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数学・理科がなければ医師になれなかった 〜(゚△゚;)え?

ポワール

数痴と受験数学

数学の能力に先天性要素はない? 〜信用できません(苦笑)

東大入試で最も差がつく科目は数学 〜実感通り


医学部受験の話の前に、前段となっている「小中を対象とした2025年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の文科省の解析を紹介したニュースからいきます。教育情報サイトの「リセマム」から引用します。

【全国学力テスト】理数「得意」に男女差…上位層で顕著


 算数・数学、理科の平均正答率・スコアに大きな男女差がみられない一方、「得意」と考える割合は女子のほうが男子より少ないことが2025年7月31日、2025年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果から明らかになった。理数の勉強が「得意でない」と考える児童生徒の男女差は、学力上位層で顕著にみられた。

2025年度全国学力テストは4月14日~17日、全国の国公私立の小学6年生と中学3年生を対象に国語、算数・数学、理科の教科調査と質問調査を実施した。

国語と理科は、小・中学校とも女子が男子を上回り、算数・数学は小・中学校とも男子が女子を上回った。ただし、算数・数学と理科については、平均正答率・スコアに大きな男女差はみられなかった。


 各教科の授業で学習したことが「将来、社会に出たときに役に立つ」という意識は、国語、算数・数学、理科のいずれの教科でも大きな男女差はなかった。


 その一方で、算数・数学と理科については、平均正答率・スコアに男女差がみられなかったにも関わらず、「好き」「授業の内容がよくわかる」「得意」と回答する割合は、女子が男子を下回った。中でも、算数・数学の勉強を「得意」と回答した女子と男子の差は、小学校で21.7ポイント、中学校で19.8ポイントにもなった。


 平均正答率・スコアが女子のほうが高い国語では、「好き」「授業の内容がよくわかる」「得意」と回答する割合は、女子が男子を上回った。 


 このほか、各教科の学力上位層でも、その教科が「得意でない」と考える児童生徒が一定数いることがわかった。特に算数・数学、理科の学力上位層で「得意でない」と考える女子は、男子の約2倍に達した。算数・数学、理科の上位層で「得意でない」と考える児童生徒は、「授業で学習したことを普段の生活の中で活用できていない」と回答した割合が大きかった。

このアンケート解析で注目すべき点は2つです。

1 算数・数学と理科では、平均正答率・スコアに有意な男女差がみられなかったにも関わらず、「好き」「授業の内容がよくわかる」「得意」と回答する割合は、男子と比べて女子は有意に少ない。

2 算数・数学、理科の学力上位層で「得意でない」と考える女子は、男子の約2倍に達した。

つまり、理数系科目の有意な男女成績差はないものの女子は苦手意識が強く、かつ得点上位層でその苦手意識がより顕著になるという結果です。後半部がちょっと意外な結果ですが、ごく大ざっぱに考えると、「女子は理数系科目を勉強して成績が伸びるほど、そのわかりにくさに嫌悪感を抱きやすい」ということでしょうか。小学・中学レベルの初等教育でこれだとすると、高校レベルの理数系科目は難易度がぐっと上がるのでこの傾向はますます顕著になると思われます。ベネッセの教育情報に、これに関したアンケートがありました。以下のグラフです。


やはり高校段階になると、女子の数学苦手意識がより顕在化しています。ただ日経記事のよると、日本の高校生の数学レベルはOECD平均と比べると非常に高いです。

経済協力開発機構(OECD)が15歳(日本は高1相当)を対象に実施している学習到達度調査(PISA)は「義務教育の答え合わせ」ともいわれる。小中学校での教育の成果が測られるという意味だ。2003年調査では日本の順位が大きく下がり「ゆとり」から学力重視へ、教育政策の路線転換を加速した。


昨年12月に発表された22年調査の結果は良好だった。科学的応用力と数学的応用力の平均得点はともにOECD加盟国中1位、読解力は2位だった。PISAは多様な学力・能力の一面を測るものにすぎないし、家庭の経済力による学力格差など課題も浮かぶ。ただ日本の15歳には世界トップ水準の理数学力、読解力があるとみていい。

