「若年性アルツハイマー型認知症」 〜お茶とごま油を間違う
MBS(毎日放送)の記事から引用します。
お茶とごま油を間違う「若年性アルツハイマー型認知症」と闘う60歳女性 “世界初の治療薬”投与を続けて1年...症状の進行は抑えられる
3/2(日) 13:30配信
進行が速いとされる「若年性アルツハイマー型認知症」を患う60歳の女性。突発的に記憶が飛ぶことがあり、空間や物を認識する力も衰えてきているといいます。そうした中、世界初のアルツハイマー病の治療薬『レカネマブ』が2023年9月に日本で承認されました。女性はレカネマブを用いた治療を去年1月に開始。それから約1年、薬の効果は…。
「どうやって行っていたかな…」近所の店への道もわからなくなってしまう
厚生労働省によりますと、現在、国内の認知症患者(軽度認知障害含む)は推計で1036万人。その約7割がアルツハイマー型認知症です。大阪市内でひとり暮らしをする関田美香さん(60)は、4年前に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。
ある日、近所の店まで弁当を買いに行こうとする関田さん。通い慣れた道のはずが、行き方がわからなくなってしまいます。
(関田美香さん)「ちょっと待って。どうやって行っていたかな。忘れた、やばい」
このように突発的に記憶が飛ぶことがあります。住み慣れた家のなかでも…
(関田美香さん)「お茶あったかな…。これ、きのうのかな?わからない…どうしよう」
(記者)「それ、ごま油です」
(関田美香さん)「やばい~。めちゃめちゃやばい。本気でお茶だと思ってた」
記憶障害だけでなく、空間や物を認識する力も衰えてきています。
(関田美香さん)「病名を告げられたときはもう愕然、茫然ですね。なにも考えられない。私がですか…みたいな」
そうですね、上の写真のように並べると、確かに似てる!間違えそうになる可能性はあるが、ラベルにごま油と書いてありますからね。
65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」といいます。原因はさまざまで特に若い年代だとモヤモヤ病や脳動静脈奇形からの脳内出血が多いですが、あとの年代になるほどアルツハイマー病のような変性疾患が中心になります。関田さんは私より大分若く、つらさを一塩強く感じます。
話はこの後、レカネマブというアミロイドβを標的とした抗体医薬の投与に進みます。
大阪公立大学・医学部附属病院 武田景敏医師)「完全にとめることができなくても、大きくゆっくりすることができて、より早期に気づいて治療することで、自分らしく生きる期間を延ばすことができるというのが、やはり大きな意味なのかなと」
美香さんは去年1月にレカネマブの投薬治療を始めました。通院に同行するのは、離れて暮らす母親の幸子さん(89)です。
レカネマブは2週間に1回の点滴投与を1年半にわたって続けなければいけません。負担する費用は約100万円と決して安くはありませんが、「今の状態が保てるなら」と家族で支払っています。
(母・幸子さん)「(発症が)まだ50代というのは、あまりにも早すぎるので。本人もまだまだやりたいことがあるだろうと思って」
(レカネマブの効用 毎日新聞から)
確かにその通りですが、この抗体医薬投与には莫大なお金がかかります。保険適用といっても、本人負担が月100万円となると払えるひとはそうそう多くないのでないでしょうか?しかも投与は1年半と決められている。これはそこで治療が終わるからという意味ではなく、効果がまだ確定してないことと保険分負担の費用の高さの両方が理由でしょう。
いつも履いている靴がない」表れ始めた“物盗られ妄想”の症状
ところが、冬にさしかかったころ、異変が起こります。
(記者)「どうしたんですか?靴がない?」
(関田美香さん)「いつも履いてるスケッチャーズの靴が…」
美香さんは「誰かに物を盗られた」と思い込むことが増えていました。
(関田美香さん)「誰かの手で持っていかれた…。悪いけど、そういうことしか考えられなくなりますね、ここまでくると」
(記者)「ベランダみます?」
(関田美香さん)「誰か入ってきてるかな…そういう感じがするんですけど」
(記者)「美香さん、靴ありますよ」
(関田美香さん)「えっ、どこ?」
(記者)「ベッドの下じゃないですか?」
(関田美香さん)「ベッドの下?まじで…これです。…そこまで壊れてる?」
“盗みの疑い”が、信頼しているはずのヘルパーの坂本さんに向けられることもありました。
(坂本智子さん)「えっ、私を疑ってる?みたいな。それを責めてもしょうがないことだし、『違うよ』ってわかってもらうことも難しいことだから、流していかないとね」
典型的な「物盗られ妄想」ですが、アルツハイマー病の初期に見られます。残念ながら認知症は進行しています。そもそもアミロイドβの沈着は、発症する20年前には始まっていると言われているので、完全な回復は最初から不可能です。その上進行も完全には止まらないとなると、この高価な医薬を投与するのはどれだけの意味があるのか?保険を考えると経済への影響も無視できないので、考えてしまいます。
続きます。
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