読売の「発言小町」、いつも興味深く読んでいます。「人生相談」に近いものですが、お答えする一般読者の回答が実におもしろい。多くは女性からの回答ですが、男からみると女性の心理洞察はなかなか鋭く感じます。ああ、だからご本人はバレてないと思ってる男の浮気は、女にすばやく察知されるのネ！（嗤）

　今回紹介するのは、妻に愛想を尽かされた「鯖男」さんの相談です。最初相談を読んで呆れて腹が立ちました。

鯖男

2024年2月7日 12:34

夫婦妻と二人の子供がいる男です。子供は二人とも幼稚園児なのですが、妻が出て行ってしまったので困っています。妻は早くに親を亡くしているので親戚か友達の家にいると思うのですが、出て行って二週間が経過しても連絡がなく居場所が分かりません。心配なので、せめて連絡をしてほしいと思います。妻が出て行ったのは、私と子供が茶化したのが気に入らないのだと思います。正社員として働いている私に対して妻は非正規で子供と過ごす時間は圧倒的に妻の方が長いので、躾などは妻に任せて私は父親というよりは友達のように接していました。子供が悪さをしたら当然妻は叱るのですが、深刻な空気にならないように茶化して子供が笑い、それで良しと思っているのですが、妻からは度々

「父親である貴方も叱ってあげてほしい」

と言われていました。しかし、二親に叱られたら子供が可哀想なので、私は叱られた子供の心のフォローに徹していました。妻が出て行く直前にも子供が幼稚園で悪さをして先生と友達に迷惑をかけたとかで妻が叱り、私が茶化して子供が笑い、いつものようにそれで終わりになるはずでしたが、その日は子供も「ママは本当に鬼みたいで怖い。○っち(←子供が呼ぶ私のあだ名)だけいればいい」と言って一緒に茶化したのですが、その途端、妻は表情を無くして財布だけを持って出て行ったのです。

探そうにも妻の親戚や友達の連絡先も知らないので、何も出来ないでいます。

このまま離婚だけは回避したい事態です。

それにはどうするのが最善ですか？

僕は奥さんじゃないけど、こういうタイプ一番キライ。悪ふざけが過ぎて相手が怒っているのに、一向に気づかずに繰り返す。子供じゃあるまいしと思うのですが、職場にもよくいるタイプです。家庭内でもしもこういうのをやられたら、離婚一択です。どうなったでしょうか？読者からの回答をはずして、鯖男の返答を追います。

私が妻を苛めていた、躾から逃げていたという声がありますが、それは違います。

私は小さい頃からお笑いが好きで、それは常に笑いの絶えない家庭にしたかったので深刻な空気になるのを避けていたのです。妻が叱り、暗い雰囲気になりかけたのを私がどぶろっくがキングオブコントで披露した歌や動画で見たドリフターズのギャグ、銀魂という漫画の真似や変顔を全力で披露して回避しました。

おかげで子供は常識にとらわれる事のない自由でのびのびした子供に育ちましたが、堅物の妻にはそれが理解出来ないようです。

「肩の力を抜いて、リラックスして子育てを楽しんだ方がいい」

と何度も言い聞かせました。

幼稚園で友達の絵本を破って泣かせたのを先生が咎め、それを子供が茶化したので妻は幼稚園に呼ばれたとかで、いつもよりヒートアップしていました。

子供が妻の迫力に気圧されて泣くのを防ぐ為に茶化したら、子供が

「ママは鬼みたい」

と言ったのです。

確かに不適切だったと思います。

明日、妻の職場に連絡してみます。

自分は小さい頃からお調子者で、そのノリで子供たちと一緒におくさんをからかっていたと言いたいようです。が、今回はさすがに行き過ぎたと思って慌てています。

昨夜、日付が変わるか変わらないかぐらいの時間に妻から連絡がありました。

親戚の家に御世話になっていたそうです。

気持ちが落ち着いたら帰るとの事です。

帰ったら、謝ろうと思います。

さてどうなったか

妻が帰って来たのですが、混乱しているので順を追って書き記したいと思います。

妻のいない二週間の間、何かあると子供は抱っこだのおんぶだのを請求して食事や弁当のおかずにうるさく注文をつけ、洗濯物はたまって部屋散らかる一方と身も心も限界を迎え、妻の帰宅を待ちわびていました。