私が感じるのは中等教育における日本の数学レベルがあまりに高すぎて、かえって数学嫌いを増やしてしまっているのでないかという懸念です。この件は別な校で触れましょう。


 さて話は戻ります。医師向けサイトでこの文科省解析を受けて、医師への理数指向についてのアンケートがありました。



予想できた結果で、男女とも理数得意が多数派です。しかし「圧倒的に」という感じでもないですね(もし工学部や農学部卒に同じアンケートをしたら、どういう結果になるか興味があります)。

 苦手とする医師は女性の方が多く、特に算数・数学の男女差は大きい。しかし、統計的には有意差はないと感じられ、医学部進学者は全般に理数指向が高いです。私自身は算数・数学とも得意という感覚からほど遠い。足を引っ張る科目で、満点叩き出して志望校に合格したのも 一発逆転満塁ホームラン」に近いものでした。


この本の内容は全然知らんけど、確かにその後の人生変わったわぁ。卒業した大学で出会った師と呼べる先生方、切磋した友人たちは他の医学部では到底得られなかっただろうと思います。


 さて医師のみなさんは医学部受験についてどういう感想でしょうか。

女医ですが、理科と数学でがっつり点数を稼いでましたし、理科と数学が一番好きでした。 

算数・数学は私も含め女子の方が得意なのではないかと思う。が、理科についてはおそらく、虫等の自然に魅力を感じ、学校というよりは余計な事に興味を示す男子の方が得意なのではないかと思う。

女性は文系が多いと言われるが、私は典型的なリケジョだった。国語や英語などの語学にもう少し触れていればと後悔している。

さすが女医さんはすげーな。数弱文系男子が泣いて悔しがりますよ。


男性医師はどうか?

数学と理科が好きで、英語や国語は苦手だった。数学と理科がなかったら医師になれなかっただろう。

理数系が得意で国語が足を引っ張っていたので、大学受験校は理数系の配点の高い大学に早くから決めていた。作戦通り、志望校に合格できた。

数理が得意であることが頭が良いことの証だった(当時は)。

もっとも、センター試験は全科目で満点近く取ることが合格の第一歩だったから、他教科も嫌々ながら勉強していたことは事実ではある。

しかし、数学や物理学の面白さは、他の科目を圧倒しているであろう。

数学、化学、物理は楽しくて、飽きなかったし、そんなに勉強しなくても出来た。逆に国語はどんだけ勉強しても出来なかった。

 私逆です。もし英語や国語が入試科目になかったら苦しかった!しかし、医学部に進んだ友人でも、英・国が数学より得意な者は結構いましたよ。それでも数学偏差値は駿台模試で60くらいでありましたが(註:昔の駿台模試の偏差値は今の駿台全国模試とレベルがまったく異なり、現在の偏差値に換算したら60台半ばくらい)。どの程度の成績レベルが「得意でない」と感じられるのかの違いもありそうです。


高校生の途中までは数学も理科も公式やパターン、例題の解答例を真似すれば解ける問題が多く、発想力や理数的な思考よりも暗記力に依存していた。基礎問題から応用問題と数をこなし、試験でできなかった問題を解き直していくことで対応可能であった。大学の数学はチンプンカンプンだった。

そうね、これは理系でも数学が得意でない者の王道でしょう。また教養の数学は医学系でも高校までの数学とはかなり違いました。と言ったって、実際医学に役に立った大学の数学は線形代数とフーリエ級数、微分方程式くらいですけどね。

高校までつるんでいた幼馴染が数学の天才だった。数学オリンピックに出場し東大数学科を卒業して今は某有名大の教授。

自分も一応は数学の偏差値が70超えていたが、彼を見てきたので、とてもじゃないけれど「自分は数学が得意」などとはおこがましくて言えない。 

これ医学部と理学部の学生が同じような成績レベルであっても、中高時代から中身がまったく違うことの実例です。理学部には真の数学の天才がいるけど、医学部にはそこまで行くのはまずいない。数学五輪受賞者くらいは医学部にもそこそこいますが、その後さらに伸びたというひとは聞いたことがない。


