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福島大教授出勤停止9カ月 〜研究費40万円不正受給

ポワール


福島民友の記事です。引用します。


福島大は25日、カラ出張を繰り返すなどして研究費39万7640円を不正に受け取ったとして、共生システム理工学類の50代教授を出勤停止9カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は24日付。

 同大によると、教授は2017年4月から23年4月にかけ、参加予定の学会などに実際は行かなかったり、行ったことが確認できなかったりする19件の旅費37万6740円を不正に受給。出張先の団体から旅費が支給されているのに大学にも旅費を請求し、2万900円を受け取っていた。

 教授は「意図的ではなく、多忙による手続き上の瑕疵(かし)だ」と説明しているが、不正受給を認め、全額を返済する意思を示しているという。教授が出勤停止となる9カ月間の授業などについて同大は「学生に不利益のないような形で引き継ぎをし、対応している」としている。

最近カラ出張などでの旅費の不正請求に対する大学の処分は、非常に厳しくなっています。結構多い不正でないかと思いますが、2020年に京都大学で似たような不正で教授が懲戒解雇の処分を受けています。朝日新聞から引用します。


カラ出張や勤務水増しで不正請求 京大、元教授を懲戒

野中良祐2020年4月15日 16時49分


京都大は15日、研究室に所属する学生にカラ出張をさせるなどして不正に得た約78万円を私的流用したとして、医学部の天谷(あまがい)真奈美元教授(58)を懲戒解雇相当の処分にしたと発表した。天谷元教授は3月末に退職したが、京大は退職金の支給を止めている。

 京大によると、天谷元教授は2016年8月から19年1月にかけ、不正経理10件で得た計約78万円を自分の口座に入金させた。福島県内への学生の架空出張の申請書類を作り、旅費を自身に還流。ほかに、自分のカラ出張や非常勤講師の勤務日水増しなどもしていた。

 天谷元教授は動機について、「コピー代などの雑費として使った。経費をまかない、人件費を確保する目的だった」と主張しているという。だが、京大が調査したところ、主張を裏付ける出金は確認できず、私的流用があったと判断した。


 天谷元教授は精神看護学が専門。不正経理の一部は、東日本大震災の復興支援に関わる補助金から支出されていた。昨年7月、京大に通報があり、京大が調査委員会を設けて調べていた。

この京大の事件の発覚は、確か同じ研究室の教員から内部告発だったと記憶します。今回の福島大の件も多分同じような経過でしょう。しかし、よくできるなと思います。最近研究費で旅費を出す場合、領収書だけでなく出張を証明できる学会予稿集の提出など事務方から厳しく言われます。


 50代教授と書いてありますが、福島テレビの報道では共生システム理工学類の川崎興太教授とはっきり書いています。川崎興太氏のマイポータルの経歴は以下となっています。

経歴


    2010年10月

    国立大学法人 福島大学

    2010年 - 2010年

    株式会社東京建設コンサルタント

    2001年 - 2010年

    株式会社UG都市建築

    1996年 - 2001年

    株式会社住宅・都市問題研究所

    1995年 - 1996年

    株式会社ゼネラルプランニングインターナショナル


学歴


    1993年4月 - 1995年3月

    信州大学大学院, 教育研究科

    1989年4月 - 1993年3月

    信州大学, 教育学部, 中学英語学科

かなり異色の経歴です。もともとは学校教員としての課程を修了し民間会社に就職しています。都市環境問題を専門とするようになったのは就職してからと見えますが、それを梃子に福島大学の教授になったのでしょう。


