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河合塾偏差値が当てにならない医学部 〜医学部だけの問題か??

医学部合格者の模試偏差値分布 〜実態をよく反映している河合塾の分析


youtubeの動画で大学受験塾が運営する「CASTDICE Medical」で表記の題で、動画を出しています。私立の医学部の一部で、河合塾の偏差値値付けがおかしいのでないか?と言っています。


 河合塾の偏差値の特徴は2.5刻みであることが冒頭で指摘されていますが、これかなり以前から河合塾ではずっと続いており(20年以上?)、独特です。駿台予備校の偏差値ですと昔は小数点第一位まで出して、0.1刻みでかなり細かく区別していました。今駿台予備校の偏差値は整数だけになりましたが、それでも1刻みです。コバショーが「河合塾偏差値の2.5刻みは荒すぎる」と仰っておりましたが、その通りでしょう。ただ医学部の定員は少なく、試験問題や科目は国立大も含めて多彩です。共通の試験問題と科目でおこなう全国統一模試(全統模試)で細かく評価・区別するのは、あまり意味がないという考え方もあるでしょう。また全統模試の問題レベルや採点基準が、医学部受験の標準からみて駿台全国模試と比べて低いのでないかということも言われています。


 ナカハシさんが「私立の医学部だと偏差値70くらいまで合格率が50%くらいのところがある」と仰ってましたが、それ本当?何かのデータを見ながらの発言だったので根拠はあるのでしょうが、驚きです。模試と本番では違うと申しても、そんな高偏差値まで合格率50%ということは、「私立医学部は、学科試験の成績だけで合否は決まらない」と言うのも同然です。確かに私立医学部のほとんどすべてで二次試験で面接をおこなっているので、面接点が最終合否でかなり大きいウェイトを占めている可能性はあります。しかし、だからといって偏差値62.5くらいでだいたいの大学を並べてしまうでは、偏差値表の差異にはほとんど意味がないと言うのも同然でしょう。


 さて本題で、どこの私立医学部の合格偏差値の値付けがおかしいのか?です。まず国際医療福祉大医学部は偏差値表より難度が高いのではないかと言っております。また川崎医大金沢医大の偏差値評価が実際より高すぎるのでないかという指摘もありました。あと偏差値の動向で河合塾は実勢の反映が遅いのでないかという指摘もありました。


 2人が提言するのは、受験生と合格者の偏差値分布をraw dataで出してしまい、それで個々が判断すればいいのでないかということです。河合塾の全統模試で受験者の偏差値分布を出しているから、それに昨年度の合格者分布を載せればいいわけですね。その通りでしょう。河合塾の全統模試は受験者が多いので、分布表はかなり参考になると思います。少し古いデータですが、河合塾は全国医学部の合格者の偏差値分布グラフを作成しています。この結果は経験者からみて頷けるもので、河合塾が出す合格目安とされる偏差値表より信頼性が高いです。


 いろいろ言いにくいことをはっきり言っていておもしろい議論でした。ただ河合塾の偏差値表は医学部に限らず、どうも当てにならないと私は思っています。それは実際の入試点数の差異と河合塾が出す偏差値の差異が一致してないことが、一般に多いと感じるからです。無論、模試と本番では同じ受験者でないですし、また同じ受験者であったとしても成績は毎回変わるでしょう。しかしそういったばらつきとは関係なく、もっと恣意的な偏差値表の操作があるのでないでしょうか?


 駿台の全国模試は高学力者の受験者の比率がかなり高いので、医学部特に上位の医学部の合格可能性の偏差値表は河合塾偏差値表より当てになるでしょう。また駿台予備校の偏差値表には河合塾のような恣意的な操作をまず感じない点も、信頼性が高い理由です。