ところが木曜日の夜に帰って来ると、ドロドロになっていた家はピカピカになっていて、洗濯もされていました。

ご飯も用意されていて、私と子供はきれいになった部屋と久しぶりにありつけるまともな食事に狂喜しました。

食事の前に先日の失言を詫び、子供にもずっと「ちゃんと謝る練習」をさせていたので練習通り謝るように言ったのですが、習慣とは怖いもので、U字工事の真似と「ごめんなチャイコフスキー」という私が伝授した独自のギャグで謝りました。

妻は深く長いため息をつきましたが、取り敢えず食事にしようとテーブルにつきました。

メニューはカレーとトマトサラダ、私の好物のあさりのしぐれ煮と漬け物もありました。

子供には子供用のルーで作ったカレーで、私と妻のカレーは妻が調合したスパイスで作られたカレーでした。

お風呂に入って寝る前に

「久しぶりのカレーは本当に旨かった。やはり母親は家に必要だ。帰って来てくれてありがとう」

と感謝の言葉を口にして眠りにつきました。

妻のいない間に宵っ張りの癖がついてしまっていた子供もその日は早目に就寝しました。

翌日は何事もなかったようにいつも通りの一日を過ごし、土曜日に出社しなくてはいけない用事があるから日曜日にどこかに行こうと提案、妻も子供も喜んで受けてくれました。

そして、夕方に帰ると妻と子供の姿はありませんでした。

テーブルを見ると、妻の名前が署名されている離婚届と結婚指輪と弁護士の名刺、「子供は私が責任を持って性根を叩き直すので貴方はたった一人でこれからの人生を茶化して生きていけばいいでしょう」と書かれた置き手紙がありました。

家中を調べると、妻と子供の荷物はすべてなくなっていました。

冷蔵庫には作りおきのおかずが用意されていました。

まだ幼稚園に通っている子供が妻に厳しく育てられるのかと気の毒で目の前が真っ暗になりました。

そして、謝って感謝の言葉も述べたのにも関わらず受けた仕打ちに呆然としました。

トラブルはあったけど、これから家族四人で幸せになろうと思った気持ちを踏みにじられた気分です。

子供がいたから妻不在の二週間を過ごせたのに、妻と子供だけでもいなくなったら私は何の為にこれからを頑張ればいいのか分からず頭の中は真っ白な灰となりました。

私の感想を言うと、もうオシマイDEATH。DEATH! DEATH! （by 大和田常務）「アホか？」と思いますが、読んでて幾つか気になりました。

「私は小さい頃からお笑いが好きで、それは常に笑いの絶えない家庭にしたかったので深刻な空気になるのを避けていたのです。」

「妻が叱り、暗い雰囲気になりかけたのを私がどぶろっくがキングオブコントで披露した歌や動画で見たドリフターズのギャグ、銀魂という漫画の真似や変顔を全力で披露して回避しました。」

お笑い好きなのは結構ですが、どうして深刻な雰囲気を全力で避けたいの？親が愛情を持って子供に接するなら、叱っても心底には子供を思いやる気持ちがあります。もしそうでなければ、子供は底なしの恐怖を感じるでしょうが。あっ、つまりそういうことだったの？主さんの親は？

「幼稚園で友達の絵本を破って泣かせたのを先生が咎め、それを子供が茶化したので妻は幼稚園に呼ばれた」

悪い事して叱られたら謝罪するのは当然ですが、そうしない子供。叱られたのに茶化すのは、まさに「親のしつけが悪い」からです。

「子供は常識にとらわれる事のない自由でのびのびした子供に育ちましたが、堅物の妻にはそれが理解出来ないようです。」

常識に囚われない自由な発想をするためなら、他人に迷惑をかけてもいいとはなりません。もしそう言うなら、相手にも同じ事をする権利がありますよね？なんか常識的な他人との関わり方が、根底からできてない方だと感じました。あっ、もしかして子供時代、自分の大切なものを家族にメチャクチャにされたことがあるんじゃない？

「食事の前に先日の失言を詫び、子供にもずっと「ちゃんと謝る練習」をさせていたので練習通り謝るように言ったのですが、習慣とは怖いもので、U字工事の真似と「ごめんなチャイコフスキー」という私が伝授した独自のギャグで謝りました。」

私は「U字工事」も「ごめんなチャイコフスキー」もまったく知らないので、何がおかしいのかわからずネットで調べました。ふーん、あなた本心を奥さんに見透かされてますよ？子供がその場でそんなアホなしゃべりをしたら、頭ゴカン！だと思うけど、鯖男さん一緒になって笑ってたんじゃないですか？「あやまるけど、おまえもちょっと固いんじゃない？」じゃないですか？

