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STAP細胞騒動から10年 〜「あの日」と寂聴

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STAP細胞騒動から10年、研究不正は倍増


2014年のSTAP細胞の研究不正から10年という節目ですが、意外なほどこの件を振り返るニュースが少ないです。なぜ注目度が低いかというと、ひとつにはこの放送倫理委員会(BPO)の決定があると考えます。

STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定


勧告:人権侵害(補足意見、少数意見付記)

NHKは2014年7月27日、大型企画番組『NHKスペシャル』で、英科学誌ネイチャーに掲載された小保方晴子氏らによるSTAP細胞に関する論文を検証した特集「調査報告 STAP細胞 不正の深層」を放送した。

この放送について小保方氏は、「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと訴え、委員会に申立書を提出した。

これに対しNHKは、「『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと反論した。

委員会は2017年2月10日に「委員会決定」を通知・公表し、「勧告」として名誉毀損の人権侵害が認められると判断した。

なお、本決定には補足意見と、2つの少数意見が付記された。


どういう人権侵害でしょうか?

本件放STAP研究に関する事実関係をめぐっては見解の対立があるが、これについて委員会が立ち入った判断を行うことはできない。委員会の判断対象は本件放送による人権侵害及びこれらに係る放送倫理上の問題の有無であり、検討対象となる事実関係もこれらの判断に必要な範囲のものに限定される。

本件放送は、STAP細胞の正体はES細胞である可能性が高いこと、また、そのES細胞は、若山研究室の元留学生が作製し、申立人の研究室で使われる冷凍庫に保管されていたものであって、これを申立人が何らかの不正行為により入手し混入してSTAP細胞を作製した疑惑があるとする事実等を摘示するものとなっている。これについては真実性・相当性が認められず、名誉毀損の人権侵害が認められる。

STAP細胞というものの実体がES細胞の意図的な混入だったことは、間違いありません。そこは問題ない。それではその元留学生が研究妨害あるいは撹乱の意図をもって、小保方氏が培養している細胞にES細胞を混入したとでも言うのでしょうか?実は、一般論としてそういう行為はないとはいえない。というのは、研究不正をおこなっている者がその不正が発覚すると、調査妨害あるいは撹乱の意図をもって周囲の研究者の実験に不正行為を仕掛けることは、私もたびたび目撃あるいは聞いているからです。しかし、そういうトラブルが若山研で起こっていたとはまったく聞きません。ただただ体細胞核によるクローンマウス作成成功の話だけです。それに小保方氏の研究者としての態度、過去の経歴が怪しすぎます。特に早稲田大理工からの博士号の学位剥奪に至った学位論文での研究不正はSTAPとは関係ないものの、唖然とするくらいひどいものでした。いずれにしても、放送内容は勧告にある「摘示」は該当しておらず、あくまで関係する人間の証言を集めたに過ぎない。もしそれらの人物の証言に小保方氏が異論あるならNHKのインタビューに応えることも一法でしょう。ところが以下のようになっています。

放送される直前に行われたホテルのロビーでの取材については、取材を拒否する申立人を追跡し、エスカレーターの乗り口と降り口とから挟み撃ちにするようにしたなどの行為には放送倫理上の問題があった。

これねえ、どこのテレビ局もこういう突撃取材よくやってるし、もっとひどい例もあるけどBPOにかかったのを聞いたことがない。小保方氏は自分には違う意見があると思うなら、日を改めてでも応えたら良かったのでは?BPOの勧告は勇気あるメディアを苦境に追い込む行為で、かえって正常な報道姿勢を阻害しています。


 むろん犯罪者であってもなくても、メディアが裁判所になってはいけないが、関係者の証言をまとめることも不可とするなら、報道は萎縮します。それがこの「10周年」におけるマスコミの沈黙に繋がっている気がします。ひと一人、それもきわめて優秀な研究者が自殺するという重大事案なのです。メディアはもっときちんと検証すべきでしょう。


