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受験生の皆さんはこの時期最後の追い込みでしょう。1月に入って共通テストが終われば、伸びしろはほぼない受験生が大多数で、あとは2月の試験に向けて入念な調整に入ります。大したことない試験とはいっても12月後半は共通テストの準備も大事なので、ここ数週が今年度の受験勉強の最後のステージでしょうか。


 そういう時期にこの記事はややキツイですかね?自分が今受験生だったらあまり考えたくない将来です。東洋経済からの引用です。

■理Ⅲに4回挑戦したものの…

 日本最高の大学、東京大学。その東大の中でも、さらに「別格」とされているのが、理科Ⅲ類です。合格者は、東大受験漫画・ドラマの金字塔『ドラゴン桜』でも「宇宙人」と言われるほど、入るのが非常に難しい学部です。

今回お話をお伺いした森しほさんも高校時代にその「理Ⅲ」に憧れ、4回挑戦しましたが、残念ながら合格を勝ち取ることはできず、一時期は大きな喪失感を抱いたと言います。

 しかし、彼女は浪人生活を前向きに生かし、新たな人生を歩んでいます。日本最高峰への挑戦から得たもの、現在のお仕事などについて、語っていただきました。


 東大理科三類、そして京大医学部もただただ勉強を頑張れば受かるといった次元でないことは、そういう最難関にチャレンジした経験がある受験生ならば、確実に思い知ります。逆に言えばそこまでの頂点を目指さなかった受験生には、その合格がどれほど大変か実感としては理解しがたいと思います。


 受験の経過については簡単に抜粋します。


森さんが高校2年生になる春休みに、ある衝撃的な出会いがあります。


 「たまたま本屋さんで、東大理Ⅲ出身の精神科医・和田秀樹先生が書いた『数学は暗記だ!』という本を見つけて読んでみたのですが、身体に電流が走ったかのような衝撃でした。


 〜中略


 平凡な自分でも、勉強をすれば何かが変わるかもしれないと思い始めたのです。それから、受験の合格体験記を買いあさるようになりまして、その中でも『東大理Ⅲ 合格の秘訣 天才たちのメッセージ』が読み物として面白く、そこに載っている人たちへの憧れが芽生えました。受験に打ち込めば、その本に載っている人たちのようになれるのではないかと思い、東大理Ⅲを志望校に設定しました」

『東大理Ⅲ 合格の秘訣 天才たちのメッセージ』は私も何冊か読んだことがありますが、単なる合格体験記に留まらず、各人独特の受験の軌跡が興味深いです。複数の知人の子供も書いていて、「おお、こんな風に育てていたのか」と親の方を思い出して、感慨にふけったりしました。

「高2から、平日は塾や予備校に通わずに学校の図書館で友達と一緒に勉強し、休みの日には家で1日8時間以上の勉強をするようになりました。この時期、いきなり勉強に集中し出して身体がびっくりしたのか、帯状疱疹になりしばらく痛かったです(笑)」


 しかし残念ながら、現役時代の成績は理ⅡではC判定を獲得するも、理ⅢはE判定から動くことはありませんでした。


 結局、現役時の受験は前期で理Ⅲ、後期で悩んだ末に理Iに出願するも、どちらも不合格に終わります。

東大など主立った大学でも、前期・後期2回の受験チャンスがあった1990年代〜2000年代前半の話です。


「浪人して駿台の講義を受けると、バラバラだった知識が、やっとつながってきた手ごたえがありました。毎日やることを決めてもらえている、という状態はすごく気楽で、余計なことを考えて悩んだりする必要がないので予備校に通って心底よかったと思っています。駿台の講義は底抜けに面白かったので、今でも思い出すエピソードがたくさんありますね」

〜中略

 とはいえ、成績は徐々に上がっていったものの理Ⅲにはまだ届かず、前期は理Ⅲ、後期は地方の医学部にそれぞれ出願しましたが、どちらも落ちてしまいました。

 森さんは1浪目でもどこにも受からなかったために2浪を決意します。


昔は普通の学部受験生でも2浪生は結構いましたが、今そこまで拘るのはほぼ医学部受験生だけでしょう。


この年は駿台市谷校に通いながらも、駿台の講義後に苦手な数学を伸ばすため、学究社が運営しているenaにも通うことにした森さん。2浪目も調子よく偏差値は上がっていき、ついに模試の判定が理Ⅲで「C」が出るようになります。

 この年こそ受かると思って決死の覚悟で臨んだ3度目の理Ⅲの受験。しかし、結果はまたしても不合格でした。それも、合格最低点までわずか5~6点差という悔しい結果でした。


 苦しいところだと思います。

■金沢大学に合格したものの…

 この年は後期試験で受けた金沢大学の医学部と、東京慈恵会医科大学に合格。金沢大学に進学することに決めますが、この選択は彼女自身の中で相当の葛藤があったようでした。

 「金沢大学に合格したことは嬉しかったのですが、東大理Ⅲという目標に向かって4年間、ひたすら勉強をしてきたので、もう一生理Ⅲを目指すことができないのだと思い、これまで受験に費やした時間を失ったかのような喪失感がありました」


普通に考えると、金沢大学医学類に合格したら、もう御の字でしょう。旧六の中でも有力な大学ですし、金沢に住めるというのは学生生活からみても楽しそうです。しかし「理三の呪縛」はそう簡単に解けません。

いったんは踏ん切りをつけ、2浪で金沢大学医学部に進学することを決めた森さんですが、大学に入学する直前に、仮面浪人という選択肢があることを知ります。



 「大学に通いながら、国立大学を受験することはできないと思い込んでいました。ですが、いろいろと調べてみたら大学に在籍しながらでも受験ができると知り、ふたたび理Ⅲを目指して勉強を始めました」


続きます。