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戻りカツオ 〜美味いねぇ



秋が旬のサンマや鮭は最近まったくだめで、かなり心配です。地球温暖化による海洋変化は原因の一つかと思いますが、サンマに関しては獲りすぎも大きいのでは?日本にいるとスーパーや魚屋でものすごい種類と量の魚介類が売られていますが、世界的にはかなり珍しいと思います。日本の人口は減ってますが世界的にはまだ増えるので、天然資源への依存度が高い魚介類はもっと大切にしないとならないです。


 カツオも数年前かなり減少してしまい、とても心配でした。こちらは最近やや多くなったけど、油断できません。今秋の戻りカツオの入荷はまあまあでしょうか。昨夜背の方を一節800円程度で購入。皮を剥いたあとが白いので脂も乗っていそう。昨晩はタマネギの薬味も添えていただきましたが、あんまり味を感じませんでした。今朝の朝食用に尾に近い方の身を残しておき、出る前にいただきました。


 忙しいから切って自家製のタレをかけ、白ごまを振っただけです。一口いただくと、ウマい!いやー、ウマいわぁ。昨夜あまり感じなかったのは、他の料理もあったせいかな?いや幸福を実感です。


 しかし、過去を考えると戻りカツオは良い思い出ばかりとは言えません。もう10数年前ですが、少し夜遅くなってスーパーに寄ったら思いがけず良い戻りカツオがありました。しめしめと思って買い、早速自宅で食べました。塾で遅くなった小学生の娘と食べましたが、翌朝みぞおちにいやな張りが。実は私それまでにアニサキス感染を4回くらい経験しています。この時アニサキスかもと思いましたが、カツオにアニサキスがいるか確証ないのでそのまま出勤。しかし昼前になる頃には本格的な腹痛でのたうち回りました。数分ごとに釣り針で胃を釣り上げるような痛みが来るので、アニサキス確定。しかも今回は今までと比較にならないくらい強い引きで、ぐいぐいと来ました。「ええ!カツオにもアニサキスいるの?」と思って息も絶え絶えの思いをしながらネットで引くと、「カツオにもいる」と出て来ます。そうだったのか!今までの自験の感染は主にサバだったので、油断していました。内視鏡で摘出できますが、私内視鏡が嫌いです。我慢して夕方もう苦しくてたまらない思いで帰宅の地下鉄に乗りましたが、途中で座り込むほど(しかしだれも席など譲ってくれませんでした)。ようやく帰宅して娘に確認すると、「何ともない」とのこと。良かったけど、私は苦しかった。この時はその後痛みが数日続き、下痢も起こしました。虫体自体は翌朝にははずれた感じでしたが、いわゆるアニサキスアレルギーも続発したのでしょう。これに懲りて数年以上、カツオを食べられなかったことを思い出しました。


 そういうこともあって、今でもカツオを買うとき、なるべく背側にして腹側を避けています。その後テレビなどでもアニサキスがよく報道されるようになり、カツオにもいることもニュースに出ました。しかし、アニサキス感染が「食中毒」の扱いになって、売った業者が営業停止処分となるのには、いささか複雑な思いです。アニサキスは魚介では本来消化器系の内臓にいます。寄生している魚介が死ぬと、アニサキスは内臓から筋肉に移動します。死後すぐにつくった刺身にアニサキスはいませんが、遅くとも数時間以内には移動します。ですから刺身で食べられる鮮度でもアニサキス感染は十分起こるわけです。黄色ブドウ球菌のように腐って繁殖するものでもないし、ノロウイルスや腸炎ビブリオのように汚染されている海域に棲む魚介で感染するわけでもありません。アニサキスで営業停止処分にするのは気の毒に思います。ちなみに私は5回の感染で、一度も保健所通報はしませんでした。


 今回はきれいなカツオで一応事前に確認しましたが、いれば白いリングみたいに見えるアニサキスはいませんでした。最近アニサキス感染の訴えを防ぐため、一度冷凍したカツオを売る店もあります。安全かもしれないが、解凍は確実に味が落ちます。折角の戻りカツオですから、買う方もよく点検して感染を防ぎ(虫体は骨抜きで簡単に取れます)、美味しいカツオをいただきたいものです。