　その後がさらにおかしいです。妻に連れて行かれた子供達に対して、

「まだ幼稚園に通っている子供が妻に厳しく育てられるのかと気の毒で目の前が真っ暗になりました。」

？？？どういう意味？
もしも冷水シャワーを浴びせ続けられて殺されたり、毒を呑まされて殺されたり、踏んづけられて臓器破裂で殺されたりだったら、真っ暗になるでしょう。どこが気の毒で目の前が真っ暗になるのか？「厳しく育て」に関する認知がなにか歪んでいて、おかしいです。

　私の推察を述べます。鯖男はおそらく恐ろしい親に育てられたのでしょう。おちゃらけてないと、家族の不和が頂点に達する。下手すると機嫌を損ねて殺されるかもしれない。そういう家庭だったのでないですか？コメントの大半が、鯖男を非難するものばかりですが、こんな意見がありました。

機能不全家庭の道化役

hana

2024年2月17日 10:36

私の友人にもあなたと似ている人がいます。

彼女は機能不全家庭で育っているためAC傾向に有り、家庭内の緊張を和らげるため無意識におどけたり笑わせたりするクラウン(道化役)になっていました。

どことなくあなたにも似たような物を感じます。

これが正鵠を射ていると思います。鯖男は子供時代に殺されそうなほど恐ろしい虐待を親から受けてきたのでしょう。しかも、未だにそれがはっきり理解できてないから、こどもとの関わり方もズレている。可哀想です。しかし、最後のこれを読んで、一挙に力が抜けました。

「妻と子供だけでもいなくなったら私は何の為にこれからを頑張ればいいのか分からず頭の中は真っ白な灰となりました。」

「頭の中が真っ白になる」は言いますけど、「頭の中は真っ白な灰となりました」？？？真っ白な灰って、「あしたのジョー」のラストですよね？

燃え尽きたぜ…真っ白にな…

もう何度もギャク化されてきた有名なセリフだけど、ここで言うか？この期に及んでも、深刻な事態を直視しようとしない鯖男の「回避の心理」がありありとわかります。奥様こそ、
「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」だろうよ！

　鯖男が行くべき場所は精神科です。カウンセリングを受けて、子供時代の虐待でできたこころの深い傷の治療をまず始めるべきだと思いました。早い時期にご両親を亡くされた奥さんは苦労されてきたと思うので、鯖男の心理もわかっているのでしょう。とてもこころの優しい方だと思いますが、まずは鯖男に自覚ができないと家族生活は無理です。

　下のコメントで奥様とお子さん達の将来の生活を気遣う気持ちはよくわかるけど、やっぱり現状の鯖男による家族維持の方が危険だと思います。

男はつらいよね。

春遠からず

2024年2月20日 14:51

子育ての重要性は親なら誰しも理解出来ますよ。でもその理解の方向性は人によって違うのでしょうね。父親を母親でもこのトピの如く大きく違う。

別に、父親である主さんも子育てを放棄していた訳ではないけど、かなり普通のソレとはかけ離れていた。そこが母親として妻として夫の姿に悲観し、結果的に夫婦間の愛情も消えてしまい、もう嫌悪感しか湧かないのでしょうね。離婚の理由は子供の躾云々より、主さんへの落胆でしょうから、その気持ちを回復させる事は難しいでしょう。折角家族を持ったのに残念な事です。

ここでは主さんへの非難で埋め尽くされていますが、私には奥様の方が心配です。

離婚は片方に気持ちがなくなったら今の時代我慢する事も無いと言います。

でも現実を見て行くと、母子家庭の生活は諸々と悲惨になりがちです。父親のいない経済的損失は子供の環境を大きく変えてしまう事もあります。

　私は地域での（子供食堂も含め）ボラをしていますが、時折、あまり躾の出来ていない子供に出会います。母親はもう生活の為にお金を稼ぐ事に必死で子供の躾など後回しになって居るのかなと思う事もありますね。

そこで私達スタッフがそんな子供を𠮟ったり、礼儀など教えます。子供も感情ある人間です。恥と云う感覚も社会の中や他人の目によって矯正されて行く物です。

トピ奥様に余裕がある間は、子供の根性を叩き直しにも頑張れるだろうけど、そればかりに注げる生活が続くかどうか・・母親も子供二人もいたら再婚など難しい。

それに、この母親もダメ父の元に我が子を２週間も置いて家出が出来たのが不思議。そこは父親の子供への愛情に信頼があったのでしょうかね。

ならば、子供の将来も考えて、夫婦で最後まで諦めずに徹底的に子育て論で戦って欲しかったなと年寄りの私は思った次第です。父親のいない肩身の狭さと寂しさを知っているから尚更そう思います。