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医学部合格者の模試偏差値分布 〜実態をよく反映している河合塾の分析

河合塾偏差値が当てにならない医学部 〜医学部だけの問題か??


昨年医師向け会員サイトの掲示板に紹介されていて、私も偶然知った河合塾の分析です。最近医学部受験予備校のyoutube動画でも紹介されていたので、取り上げてみることにしました。河合塾のサイトは非常にわかりにくい所にあり、現役受験生でも知らない人が多いのでないでしょうか。ここにそのサイトurlをつけておきますが、将来消滅するかもしれないので、簡単に私の感想を添えながら紹介します。


 まずデータは少し古くて2018年のものですが、2020年代ならそう大きな変化はないでしょう。まず国公立大医学部の前期試験の結果から引用します。


 黒い偏差値67.5以上の帯域に注目してほしいのですが、一見して「難関」と言われる医学部はおしなべてそれが多数派であることです。首都圏では東大と医科歯科の2校、関西圏では京大・阪大・神大・京都府立医大そしてやや離されますが大阪市立(今の大阪公立)の5校が高いです。関西圏は人口比にして国公立医学部の密度が他圏と比べて非常に高いですが、その中の有力5校がどれも伯仲する偏差値の高さなのに驚かされます。首都圏の中高一貫校と比べて関西圏の中高一貫校は医学部進学志望者がきわめて多いという噂を、改めて確信させてくれる結果です。


 他の地域圏で黒い偏差値67.5以上の帯域が多いのは、旧帝大系の4校(北大・東北大・名大・九大)で、次いで旧六の6校(千葉・新潟・金沢・岡山・長崎・熊本)と公立の横浜市大・名市大になります。局所的にみると、まず岡山と広島は伯仲しているものの岡山に軍配が上がります。最近の予備校偏差値だと広大の方が高いようですが、自分だったら岡山を選びますね。たかだか1か2の違いなど試験内容も違うから、意味がありません。岡山が中国・四国それに関西一部にまで関連病院があることの方が、卒業後に関して遥かに重要なことです。弘前大は上位偏差値者が目立って少ないですが、これは偶々この年そうだったのでしょうか?正直琉球大島根大とそこまで差があるようには感じていませんでした。


 次に私立大学です。

 黒い偏差値67.5以上の帯域が圧倒的に多いのは、慶應医学部です。おなじ首都圏の東大や医科歯科と拮抗していることがわかります。日医と慈恵会医科大を含めて「私立御三家」というそうですが、慶應とは有意な差があります。また最近学費低減で急速に難易度が上がった順天堂ですが、2018年時点ではこの御三家とはまだ差があります。しかし、現在はかなり肉薄しているのでないでしょうか。また国際医療福祉大が新設校ながら、早くも私立中堅の医学部として浮上してきているのもわかります。なんといっても学費が私立最安なことが理由でしょう。関西圏の私立4医大ですが大阪医科薬科、関西医大の2校が高いものの、先ほどの関西圏の5国公立医学部とはかなり差があります。しかし公立の奈良医大・和歌山医大とはほぼ並立の印象です。しかし、この後関西医大は先ほどの国福大と同じく学費の大幅な値下げに踏み切ったので、この辺は変わると思います。


 受験生からみると、普段の模試偏差値表とは随分違う印象でないでしょうか?しかし経験者として、実相をよく反映していると感じます。大切なことはここで出る分布表は、あくまでも「入り口」に過ぎないことです。卒業までの6年間の勉学や「大学が置かれた環境」で、卒後はまたがらっと変わってきます。ただし、そこは「個人差が大きい」ことも明記します。


追記:河合塾で紹介されたこの合格者偏差値グラフはおそらく「全統模試」の結果でしょう。全統模試の問題精度は(問うレベルや採点の細かさ)、駿台の全国模試と比べると少し下がると聞いたことがあります。例えば駿台の全国模試の偏差値を使うと、また違った結果になると考えます。おそらく上位の医学部間での差がより明確になるでしょう。