6年前の中学受験の経験生きる 〜さすが筑駒!
月曜の日経朝刊は必ず「受験考」に目を通します。毎回中学受験を担当する教員(予備校・塾を含む)の寄稿が多いですが、今回は中学受験の塾講師と思われる方。
「東大理3(理科3類)に受かりました」。6年前に中学受験を終えて塾を卒業したケイスケ(仮名)から連絡が来た。
今年の東京大の理系数学は解きづらい問題がいくつかあった。事前に解いていたのでケイスケに数学の出来を聞いたところ、開口一番「東大の過去問は45年分を解いたのですが、今年はその中でもかなりの難度に感じました」と言われて驚いた。
45年前というと私の受験時代もかすってますな。私の大学受験時代でその45年前となると、戦前の旧制高校の時代になっちゃいます!しかし、そんなにたくさん過去問解いたことない。さすが。
今年の東大数学はこの前のデイリー新潮記事に以下のように書かれていました。
指導を担当する予備校講師の見方はこうだ。
「今年の東大二次試験の問題を見ると、昨年に比べ英語は分量が減り数学や理科もいくぶん易しくなっています。つまり、東大専門塾に通って東大二次試験対策用に難問ばかりを解くよりも、教科書を丹念に読み込み理解する標準的な対策の方が大切ということです」
これ完全にウソ!入試数学は高校の教科書準拠が当然といっても、東大の数学はいつも手が込んでいます。しかも計算量が半端なく、また答えが三重根号になったりして、合ってるのか間違ってるのか確信が持てないこともしょっちゅう。先生と受験生では初見の問題を解く時の受け止めは全然違っており、しかも今年の数学は明らかに既出パターンでないものが多かったと言われます。こういうアホ予備校教師に教わったら、東大は絶対受かりませんネ(嗤)。
話は戻ります。
さすがの勉強量だ。「全体的に解きづらくて試験中に焦りましたが、落ち着いて2番を飛ばすことにして1、3、4番を完答し5番と6番は(2)の途中まで解いて、そこから2番に戻って(1)を解き……」と冷静に振り返ってくれた。
6年前と同じだ。国立の最難関中学の算数が過去最高に難しい内容だった。ケイスケでさえ、入試後に真っ青な顔で「算数が全然解けませんでした」と報告に来た。
一緒に振り返りをしたところ「1番は(3)をいったん飛ばして2番は(2)までを確実に正解して……」と話してくれた。
それを聞いて「この難易度で7割取れているんだから受かるよ。安心しなさい」と伝えた。結果は合格で、ケイスケはその学校に進学した。
ああ、これ筑駒だな。筑波大附属駒場高校、通称「つくこま」です。我々の時代は東京教育大附属駒場高校から筑波大附属駒場高校への移行期だったので、「きょーこま」の方に郷愁があります。駿台の高校受験模試の偏差値で教駒は5教科の67くらいで、最難関でした。5教科で続くのは東京教育大附属65、学芸大附属64だったかな。3教科では武蔵の66が最難関で、続く開成が63と今とは景色がまったく違います(ちなみに日比谷高を含む都立高校11群は54くらいで、底辺時代でした)。私は良い時でも60くらいでしたので、教駒受験なんて無理無理。考えたこともなかった。あ、よく思い出したら自分は教駒の通学指定学区外だったから考えなくてよかったのだ!(嗤)
「僕は中学受験でも大学受験でも数学が難化して大変な目にあっているんですよ」と冗談交じりで嘆いていた。巡り合わせとはそういうものだろう。
「僕の学校の友人も皆そう言っているんです。でも、中学受験の時のあの算数の入試問題を経験しているので、今年の東大も冷静に解けました」とケイスケ。
うーん、余裕しゃくしゃくで裏山。私は絶対無理。
ちなみに2019年の筑波大附属駒場中入試の算数講評です(「数理教育研究会」から引用)。問題作成者の気品を感じる世界でも類例がない難しい算数の問題なのか!
◆2019年 中学入試算数 講評【筑駒】
筑駒の算数は、理系の東大生ですら おそらく8割以上の人が1 時間はかかる難問だと思います。それをたったの 40分という試験時間で解かなければならない、まさにエリートオブエリートを選抜する試験です。
今年は例年より更に全体的に難しく、制限時間を考慮すると、世界中でもこんなに難しい選抜試験は、他にないのではないかと思われます。
40分で満点をとる人が現れるとは思えません。
斬新で興味深い問題を生み出したり、最後に受験生の知的躍動を生み出すような仕掛けを用意したり、インテリお洒落な問題作成者の気品を表すかのような構成でした。
これまで予備校・大学とか就職とかいろいろな機会で筑駒(教駒)卒業生と出会いました。大学同級生でも、息子を筑駒に進学させた者が何人か居ます。別に全員が東大卒ではありません。しかし、筑駒出身と聞くと周囲は一目置くという感じでしたね。このケイスケくんはみごと東大理三にも現役で合格し、神童の面目躍如といったところです。インターエデュをみると、今年の筑駒の進学実績は上記となっています。今年は合格者数が開成に次いで第2位ですが、在校生数を考えるととんでもない数です。この理三15名の合格者の中にケイスケくんも入っているのでしょう。京大も医学部に2名合格しています。ちょっと並の高校ではない。
しかし、この中学受験塾の先生は大学入試の数学まで目を通しているのがすごい!
「ところで先生は、算数を教えているのに東大の問題も解くんですね」と聞かれた。もちろん解く。そうすることで中学受験の算数の傾向の変化に気づけるようになる。そして何より、ケイスケのような規格外の子と話す機会を得られる。
6年ぶりにケイスケの振り返りを聞けたのは、とても楽しかった。(村)
この教師にしてこの生徒ありでしょうか。受験レベルとはいえ次元が違いすぎて、瞠目します!気になるのは医学に進む過程が、ほぼ数学の力だけで決まっていく点です。他の能力がどうなのか評価がほとんどない点が、日本の大学受験、特に難関医学部受験の特異な点だと感じます。
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