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「数学を武器にする勉強法」 〜東大理三ミス東大が語った

ポワール

(大阪市天王寺区四天王寺にある「四天王寺中学・高校」)


これから紹介するAERA記事を読んで改めて感じたのは、難関大受験における数学の重要性です。記事から引用します。

東大理三のミス東大・上田彩瑛が卒業前に語った「数学を武器にする勉強法」

配信


上田彩瑛さんは2019年に大阪の四天王寺高校から東京大学理科三類に入学した。在学中、ミス東大グランプリに選ばれ、それを機に、バラエティー番組への出演など芸能活動を行っていた。一方で医学の勉強に励み、病院実習など医療の現場で多くを学び、患者さんと触れあうこともできた。今年、医師国家試験に合格し、東京大学医学部を卒業。4月から初期研修がスタートした。

 四天王寺高校は首都圏ではほとんど知られてない大阪の私立中高一貫女子校ですが、関西では存在感がある進学校です。wikiをみると戦前すでに「天王寺高等女学校」として開学しているので、その伝統のおかげでしょう。進学実績をみると医学部志向が強いようですが、これは西日本の進学校に共通すると思います。


上田さんが東大を卒業する直前に、話を伺った。

――上田さんは幼少のころから数学に魅了され、「数学を武器に」最難関の東大理三に合格します。いちばん最初に数学、算数に興味を抱いたのはいつごろでしょうか。


 小学校に入るくらいに『数の悪魔』(晶文社)を読んだのがきっかけで、算数に興味を持ちました。また小学校2年生のとき、算数の九九の授業で「法則で気づいたことをなんでも発表しよう」という授業があり、倍数がきれいに並んでいることに感動してそれを全部発表したら、先生は「そうだね、いいねえ」とすべてを採用してくれました。それがとてもうれしかったのを覚えています。算数が好きになったきっかけかもしれません。


――中学受験では算数の勉強にどう取り組みましたか。


 中学受験の算数は特殊なものが多くあります。小学校で学ぶ算数とは別ものと考えていいかもしれません。中学受験塾に通っていたとき、塾の方針で灘中の問題を多く解いた時期がありました。灘の、特に算数の問題はかなり難しく、灘以外の学校を目指す人にとって灘の問題で演習をするのはオーバーワークであり、そこまでの能力は必要でなかった、と振り返って思います。ただ、小学校6年のはじめに、灘の問題をいくつか解けたことがあり、そのときは純粋にうれしかったですね。

これはなかなかすごいですね。


――中学受験の算数、大学受験の数学には違いはありましたか。


 中学受験のとき算数の難問をどういうシステムで解いているのかは正直わかりませんでした。高校になると各単元をしっかり学びそのシステムを理解し技術を習得すれば、解ける問題も増えていきます。やみくもに解くというよりは、数学という技術を使い自分で攻略している感じでした。こうしたことを繰り返すことによって、確実に解ける数学の問題が増えていっている感覚はありました。


――実際の理三の受験はいかがでしたか。


 入試のとき、前後左右は全員鉄緑会大阪校の顔見知りでした。知っている人ばかりで、咳払いにも聞き覚えがあったくらいです。鉄緑会の教室では話したことはなかったけど、違う場面で2度目に会うと不思議と友だちのような気分になり、試験場で初めて話をして緊張がほぐれたことを覚えています。入学して驚いたのは、理三の同級生に塾なしで合格したという人が複数いたことです。受験勉強でのペース配分、モチベーションを一人で保っていたのは純粋にすごいなあと思いました。

塾なしで理三に受かるのは普通の能力の受験生にはまず無理と私は思います。東大の他の科類はともかく、理三に限って言えば不可能といってもいいでしょう。実際の得点では理一、理二の上位層と変わらないとはいっても、理三試験場の上位進学校揃いの独特なプレッシャーに耐えて実力を発揮できるのは、天性の受験脳です。そういう脳を持つ受験生はごく稀と思います。わずかながらそういうひともいるとはいえ、やはり「鉄緑会」畏るべしといっていいでしょう。


