成績の合否は60%しかなく、逆に言えば40%ものことがわかってないレベルでも合格してしまうのですよ?医師国試の合否ラインはそれよりは高いですが、それでも8割は超えません。
 自分の年になるとよくわかりますが、医師といっても実にピンキリで、学生時代きちんと勉強してなかったと思われるドクターは自分の専門外のことが驚くほど理解できてないです。患者さんにはほとんど気づかれてないと思いますが、同業者としてみると「こんなことも知らないで、何かあった時大丈夫かな?」と思う先生も結構います。上の元医学生たちは、かなり危ういです。少なくとも自分は掛かりたくないです。若い時を大いに楽しむのは良いですが、それと最低レベルの学習しかしないことはイコールではない。


mur********1日前


今現在、医療の最前線を担っているであろう50代医師が受験生時代は

私大医学部の偏差値は50台が当たり前どころか40台まであったが、

当時の認識としては

「私大医学部なんて限られた人しか受験しないし偏差値が高いわけがない」

慶応大医学部だけ突出してたがそれは「慶応だから高いにきまってんじゃん」

こんな程度の認識だった。

だからといって、当時の医者が世間的にステータスが低かったわけでなく、

今現在と同レベルで高かったよ。


本来、医者なんてそんなに頭は不要。

今現在の医療に問題があり特に50代医師がダメな場合があるなら問題だが、

そんな話は聞いたことがない。

いや、聞きますよ。というか実際にそういう医者を見ております。注意した方がよろしいです。


eqr********1日前


この記事おかしいところがたくさんあるんだけど、特に気になったこと


「医者に数学はいらない」


めっちゃ必要だよ

数学で鍛えられるのは「論理的思考力」と「難しい課題でも逃げない、考えて行動するメンタル」の2点


むしろ東大や京大が課しているに過ぎないけど、医学部に国語こそいらない

知識としての国語はともかく、心情を読み解くとかそういうのは方向性が違うんだよ

「その登場人物が思ったこと」ではなく「この本を読んで問題を作った担当者の気持ち」を間接的に読み取れって試験だからね

数学と申しても、医学で使う数学は理学部数学科で学ぶような現代数学ではありません。普通に高校数学まで(およびその延長の大学教養部の数学)をきちんと理解していれば十分だと思います。寧ろ、国語は重要でしょう。東大や京大の入試国語で問われる表現力は医師にとって重要な力だと思いますが、その力は傍からは見えにくいです。だから気づかない医者もいるのでしょうね。

nts********1日前


医者にも国語は必要か?と言うけれど必要じゃない?担当医なら患者や家族の方に説明することがあるし自分達が使っている専門用語を使って説明しても相手が分からない伝わらないなら意味が無い。それ以外にも手塚治虫先生も漫画家でありながら医者でした。

東大・京大卒で医師国試に受からない者の一つの問題はコミュニケーション力です。国語はそれを測る重要な科目で、二次入試にも課されているのになぜそうなるのか?おそらく両大学でも入試で数学得点が合否に大きな影響があり、折角国語を課しながら点差がつきにくいのが原因でないかと私は思います。二次入試での国語の出題法を抜本的に見直すか、もっと違う手法を考えるべきかな。手塚治虫が国語が出来たのかどうか知りませんが、あの豊富なアイディアの創出は常人には真似できませんね。