学会活動は東日本大震災後に増加しています。2020年には学長賞も受けているので、学内評価は高かったのでないでしょうか。

    2021年7月

    功労賞, 環境放射能と除染に向けた環境のあり方についての多角的な提案, 環境放射能除染学会

    2020年7月

    令和2年度学長表彰(学長社会貢献表彰), 福島の除染・復興まちづくりに関する社会貢献, 福島大学


    2018年7月

    奨励賞, 福島県における除染に関する一連の研究, 環境放射能除染学会


    2018年7月

    功労賞, 環境放射能除染学会

    福島大学放射線計測チーム

    2014年8月

    エスペック環境研究奨励賞, 東日本大震災と福島原発事故後における環境復興に関する研究, エスペック株式会社

    2007年5月

    日本都市計画学会論文奨励賞, 大都市都心部における都市機能の更新誘導手法に関する研究-東京都中央区を事例として, 日本都市計画学会

そして兼任の学外委員歴がすごいです。特に2021年以降です。

    2023年4月 - 現在

    本宮市総合計画審議会, 会長

    2023年3月 - 現在

    東日本大震災・原子力災害伝承館の運営に関する有識者懇談会 調査・研究専門部会, 部会長

    2023年3月 - 現在

    東日本大震災・原子力災害伝承館の運営に関する有識者懇談会, 委員

    2023年3月 - 現在

    自治労福島県本部, 地方自治研究アドバイザー

    2022年11月 - 現在

    二本松市立地適正化計画検討委員会, 委員長

    2022年11月 - 現在

    浪江町環境審議会, 会長

    2022年11月 - 現在

    南相馬市新庁舎建設基本設計業務委託公募型プロポーザル審査委員会, 委員長

    2022年10月 - 現在

    大熊町第3次復興計画検討委員会, アドバイザー

    2022年10月 - 現在

    谷田川流域水害対策検討委員会, 委員

    2022年10月 - 現在

    逢瀬川流域水害対策検討委員会, 委員

    2022年7月 - 現在

    白河市都市計画審議会, 会長

    2022年5月 - 現在

    福島市開発審査会, 委員

    2022年5月 - 現在

    本宮市都市計画審議会, 会長

    2022年4月 - 現在

    日本建築学会 原発長期災害対応特別研究委員会, 委員

    2022年3月 - 現在

    国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所, 釈迦堂川流域水害対策検討会 委員

    2022年1月 - 現在

    須賀川市総合計画策定審議会, 会長

    2022年1月 - 現在

    環境放射能除染学会(環境放射能とその除染・中間貯蔵および環境再生のための学会), 理事

    2022年1月 - 現在

    環境放射能除染学会, 理事

    2021年12月 - 現在

    復興庁 福島12市町村における生活基盤再建に関する実証調査事業 有識者会議, 座長

    2021年9月 - 現在

    双葉町復興まちづくり計画推進会議 有識者会議, 委員

こんなに学外委員を引き受ける大学教員は見たことがないです。どれくらいの頻度でそれぞれの委員会が開かれているのかわかりませんが、教育を含む学内用務をこなす時間が十分に取れていたのかはなはだ疑問です。当初はまじめに仕事をしていたのに、引き受ける学外委員活動の増加で次第に慢心していったのでないでしょうか?


 調べると朝日新聞に詳しい経過が出ていました。朝日はこういう取材が得意ですネ!

旅費40万円を不正受給 復興研究で知られる福島大教授を出勤停止

岡本進2024年12月26日 10時45分


福島大学は25日、共生システム理工学類の川崎興太教授がカラ出張などの不正を繰り返していたとして、出勤停止9カ月の懲戒処分にしたと発表した。川崎氏は街づくりが専門で、原発事故で被災した地域の復興に関する研究者として知られる。


 処分は24日付。記者会見した佐野孝治副学長らによると、川崎教授は2017年4月から23年4月にかけ、19件のカラ出張(計37万6740円)と、出席した学会から旅費を支給されながら大学からも旅費を受け取る「二重請求」1件(2万900円)で約40万円を不正に受け取っていた。


 大学は23年9月以降、出張時に現地写真の添付などを義務づけたが、それ以前は出張報告書の提出で済ましていたため、見逃されていた。川崎氏は学会やシンポジウムに参加する目的で旅費を受け取りながら、実際には参加していないこともあったという。


 川崎氏は大学からの聴取に当初は「多忙による精神上の混乱が招いた手続き上の瑕疵(かし)」と説明したが、不正期間が長期で受給額も少額とは言えず、自身の生活費の支出に使う個人口座で出張費も管理していたことなどから、大学は全額を「私的流用」と認定した。川崎氏は最終的には「深く反省している」と大学に謝罪し、全額を返還する手続きを進めているという。


 学内では昨年、行政政策学類の准教授(当時)によるカラ出張が発覚したため、出張費が多い教員を対象に内部監査し、今回の不正が見つかった。44件のカラ出張で約100万円を不正に得ていた准教授は諭旨解雇処分だった。これに対し、川崎氏を出勤停止とした判断について、大学は「(処分内容に)批判もあると思うが、甘い処分ではない」と説明した。


 川崎氏は復興関係の著書も多く、原発被災地の自治体などとも連携して実態調査に取り組んできた。佐野副学長らは「停職と同じ扱いなので、処分期間中は大学教授としての活動は制限を受ける。(受け持っている学生や外部団体などに)迷惑をかけることになるが、代替教員を充てるなどして支障がないようにしたい」と話した。

福島大学、事務方の経費管理が相当に緩いです(緩かったです)。今時の大学にしては珍しいかな。しかし、大学教員の研究費の不正請求は今でも結構多いのでしょうか。昔だと一番多かったのは旅費の二重請求かな。招聘先から交通や宿泊の旅費が出ているのに、大学に経費でさらに旅費請求をする方法です。招聘先が交通や宿泊の領収書を求めずに旅費支給をすることが結構ありましたが、そうなると支払い方の源泉徴収でしか当人への旅費支給がわかりません。税務署でないとその金の流れはわからないので、本人が正直に申告しない限り大学事務では把握できません。これ、言いませんけどそういう不正をしている先生は、有名なひとでも東大とか有名な大学の教授でも結構いました。というか、そういう旅費が招聘先から支給されるのは研究が目立つ有力教授ですから、寧ろ福島大などがレアな事例だと思います。私は利害関係がないので、わざわざ通報はしません。しかし、かりにも教授という指導的立場で恥ずかしくないのか?と思います。表面はともかく品性下劣なヤカラたちですから、付き合いたくない連中です。いくら頭がよかったとしても(本当に良いかどうかわからないけどモラルはない)、東大教授とかの肩書きであまり有り難がる必要もない者もいるのですよ。

日常考えたことを書きます