妊娠とオウム病 〜劇症化しやすい感染症

(オウム病を含むクラミジア類細菌の生活環)
妊娠していると感染症が劇症化しやすいことが知られております。ここに紹介するオウム病も有名ですが、E型肝炎ウイルスも妊婦死亡例がよく知られています。個人的には、妊娠による免疫寛容が、感染に対して脆弱性を生みやすいと思っています。まいどなニュースから引用します。
妊娠中の妻が「熱っぽい」と言った4日後、体調急変 母子ともに亡くなった 病名判明は半年後…夫が発信する「妊娠オウム病」の教訓
8/1(金) 7:40配信
まいどなニュース
2021年12月、妻とお腹にいた次女を同時に亡くすという悲劇を経験した男性が、後に判明した「妊娠オウム病」についてInstagramで発信を続けています栗尾一輝さん(@a.l.o.h.a_japan)の妻は高熱を訴えてからわずか5日間で急変し、病名が特定されたのは半年後でした。投稿には「こんな病気があるなんて知らなかった」「妊娠も出産も奇跡」といった声が寄せられ、妊娠中の感染症リスクへの理解と情報共有の重要性が注目されています。
鳥から人へうつる感染症 妊婦は重症化しやすく
オウム病は、クラミジア・シッタシ(Chlamydophila psittaci)という細菌による動物由来感染症です。その名の通り、ハトやオウムなどの鳥類の排泄物に含まれる菌を吸い込むことで感染し、通常は年間20例程度しか報告されない稀な疾患です。現在の医療技術では、適切に診断・治療されれば死亡率は約1%程度とされています。
しかし、妊婦が感染した場合は状況が一変します。妊婦は重症化しやすく、胎児への深刻な影響も懸念されるのです。その理由は、妊娠中の特殊な体の仕組みにあります。赤ちゃんは母体とは異なる遺伝子を持っているため、母体にとって本来「異物」として認識されます。その為、通常なら免疫システムが異物を攻撃しますが、妊婦は赤ちゃんを守るために意図的に免疫力を下げる仕組みになっています。この免疫力の低下が、オウム病に感染した際の重症化リスクを高めているのです。
栗尾さんは、このような妊婦さん特有の危険性への注意喚起を込めて「妊娠オウム病」として啓蒙活動を行っています。
亜美さんの場合、オウム病により多臓器不全や敗血症、肺炎を発症し、その結果として間接的にお腹の赤ちゃんにも影響が及んでしまいました。
オウム病、そんなに多い感染症でないけど、鳥と関係する場所、ペットショップや動物園での感染は昔からあります。妊婦が感染すると予後不良なことも、医療関係では必ず教える内容ですが、実際にみることはなかなかないでしょう。
看護師の妻とお腹の赤ちゃんが…
栗尾さんの妻・亜美さんは看護師として働く28歳の女性で、長女に続く第二子を妊娠中でした。お腹の赤ちゃん(後にエアちゃんと名づけられる)は翌年3月が出産予定日で、2021年12月のその寒い冬に亜美さんは体調を崩したのでした。当時、亜美さんが体調を崩し不安だったので、亜美さんの実家で過ごし、栗尾さん自身も義実家から仕事に通うようにしていました。
栗尾さんは当時の5日間を詳細に振り返ります。「12月11日土曜日の夜、妻が『頭痛がするな、熱っぽいな』と言ってきて、様子を見ることにしました。日曜日には38.5度の熱が出ました。月曜日には妻の勤務する病院でインフルエンザ、コロナ、血液検査をしましたが、すべて陰性でした。その夜中に39.5度の熱が出て、不安になって妻の家族と救急に行くか相談しました。でも、妻は勤務先の医師とこの症状についてよく話していて、看護師である妻が『大丈夫』と言うので、救急に行くことはしませんでした」(栗尾さん)
「火曜日には熱がさらに上がり40度になりました。それでも妻は『この数値は大丈夫だから』と言いました。私や家族は心配していましたが、その日も熱さまシートと風邪薬で過ごしました」(栗尾さん)