 ヤフコメが興味深かったです。

neg********

4/13(日) 11:05


四天王寺高校はアカンやろ…

大阪屈指の進学校の名前くらい正しく書いてあげてくれやー

???どこがアカンの?もしかして「府立天王寺高校」のことを言ってるのか?確かに天王寺高校も大阪の公立進学校ですけど、四天王寺高校を知らない関西人もいるのかいな??ちょっとびっくり。


 上野さんが小学校に上がる時読んだという「数の悪魔」という本は全然知りませんでしたが、ヤフコメをみると結構有名なんですね。

koo********

4/11(金) 20:25


小学校入学前に「数の悪魔」を読んでいる時点で普通じゃないと思う

東大理3に現役で受かった子のお母さんは、遊びの中で算数脳は育つと言っていました。

野菜を切ったり木登りしたりそんな単純なことが役に立つらしい。

前提に才能ありきでしょうが

ydo********

4/18(金) 14:48


数の悪魔!おもしろい本ですよね。祖母の家にあって私も読んでハマっちゃいました。

sat********

4/12(土) 5:19


そもそも幼稚園か小学1年で数の悪魔を理解したという時点で地頭が雲泥の差だと思う。あれば小学6年くらいでないと普通は無理なレベル。


ここに書かれた上野さんの体験記は非凡すぎて、凡人には参考にならないというコメントが多数寄せられています。

ほいほい

4/12(土) 6:40


昔から東大理3合格者が勧める勉強法みたいな本が発売されますがベースにある環境や才能が違い過ぎて上澄の体験記は凡人にはあまり役に立たないでしょう。

落ちこぼれが一年で偏差値80、全国︎1位みたいな本も同様に役に立ちません。

基本的には己とバックグラウンドが似ていて、頑張ってギリギリ〜平均くらいで合格した人の助言の方が遥かに現実的で役に立ちます。

近年ブログやnoteなどで脚色無く現実的な体験記を時々見かけるので自分が受験生だった頃より恵まれているなと思います。

もう、その通りです。

drk********

4/11(金) 11:24


頭が悪い自分にはあまり役に立たないかな。本当にできるストレートで合格したこの方の様なタイプは本当にできない人の気持ちがわからないと思う。東大生でも苦労して来た方に教わるのと進学校でストレートで受かった方に教わるとその違いがわかるよ。基礎がとにかく大事でそれをしっかり教えられる方とわからない人の気持ちがわかる方は本当に優秀です。

これもその通りですが、そういう通常レベルを超越した受験生がいると知るのも勉強かな。

ken*****

4/13(日) 13:13


東京大学に合格する時点で遺伝的な頭の良さが必要です。努力だけでは到底到達できない領域で理科三類ともなると異次元レベルです。

受験天才型と言える能力は確かにあります。

hap********

4/11(金) 14:15


私大文系の入試から考えると、東大文系でも数学のレベルは高く、東大は数学ができない人は入れない。

これもその通り。

文系だと京大、一橋大も数学力が大きい。

詳細はプロフにて♪

4/11(金) 12:24


まぁ現役で理科三類は化け物よな。

私の高校の1つ下で現役で理科三類行った人がいたけどなんか世界が違かったですねw

私の周りは血へど吐きながら一浪で県立医大行ければ超優秀みたいな感じでしたが、全くそんな感じに見えなかった。あーゆー人が天才なんだろうなって高校で初めて感じた。

こういう方の中に、「塾なしでも理三合格」がいるのでしょう。しかし、普通の理三合格者は以下のような刻苦勉励パターンでしょう。


y02********

4/12(土) 6:49


自分は年代がずっと前だが高1から毎日赤チャートを5ページずつやり、大学への数学の学力コンテストを毎月出した。高2のうちに数3まで終わり高2の秋から卒業まで学コンはほぼ満点で通した。1科目200点満点とすると数学のトップクラすの人は200点とれるが学年平均は20点、他の科目はトップクラスが160からせいぜい180学年平均は80点くらいなので、数学得意な方が1科目余分に受けているくらい差がつく、コレが圧倒的に数学得意な人が有利な理由。ただ努力の才能のほかに遺伝的才能が必要なので誰でも頑張れば達成できるわけではない。他の科目で頑張っても大して点差つかないので東大入試だとボーダー付近の底辺の戦いになる。合格すれば大学の講義は面倒くさいだけで入試よりは簡単なので高校の時ほど勉強しなくて優が取れるのであまり勉強しなくなる。高校の成績と大学の成績に相関が無いのはこのせいも大きい。あとは人生を楽しむだけ