小保方氏が事件を回想した「あの日」という本があります。産経新聞の記事です。

上司にハメられた…小保方氏、恨み節炸裂の手記「内臓すり潰されるような痛み」

2016/1/29 11:50


「ハシゴは外された」と題した章では、「私の名前ばかりに注目が集まってしまったためか、世間の厳しい目は筆頭著者の私に向けられた」「私個人に対する批判を述べることが社会的に許される風潮が作り上げられた」と振り返り、「すべての内臓がすり潰されるような耐えがたい痛み」を感じたとした。


 小保方氏の怒りは、論文の共著者である若山照彦・山梨大教授にも向けられた。「論文執筆をかなり急がされた」とし、実験方法について「私だけ(中略)教えてもらうことはできなかった」とぶちまけている。


 若山氏が独断で研究を進めたとの趣旨の主張も展開し、「強引さが加速していくようだった」。小保方氏に批判的なマスコミ報道を「メディアスクラム」と批判し、「報道内容はすべて若山先生からの一方的な情報のみに基づくもの」と不信感をあらわにした。


小保方氏は、古巣である理研にも牙をむき出しにする。騒動の渦中には、小保方氏が実験中に混入したES細胞をSTAP細胞に仕立てた-との疑惑が浮上した。これについて、「ES細胞を混入させたというストーリーに収束するように仕組まれているように感じた」とし、「私の上司にあたる人たちによって、(中略)仕掛けられた罠だったとも受け取れた」と冤罪を訴えた。

 いやー、若山氏のような誠実な人物にここまで中傷をおこなうとは、驚きとともに圧倒的不快感を禁じ得ません。


 私は瀬戸内寂聴とかいうバアサンが大嫌いなのですが、こういう卑劣・卑怯な行為を繰り返す人物をかばって持ち上げたこともその大きな理由です。京都新聞の記事です。

瀬戸内寂聴さん、小保方さんに「あなたがされたことはいじめよ」 渦中の人物にも差し伸べた手


若き女性研究者による「世紀の大発見」から一転、不正疑惑で批判の嵐にさらされた小保方さんには寂聴さんが声を掛けたとされる。「STAP細胞」騒動から2年が経過した16年の雑誌「婦人公論」に2人の対談が掲載された。


 「あなたがされたことは、いじめですよ。公のいじめ。ひどいわね」。小保方さんの手記「あの日」を読んで「真実」を知ったと語り、「あなたを応援する人も世の中にはいることを知らせたかった」と温かい言葉をかけた。小保方さんが涙ぐむ場面もあったと記されている。

寂聴が科学の「か」の字も理解できないのはわかっていますが、自分が理解できない領域にずけずけ踏み込み、見当違いな発言を繰り返すのは、大変に僭越な行為です。わかりもしないのに、「真実」を知ったとは知ったかぶりもいい加減にしろ!です。絶対に許せません。今loopy寂聴が死んで心からせいせいした思いですが、こういうことをこの記事で「も」言っています。

社会から総攻撃を受ける人物への優しさは、自身の経験が源になっていた。小保方さんとの対談で寂聴さんは、出世作「花芯」が当時「ポルノ小説」と批判され、「子宮作家」とレッテルを貼られた苦い体験を振り返り、「弱った時に親切にしてくれる人が本当に親切な人です」「負けたらダメなのよ、上を向いて生きなさい」と励ました。

寂聴が不倫した相手は複数いますが、井上光晴もそのひとり。しかし、井上の娘井上荒野は寂聴を慕っていることは知られています。「ひとりの人間」として人倫にもとる行為をする人間をも抱擁するというのは、キリストやお釈迦様ならできても普通のひとはできないだろうと思ってました。しかし、こういうハチャメチャな乱倫行為を許容し、それを恥じるどころか世にアピールするハレンチ心理はまん延してるようです。したいなら、あなたの人生ですからそれも結構。しかし、自分とは無関係の畜生道でやってくれと思っています。この京都新聞の記事は「記事の後半では、井上荒野さんの父・光晴さんが寂聴さんとひかれあった理由が語られます。」だそうですが、はっきり言います。
 


「気持ち悪いんだよ」