そして12月15日水曜日、運命の日を迎えます。「前日の夜は2階で長女と妻と三人で寝ていましたが、朝起きると妻がいませんでした。着替えて1階に降りるとソファーで寝ていて、起こさないように朝6時前に仕事に向かいました。 すると7時頃に妻の母から電話がありました。『亜美がナサ(長女)のことが分からないと言っている。ちょっとおかしいからどうしよう』という内容でした。仕事を早退して家に帰ると、妻の意識がもうろうとしていました。病院に行くために着替えることもできないほど、いつもの妻ではありませんでした。病院に緊急搬送され、その日の15時23分に妻とお腹の赤ちゃんは亡くなりました」(栗尾さん)
栗尾さんは当時を振り返り、「看護師としての判断ではなく、妊娠中の妻として向き合うべきだったと後悔しています」と語ります。
勤務先医師も決して楽観はしてなかったと思いますが、進行が急すぎました。また感染性の肺炎でも起因病原体がすぐわからないことはそう珍しくないです。
病理解剖を決断、半年後に明かされた病名
当初、医師たちも亜美さんの病気を特定できませんでした。この細菌は通常の細菌培養では増殖できず、生きた細胞内でのみ増殖する特殊な性質があるため、一般的な医療施設での診断が困難だからです。亡くなった後、妻とエアちゃんの細菌検査が行われ、検体が関係機関に提出されました。
栗尾さんは、原因を究明し同じような悲劇を防ぎたいという強い意志で病理解剖を決断します。
「2人の身体に傷をつけることは心が痛みました。ですが何もせず2人の命を無駄にはしたくありませんでした」(栗尾さん)
診断には半年という長い時間を要しました。オウム病クラミジアの検出には特殊な検査技術が必要で、結果判明まで時間がかかることが一般的だからです。診断が下りるまでの心境について、栗尾さんは「医師からわからないと言われたのでモヤモヤした気持ちはありましたが、とにかく今は仕事、死後の手続き等を終わらせて長女の前では明るくいることしか考えていませんでした」と当時の心境を語ります。
半年後、ついに「妊娠オウム病」という診断が下されました。栗尾さんは今でも「あの発熱したときにオウム病だとわかっていたらどうなっていたのか」と考えてしまうと言います。
解剖の組織所見からかりに細胞内の封入体が見つかったとしても、確定診断にはなりません。クラミジアの仲間は偏性細胞内寄生体の特殊な細菌で培養は難しいので、診断はPCRや抗原検査なども併用しながらとなるでしょう。もし、亜美さんが搬送された時にオウム病とわかっても妊娠かつ敗血症の状態では救命は難しかったと思います。
妊娠オウム病は鳥との接触が原因とされる感染症ですが、保健所の調査でも感染経路は特定できませんでした。「オウム病は鳥本体ではなく糞などの排出物から感染する病気で、菌の潜伏期間は1〜2週間です。過去のアルバムなど一カ月にわたり振り返りましたが、動物園など動物との接触した行動はありませんでした」(栗尾さん)
それでも感染してしまった理由について、栗尾さんは「公園や工事現場などでハトの糞を見かけることがあります。糞は乾燥すると空気中に舞うので、たまたま悪いタイミングで体内に入ったのではないかと思います」と感染経路について推測しています。栗尾さんの推測について、一般的にオウム病は鳥の排泄物を吸い込むことで感染するとされており、医学的に妥当な見解と考えられています。
そうか、鳥類との濃厚接触はなかったのですね。
ヤフコメを見ます。
非公開
1日前
もう30代の弟は、平成初期、当時通ってた保育園で飼っていたオウムからオウム病に感染しました。弟を含め二人感染。
今だったら保健所とか大騒ぎでしょうが当時は何もなく。まずは関節痛からなのか歩けなくなり、そこから判明。血液検査から筋肉がとけはじめてると言われ、筋肉がとけるものに予後良好の病気はないと言われたと親は話してました。親となった今なら当時の親の気持ちが痛いほどわかります。
その後何回も病院に行き、たまたまいつもの先生がいなかった時に臨時でいらした先生が感染症の専門医で特殊な血液検査の項目を念のためと増やしたら、判明。
すぐに治療を開始したら数日で治りました。オウム病、怖いです、本当に。気付けないのが。
