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「肩書で周りを認めさせてやる」 〜東大理3に固執

東海中学受験生の刺殺事件 〜なんと父親はASDだったのか!


東京大学の前で2022年、大学入学共通テストの受験生ら3人を刺した罪などに問われた元高校生の裁判の判決が出ました。

東大前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を刺したとして、殺人未遂や威力業務妨害などの罪に問われた当時名古屋市の高校2年だった男(19)の裁判員裁判で、東京地裁は17日、懲役6年以上10年以下の不定期刑とする判決を言い渡した。

私が予想していたよりだいぶ厳しい判決が出ました。検察側の論告で懲役7年以上、12年以下の不定期刑を求刑したので、それがほぼそのまま認められた型です。

中尾裁判長は判決理由で、男は東大理科3類を志望したが成績不振から自暴自棄になり、無差別に多くの人を殺せば罪悪感から自殺できると考えたと指摘。 通行中の3人の背後から手加減なく包丁で刺したとし、「無関係の他人を巻き込み、人命軽視の姿勢は甚だしい」と述べた。


 直接の死因ではないとしても、この事件で負傷した被害者のひとりがその後死亡したことも大きかったのかもしれません。努力しても自分の成績が上がらないことは苦しいですが、そこから一足飛びに自殺したい、そのために他人を殺して罪悪感を感じたいとまで考えるのは、さすがに常軌を逸しています。現場で警備員に取り押さえられた際、少年は「来年東大を受験します」「偏差値70台だ!」と叫んだというのも、正気の沙汰ではないです。


 被告が在籍していた東海高校は愛知県では進学率トップの私立高です。東海高校の医学部進学実績では全国でも一番で、同じ愛知県にある県立の旭丘高校や岡崎高校を遥かにしのぎます。私の大学同級生にも同校卒がいましたが、数学が得意でしたね。被告は高校受験で東海高校に入ったものの、他に受験した鹿児島ラサール高、西大和学園、開成高などが軒並み不合格だったことに、強い劣等感を抱いたとあります。同じ塾から受けた塾生たちが合格して自分だけ受からなかったとのことですが、どうせ一校しか行けないのだからそれでも十分だと思うのですが?どのみち不合格になった高校は遠隔で、あくまでも肩慣らしの受験でしょう。


 しかし、入学した東海高校の先輩でそれらの学校にも合格していた者が学年一番になったことを知って、一挙に東大理科三類合格という目標を立ててしまったようです。理科三類は医学科進学コースで、しかも大学受験では一番難しいのは常識ですが、この被告は医者になりたかったのかはなはだ疑問です。あくまでも「一番」に強く拘る姿勢を感じます。この事件で「殺人」を考えた時点で、医者を目指す志から著しく逸脱しています。


 確かにスポーツとかの競技では「一番でないとダメ」はあります。また研究でも一番は確かに大事で、二番煎じは評価されません。しかしその辺の領域になると人智を超えるというか、何をすれば一番になるのか?という物差しすらなく、まさに前人未踏の地を目指すことです。その点学校の入試とはあくまでも「正解が用意されてある「人智の範囲」で、そこに如何に早くかつ正確に到達するかを競うものです。結果としての合否は重要ですけど、その内容自体はさして重要とも感じません。


 東海高校の教育が悪かったとは申せませんが、そういうことがよくわかってない生徒を導くという意味で、指導力が不足していると思います。今回の事件で東海高校にA.Bという2つのグループ分けがあることを初めて知りました。ヤフコメを見ました。


hina*******11/16(木) 19:20


東海OBの現役医師です。


東海は高2と高3進級時に成績別にA群とB群のクラス分けがなされます。


A群B群制は生徒間の競争を促し、進学実績に貢献する制度であることは間違いありません。


甲子園常連校が1軍2軍態勢を敷く様なものです。


しかし、「B群に入ってはいけない」などと過度なストレスやプレッシャーを生徒に与えてしまう、生徒間の分断を煽る負の側面もあります。


実際、この学校はA群かつ、その中で半分以上の成績でなければ、学業に関して満足感を得ることは困難です。


A群の下位とB群は学業において、劣等感を植え付けられるハメになりますので、進学には慎重な姿勢が必要です。


東海は医学部進学への近道ではありません。

最近高校教育が多様化して、色々なコースを設けている学校もあります。進学でも特進コースとか国立大コースとか色々ですが、東海高校クラスの進学校でこういう選別を学年進行の過程でおこなう学校は珍しいのでないでしょうか。入学時でなく学年進行の途中でおこなうのは競争心を煽りますが、それが果たして良いことなのかどうか。


 またこんなコメントもありました。遠征受験させるような進学塾は、確かに過度に塾生の合格実績を求めている可能性があります。

qnb********11/16(木) 22:38

灘を不合格でしたっけ?

だから理3に合格して見返したかった。


拗らせたのは東海高校時代じゃなくて、高校受験の時ですよね?

灘なんて名古屋から通えないから記念受験。

そんなことをやらせるのは塾でしょう。

どこの塾だったのか。


娘が高校受験でサピだったんですけど、

偏差値至上主義を植え付けられてしまって

あの時は明らかに変でした。

高校に入って 洗脳が解けたようになってホッとしました。

親の価値観がしっかりしてないと 子供が受験で壊されてしまいます。


この被告は家族6人で4人兄弟の長男です。親は普通の学校事務職でそういう競争意識を煽ったことはなかったと述べていました。しかし、高校2年の保護者同伴の三者面談で理科三類の志望を変更するように勧められ、しかも文系への転向(文転)も考えてみるよう言われたと書かれています。高2の時点で医学部だけでなく「文転」を勧められたとすると、その理由は数学の成績不振でしょう。保護者もその時成績を見ていたはずですから、もっと真剣に担任の指導を聞いて、自分の子供の向き不向きと向き合うべきでなかったかと思います。


 あまりに狭い見識に支配されていて、それほど悪い頭脳でもなかったのに、もったいないことをしてしまったと思います。以下のコメントはその通りでしょう。そうです、人の能力には人智で測れないつまり受験結果だけで測れないものが確かにあります。

ノーコメント11/17(金) 18:33


社会に出たとき「東大理3」という看板を背負って仕事をするわけではない。凄いねとは言ってもらえるだろうが、レベルの高い大学を出たからといって、仕事の出来がいいとは限らない。

偏差値や大学名という目に見えて分かりやすいものを指標にせず、物事の中身をきちんと見て人間性を磨いていってほしい。