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結婚の息子が絶縁要求「毒親」と 〜発達障害の子供とどう向き合うか?


「僕をバカ扱い」「ぜんぶ死刑」大人の指導が発達障害の子に負わせる「深刻すぎるトラウマ」~読者のコメント
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表題は読売新聞の6月17日「人生相談」です。小さい頃から厳しく育てたのは、「保育園の園長先生から「自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手なので気にかけてください」と言われたから」だそうです。一読して思うのは、おそらくこの子供には発達障害の傾向が出ていたのでないか?です。自分の思い通りにならないと怒ったり泣いたりは発達過程の子供なら普通のことですが、お子さんはおそらく普通の範囲からこぼれ落ちることが多々あったのでないでしょうか?園長先生は長年子供達を見たプロだったからこそ、助言したのでしょう。小学校時代もトラブル続きだったところをみると、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもだったように感じます。その後も散々苦労させられて育てて、ようやく結婚相手が見つかってほっとした段で「毒親」と吐かれ、結婚後は絶縁してくれと言われて失望する父親。


 このお父さんの心中を想うと、本当に同情します。ところが、回答者の藤原智美は激しく相談者の父親を責めます。しつけ一辺倒で、親子の心のつながりや愛情表現をないがしろにしてきたと!こんなこと回答者に言われた父親は、絶望の淵に立たされたのでないかと危惧します。絶対に違う!お父さんはお子さんを心から心配し、よかれと思ってどれだけしつけをされたのでないでしょうか。藤原智美は「あんたは毒親と呼ばれて当然だ」とも、暗に言っています。アホなこと書くな!藤原智美!


 発達障害の傾向を示すこどもを育てるのは、本当に難しいと思います。「傾向を示す」と書いたのは、本当に発達障害かどうか長く見ないとわからない子供も少なくないからです。だれがみてもすぐはっきり発達障害とわかる顕著な特徴があれば、それなりに対処できます。療育など児童養育支援施設の力を借りながら、子育てを進めることも可能ですから。しかしそうでないグレーゾーンの子供はどうすればよいのか?子供も大変だと思いますが、親も非常に悩むと思います。


 6月20日に現代ビジネスのネット記事で
「僕をバカ扱い」「ぜんぶ死刑」大人の指導が発達障害の子に負わせる「深刻すぎるトラウマ」
がありました。

大人は良かれと思って、子どもにいろいろな指導(「しつけ」と言ってもいいでしょう)をするのですが、過剰な「しつけ」は、成長後の子ども、とくに発達障害がある子には禍根を残すことがあります。たとえばある発達障害の子は、人と話すときに目があちこち動いて視線が跳ぶ特徴がありました。大人がそれを見て、「目を合わせること」をなんとか身につけさせたいと思いました。


 そこで、「大切なお話だから、こっちを向いて! 目を見て!」と、しつこく言い聞かせたのです。結果、その子は目を合わせられるようになったのですが、それまではなかった「チック」が出るようになってしまいました。


大人から投げかけられる指導的な言葉が恐怖の的になってしまうこともあります。ある子は、教室で逆上したはずみに、私にこんな叫びをぶつけてきました。


 「先生に『静かにしろ』って言われるのも、お母さんに『友達をたたいちゃダメ』って言われるのも、お父さんのチョコレートを食べちゃいけないのも、ぜんぶ死刑だ!」


 「静かにする」「友達をたたかない」「他人のものを勝手に食べない」……いずれも確かに、生活には必要なスキルですが、この子はもしかしたら、どれも厳しくたたき込まれる、という過酷な体験をしたのかもしれません。結果、何を指導されても、すべて死刑宣告を受けているように感じる……と、そういうことではないでしょうか。


結果としてどうなるのか?

<小学校>3、4年生の時には「何でも障害のせいにするな!! !」と言われた。障害についてなんにもわかっていない先生だった。いつもいつも、毎日毎日、僕を『ばか』扱いした。

(引用終わり)

筆者の小嶋 悠紀氏はこう言います

 この文章を読むと、龍馬くんの先生に対して、心の底から怒りが湧き上がってきます。「何でも障害のせいにするな!」という言葉は、いったいどんな神経をしたら出てくるのでしょうか。

まるで藤原智美と同じだな。一方的に親や先生を責め立てる。ひとりひとりの子供の個性に合わせた教育をおこない、じっくりと本人と向き合う。理想的なことが述べられていて、確かにその通りでしょう。しかし、何のスキルもなく、また日々の生活に追われる親に何処まで求めるのでしょうか?先生はまだしも専門ですが、そうはいっても健常で優秀な子供から発達障害のこどもまで何十人もの個性を毎日毎日フォローすることは至難です。


 「現代ビジネス」の記事はyahoo配信なので、いろいろなコメントがついています。特に発達障害で表題の人生相談と同じ経験をしたと思われる子供が成人になって書いたコメントが散見されます。それについては深く考えさせられました。しかし、子供の気持ちは理解できても大人がすべてそれを受け入れて応えることは、難しい時もあるのです。


 もうひとつ私が思うのは、発達障害には多分に遺伝の影響もあるということです。人生案内で藤原智美の回答冒頭に、「絶縁状、潔く受けて立つ、最後の親心、あなたの物言いには、硬直した堅苦しさを感じます。」と書いています。またしても責め立てるな、藤原智美!確かにそういう印象を受けますが、もしも親自身に発達障害の傾向があれば、そこから発する不器用さがそれらを生じさせていると思えないのですか?


 親も子供も色々な問題を抱えていることを想像しながら、もっと丁寧に回答してほしいとつくづく思いました。これじゃあ、親も子供も絶望しかありません。ただ、お母さんは息子とお父さんの両方を理解しているようにも感じました。