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プーチンの終わりの始まり 〜たとえプリゴジンがカルロ・リッツィになろうとも

ついにカルロ・リッツィとなったプリゴジン氏 〜プーチンの狂気の哄笑が聞こえる


今朝のネット報道だと、ウラジミール・プーチンの怒りが炸裂したようです。「裏切り者は許さない」と。エフゲニー・ヴィクトロヴィッチ・プリゴジンの容貌は悪役にぴったりの悪相で、ウラジミールの汚い仕事を一手に引き受けてきたのだなと感じます。決してウクライナがクリーンな国だとは思ってませんが、ロシアはさらにその上をいく「悪の帝国」でしょう。プーチン始めゲラシモフ、ショイグとロシア政府の幹部は悪相の面々ばかりです、「デビルマン」の最後で、塩の結晶と化すデーモン化ブレジネフ書記長の顔みたい。上の漫画はソ連(ソビエト連邦)のブレジネフ書記長がデーモンに身体を乗っ取られ、誤って核攻撃したアメリカに対して、報復の核ミサイル発射を告げるシーンです。しかし、プーチンの顔は人間というよりハ虫類だな。アリゲーターかコモドオオトカゲ。冷酷で無表情。下関会議で来日した時も、プーチンの顔は隣で揉み手する安倍晋三氏とは、真逆の能面でした。


 メキシコに逃亡した政敵トロツキーを執拗に追いかけ、ついに暗殺に成功したスターリンも思い出します。ロシアが革命で共産化しソビエト連邦になった時、レーニンの後を継いだ人物です。かつての盟友でボリシェビキきっての切れ者だったトロツキーを政治闘争の結果、スターリンは追い落とします。メキシコまで逃げたけど相変わらず世界革命路線を提唱するトロツキーを、スターリンは許せなかった。トロツキー秘書の愛人に化けさせたスナイパーによって、トロツキーは頭部を粉砕されて殺されます。しかし、これはまだ序の口。元々猜疑心が強かったスターリンは、この後も政敵になりそうな人物ばかりでなく何万人というロシア人に嫌疑を掛け、次々と「人民裁判」で死刑にしたりそれすらせずに暗殺もやりました。プーチンもスターリンほどではなくても、ジャーナリストやかつての盟友のロシア政商たちに対して、数々の殺人を指令し実行させました。プーチンは間違いなくプリゴジンを暗殺するでしょう。表題にあるように「ゴッドファーザー」で、ファミリーの裏切り者カルロ・リッツィに優しく諭すふりをして、追放して空港に送ると見せかけた車の中で手下に絞め殺させたマイケル・コルレオーネのようにね。


 しかし今回の反乱で間違いなくプーチンの権力は揺らぎました。ロシア国防軍の内部でも疑念が拡がったと思います。プーチン自身もいずれプリゴジンの運命をたどるでしょう。それがいつなのかわかりませんが、10年とかいうスパンではないと思います。


 プリゴジンというと、今までイリヤ・プリゴジンしか知りませんでした。熱力学の分野で多大な貢献をし、1977年にノーベル化学賞を受賞したモスクワ生まれのロシア人科学者です。「散逸構造」の提唱で有名ですね。「散逸構造」の典型であるベロウソフ・ジャボチンスキー反応は、パターンの振動を繰り返しながらやがて平衡状態に達します。エフゲニー・ヴィクトロヴィッチ・プリゴジンの反目による内乱の振り子もこれで終わりでなく、何度も同じ事を繰り返しながらやがていずれ行き着くべき場所に行き着くと思います。