難関大受験で数学が合否に決定的に重要になるのは、上の点ですよね。数学は出来る出来ないで点差が極端に開き、他の科目でその差を挽回するのはほとんど無理と感じます。しかし、数学高得点だと優に2科目分の点数差を稼げるか。うーん、言われてみるとその通りで、目からウロコです。


さて難関大受験に数学力がかくも大きくものを言うのはよくわかりましたが、医学部に限っていえば、その能力はその後キャリアにも有利なのでしょうか?

まめしば

4/11(金) 11:57


自分も理系だった。なんか数学ばっかり勉強やってたな。一時は彼女と同じ仕事についてだけど、明らかにミスマッチ。大人になってASD ADHDの診断ついた。娘も診断ついてる。初等数学の本かじりついて見てる。でもいくら無理強いしても友達と遊ぼうとしない。この記事の意義は、子供が興味を持った時にそれを妨げない環境においてあげるのはいいことというだけ。無理やり放り込む意味はない。

私の印象としては、少なくとも大学受験レベルの数学力の異常な高さはアスペルガー的要素とかなり関係するように感じています(数理科学の研究者を育てる大学レベル以降の現代数学との関係性はわかりませんが)。ASDだから医師向きでないとまでは言えないかもしれませんが、患者との対話が重要な臨床医には向きません。上野さんがどうなのか、これからの研修でわかってくると思います。しかし、体験談を読む限りコミュニケーション力高そうで、医者としてもうまくいくのでないかとも感じます。


 ただ、上野さんのインタビューで以下の主張はやや疑問が残りました。再びAERAから引用します。

■「性差は刷り込みが大きいと思う」


――灘の算数は難しい。だからといって女子に難しい算数は向かないことにはならないと、上田さんは本の中で書かれています。数学、算数は男子が得意、女子は苦手といわれるような「性差」についてのお考えをお願いします。


 性差は刷り込みが大きいと思います。数学は技術で解ける問題はいくらでもあり、その技術さえ身につけたら、性別は関係ないでしょう。わたしは高校数学の勉強のゴールは、丸暗記ではなく、解法のポイントをたくさん持ち、どんな問題にも対応できる力を身につけることであり、そこに男子、女子の差は関係ないと思います。ただ、中学受験の段階で、灘対策として難問に対する訓練が男子のほうが多かった可能性はあります。こうした訓練の差によって、算数の成績で男女差がつくられてしまい、それを数学になっても潜在的に引きずっている、ということはあるかもしれません。

大学受験の数学に関して言えば、上野さんが言う

「高校数学の勉強のゴールは、丸暗記ではなく、解法のポイントをたくさん持ち、どんな問題にも対応できる力を身につけること」

はほぼ賛成です。しかし、

「その技術さえ身につけたら、性別は関係ないでしょう。」

と言えるのでしょうか。もしその通りなら、今でも難関大の工学部や理学部の女子率が他学部と比べて低い理由がわかりません。特に京大。京大の工学部と理学部は他の京大理系学部とくらべても圧倒的に女子が少ない。そしてこの2学部に共通するのが、二次試験の数学配点率の高さです。京大工学部と理学部は令和8年度入試から「女子枠」が始まります。女子枠は総合型選抜の一種で入試問題は一般入試とは異なります。しかし、共通テストは一般入試と同じ要領で課されます。共通テストの数学難易度は京大の一般入試二次の数学と大きく異なりますが、この女子枠で入る学生と一般入試で入る女子学生で共通テストの数学得点を比較すると、数学の性差があるかないかある程度推測できる気がします。

日常考えたことを書きます