いや、違うのよ。男子医学部受験生は「数学」「物理」を得意としている傾向にあって。女子医学部受験生は「英語」「化学」「生物」を得意としている傾向にある。昔は、万年人手不足の外科系やメジャー診療科には男子の方が進んでくれる可能性が高かったので、数学、物理を難しくすると、公然と男子を多めにとれるから大学がそうしていただけの話。近年は男子も外科系やメジャー診療科に来てくれなくなったので。男子を優遇する理由がなくなったので、昔に比べて数学や物理とかが簡単になった。そういう事情。 

確かに医学部でも最難関大は入試で上記傾向が強いのは事実です。結果として入学する学生は今でも男子が有意に多い(昔は圧倒的に男子ばかり)。ですが、そういう医学部で外科医が多いとか卓越した外科医がいるとかいう話は今も昔も聞かないが?


例外的な方もおりました。

70代産婦人科医師です。私は数学、理科が不得意でした。高校時代には数学実力テストで零点を取ったことがあります。それでも医師になる夢は捨てがたく、浪人して国立医学部に入学することができました。当時は英語数学国語社会理科の5教科で受験できたのが幸いしたのかと思います。完全に文系の頭だったので、滑り止めには政治経済学部と経済学部を受けました。どちらも合格ましたが当初の志望通り医学部に進学しました。しかし医学はやはり理数系の知識が必要だと入学してから強く感じました。文系理系を問わずどちらもできることが理想ですね。 

この方は一期校・二期校世代ですから、5教科受験だけでは何処の国立医学部かわかりません(国立大は当時すべて5教科入試)。しかし、滑り止めはおそらく早稲田政経慶應経済でしょう。当時からこの2学部は入試科目に数学があり(慶應経済は数IIBまでが必須、早稲田政経は社会各科目との選択制で数IAのみの範囲)、東大など国語も二次試験課目にある難関国立理系受験生のお試し受験も多かったです。


入試制度に問題がありすぎる。原則として、英数理国社、五科目均等に百点ずつの五百点満点とするのが良い。理数教科傾斜配点や三科目(英数理が多い)限定や重視は百害あって一利なし。もともと医学は哲学の端女に過ぎない。特に臨床医学はまずは対象とする相手、人間が存在して、思考と会話、人間関係とコミュニケーションこれらの能力が不可欠である。これらの弊害、偏向入試の弊害の成れの果て医師の不幸事例をを多く観てきた。各教科の評価が正五角形になるのが望ましい。地理歴史に不案内でまともに文章が書けない医師が多すぎる。 

僕もそれに賛成。しかし、数学の得点で大きな格差が出るため、数学が入試科目にあると結局そこで決まってしまうかな。なお入試科目にあってもなくても勉強する医師は地理歴史もちゃんと勉強してますよ。

医学部って、文系学部だと思ってます。理系学部に分類されるのは、おかしいと思ってました。

実際に仕事をしてから、役に立ってるのは、英語や国語ですよね。

医学部は入るまでは理系で入ってからは文系ですよね。

結局は国家試験なんて暗記勝負だし、臨床医になれば患者目線の対話力が大事ですから

文系脳の方が何かと有利だと思うなあ。

理系の優秀な人って天才肌が多いのでなかなか患者と同じ目線で説明するのが困難な気がします。 

確かに英語の重要性は卒業後非常に高まります。結局今の一般入試で医学部に入る人は、何でも万遍なく一通りこなして水準以上をたたき出せるということでしょうか。そういうことができるからといって別にえらい訳ではないですが、そういうことができる人には向いている職業には感じます。しかし、今後は私立だけでなく国立医学部でも一般入試が縮小し、総合型や推薦入試で入学する学生が増えると思います。そうなると医学部入学者の理数指向も大きく変化するでしょう。医師の資質を担保する意味でどういう影響があるか見守りたいと思います。

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