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全国に7つある「旧帝大」に序列はあるのか3 〜で、序列あるの?


全国に7つある「旧帝大」に序列はあるのか1 〜歴史がかなり違う
全国に7つある「旧帝大」に序列はあるのか2 〜実現しなかった帝国大学
全国に7つある「旧帝大」に序列はあるのか3 〜で、序列あるの?
阪大医学部の入試漏洩事件5 〜当時の大学偏差値


この後、記事の方は戦後の新制大学設立のゴタゴタを経ながら、旧七帝大が依然として他の国立大学より優位な位置を保ち続けていることで終わります。

旧制大学と高等専門学校を同じ大学とし、しかも地域ごとに統合を進めた結果、多くの都道府県にかつての帝国大学に似た総合大学が誕生することとなった。それらのなかで旧帝大は、制度的な裏付けはないが、格上と認識され、予算などでも優遇されていた。


 また、一期校・二期校に分けて入試が行われた時代には、旧帝国大学7校は一期校に分類されていたため、東大・京大を第一志望としてほかの5校を滑り止めとすることはできず、地元の旧帝国大学を第一志望とさせるように誘導したともいえる。


これはどうでしょうかね?この時代の駿台予備校の偏差値をみる限り、今とそれほど変わらない偏差値の序列を感じます。しかし、記事の話はこう進みます。

ところが、1979年にこの制度がなくなり、共通一次試験(現在は大学入学共通テスト)が実施されると、その試験の成績をみてから第一志望を選ぶようになり、大学間の序列化が顕著になった。


 旧帝国大学の中では東大・京大が抜きんでて、そのほかの旧帝国大学は第二志望化したが、国立大学全体では、学部に関わらず「旧帝国大学ブランド」がほかの国立大学を引き離すようになった。

これは戦後の新制大学移行時から、一貫して同じだったのでは?共通一次試験実施で受けられる国立大学が実質1校だけとなったことが影響したとはあまり思えないです。


で、序列はあるの?


東大・京大以外の旧帝大のなかで序列はあるのだろうか。


理工系は専門別に入試区分が異なる場合もあるので分かりにくいが、

法学部では

東京→京都→大阪→名古屋→東北→北海道→九州、

文学部では

東京→京都→大阪→名古屋→北海道→九州

医学部では東京→京都→大阪→名古屋→九州→東北→北海道

となっている(※)。


 ※河合塾「入試難易予想ランキング表」

なんだ!河合塾の偏差値による序列か。駿台予備校の偏差値ならともかく、河合塾の偏差値ではあまりあてになりませんよ。ただヤフコメにあったように、首都圏ではI期校II期校制度の廃止後、一橋大、東工大、東京医科歯科大は東大に次ぐ難関校として、頭角を現した感があります。偏差値上は地方の旧帝大の北大や九大より優位ですが、偏差値だけで大学の実質を比べることは難しいでしょう。大学入試の偏差値は主に「合格最低ライン」の評価、すなわち入れるか落ちるかの合否ラインです。従って入学者の中でコアになっている層、あるいは最上層の学生がどうなっているのかは受験偏差値から知り得ません。一橋大、東工大、東京医科歯科大に入学した学生が「もし東大も受かっていたらどうしますか?」と訊かれたら、大半の学生は東大に行きたいというでしょう。つまり首都圏受験生の最上層は依然東大に集まります。しかし、入学偏差値はあくまでも入学時のラインで、卒業時あるいは卒後の伸びとは関係ありません。どの大学に入ったとしても、勉強しなければ落ちていくだけです。


 私の印象では東大・京大以外の地帝(地方の旧帝大)には、依然として人材が豊富で独特な特色をそれぞれ持っていると感じます。北大ですと獣医学部、東北大なら工学部、名古屋大なら理学部がそれぞれの大学で看板学部といっていいでしょう。またノーベル賞の自然科学系3賞の受賞も東大・京大以外ですと、北大、東北大、名古屋大卒がいます。阪大と九大は、医学部に特色があります。阪大は山村雄一以来免疫学の研究者が多いです。九大はかなり古くなりますが、甲状腺の自己免疫疾患の「橋本病」を世界に先駆けて報告した橋本策(はかる)が医学部の第1回卒業生でした。7つの旧帝大は今も日本の人材を供給する場として、それぞれに重要でないでしょうか。