典型的な感染経路ですが、オウム病は鳥も含めて不顕性感染もあるので、厄介です。
fuu********
1日前
私が小さい頃飼っていた犬がオウム病でした。
40年程前、ペットショップで犬を買って来て1週間で亡くなり、お店の方から代わりにともう1頭連れて帰って来た子も、1週間程で亡くなりました。さすがに、立て続けでおかしいのでお店に抗議に行ったところ、同じペットショップ内で売られていた鳥からの感染(オウム病)だと言われたみたいで、それを聞いていたから、そんな病気があるんだと頭の片隅にあり、人に感染して亡くなったとこのニュースをテレビで見て、人にも感染すると言う事を初めて知りました。鳥の糞はその辺でよく見かけるから、免疫が下がってる時は怖いですね。糞が乾燥して空中に浮遊していても目に見えないから尚更、、。
そうか、当たり前ですがイヌも罹るのですね。しかし、その子犬たちから二次感染しなくて良かった。
xuq********
10時間前
10年ちかく前に当時ブームだったフクロウカフェに行きその数日後、40度前後の熱が1週間程下がらず、さすがに病院へ行き点滴をしてもらいそこから回復に向かったことがありましたが、その際に一般的な血液検査をしましたが結局原因はわからずじまいでした。もしかしたらオウム病だったのかな、と思い出しました。
これははっきりしないけど、オウム病の可能性はありそうと感じます。野生の鳥は飼い鳥より危ないです。
swe********
1日前
報告
奥さんが通った看護学校で教えてくれなかったのかな?
私が学生だったのは15年くらい前ですが、授業中寝ていてテストの点数悪くて追試受けるくらいには不真面目な学生でしたが授業でやったオウム病の事ははっきりと覚えています。
テストにも出てきたし、先生が授業中に妊娠したら動物や鳥には近付くな、というか近付かなくても糞から移るからな!と言っていました。
立派な学校では無く地方のショボい短大でしたがね。
実習ばかりであまり座学に力を入れてない学校だったのかな?
看護師さん、あなたが知ってるのはよかったけど、だからといって予防や診断ができるとは限りませんよ。
一般に鳥類のオウム病クラミジア保有率はどれくらいなのでしょうか。
愛知県獣医師会 野⽣動物対策検討委員会が「野鳥におけるオウム病感染状況調査報告原稿」という論文を出していました。それによると

となっていて、野鳥の感染率は結構高いという印象を受けます。ドバトが特に高いです。

寒い時期の保有率と感染率が高い印象です。私は鳥類が好きですが、感染には注意しないとならないと思いました。
余談ですが、こんなコメントもありました。
psychogun
1日前
私の妻は産後に肺にカビが出来る菌に感染しました。それも鳥の糞からの感染でしたが、鳥に近づくような事はしてませんでしたので、普段の生活の中での感染だったと思います。医師の説明によると他の病気で免疫低下により感染したとの事でした。
いくら鳥から距離を置いても鳥の飛んでいない所などないんてすから、体調管理しかないと思います。妊婦さんの体調が悪い時はご主人も産休すべきです。あと悪く言うつもりではないのですが実家は信用してはダメです。昔の人は知識より経験で判断するので気をつけましょう。
ckl********
21時間前
私は臓器移植をしているので免疫抑制剤を飲んでいます。移植後半年でクリプトコッカス感染症の肺炎になりました。医師にはハトのいる所に行きましたね?と聞かれましたが身に覚えはありませんでした。いる所に行った覚えはなくても鳥は飛んでいる動物ですし、フンは舞います。可愛らしくても気をつけねばと思いました。
両方ともカビ(真菌)のクリプトコッカス感染だと思います。オウム病とはまったく別の感染症ですが、ハト糞が感染源としてよく知られています。この件はまた別な項目で取り上げたいと思います。
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