gillespoire

日常考えたことを書きます

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

暴走するJR東の合理化 〜公共意識が極めて乏しい横暴

吹きすさぶJR東日本の横暴 〜「みどりの窓口」難民化


先週木曜(12月21日)の朝、通勤のため駅に着いて軽い驚きを覚えました。いつも乗る始発まで何分あるか駅舎の時計で確認する習慣がありますが、見上げると真っ暗で何も見えません。「ああ、時計を撤去したな」と思いながら近づくと、時計を据えていた土台の鉄枠が黒々とはっきり見えました。この1年くらい、JR東日本の駅の時計が次々と撤去されています。「時計老朽化でメンテが大変になったから」という理由がJR東の言い分ですが、正常に動いている時計をはずすのは、「電気代がもったいない」からでしょう。ホーム上の時計は少ないながら残存していますが、駅舎や駅通路の時計はほぼなくなりました。確かに昨今の電気料金上昇は頭が痛いですが、だからといってそういう公共サービスを一律にやめていいのでしょうか?


 12月23日の読売朝刊を読むと、JR京葉線の春からのダイヤ改定に関して、こんな記事が出ています。

ダイヤ改正「丁寧に説明」 JR支社長 京葉線「混雑を平準化」


JR東日本千葉支社が来年3月16日に実施する京葉線のダイヤ改正をめぐり、土沢壇支社長は22日の定例記者会見で、「京葉線をより便利に使いやすくという目的で考えた案。きちんと説明して実施したい」と述べた。ダイヤ改正に対して、熊谷知事と千葉市の神谷俊一市長は「容認できない」との考えを示している。

 ダイヤが改正されると、京葉線では朝と夕方以降の時間帯で、通勤快速(外房・東金線、内房線との直通を含む)と快速が各駅停車に変わる。


簡単に言うと、朝の上り列車で主に京葉線に乗り入れをおこなう蘇我駅以遠の各線について、京葉線内を快速運転で通過していたのを取りやめて各駅停車にするということです。京葉線は総武線と異なり、快速と各駅とが複々線に分かれていません。従ってこういうダイヤ変更が容易にできますが、蘇我より遠くに住み東京方面に通勤する客にとってかなり大変なことになります。




そのため、この発表前の12月22日にこういう記事がでていました。

京葉線 ダイヤ改正批判の声 通勤快速各停に 千葉市長「極端な対応」


JR東日本千葉支社は来年3月16日にダイヤを改正し、京葉線の朝と夕方以降の時間帯で通勤快速(外房・東金線、内房線との直通を含む)と快速を各駅停車に変更する。通勤・通学や帰宅のラッシュ時に、列車の混雑を緩和する狙いだという。ただ、全てが各停になる結果、所要時間が増える利用者もいるため、批判的な声も相次いでいる。


 ダイヤ改正は今月15日、同支社が公表した。広報担当者は、各停を増やすことで乗客が分散する効果を挙げる。午前10時~午後3時台は、快速も走る。


 乗車時間が長くなることに対し、利用者や沿線自治体の首長は懸念や不安を示す。蘇我―東京駅間の所要時間でみると、平日朝の上り通勤快速は平均41・5分。各停は平均55・5分で14分増える。夕方の下り通勤快速は平均37・5分だが、各停では約19分増の平均56分だという。

 千葉市内には、通勤快速停車駅の蘇我駅や、快速停車駅の海浜幕張駅などがある。神谷俊一市長は21日の記者会見で、ダイヤ改正によってラッシュ時の通勤快速と快速が「全廃」されるとの認識を示し、「廃止は極端な対応。市民生活を支える公共交通のあり方として容認できるものではない」と強く批判した。「千葉市の価値を揺るがす」とも述べた。

 神谷市長のX(旧ツイッター)などには、「通勤時間帯の快速を維持してほしい」「転職や引っ越しを考えないといけない」といった声も寄せられているという。神谷市長は近く、同支社から具体的な説明を受ける。改正見直しを申し入れることも検討している。

しかし、今回はそれを請けてのJR東側の声明で、

批判的な声が上がっていることについては、「厳しいご指摘は承知している。引き続き十分丁寧に説明したい」と述べた。担当者がすでに県や千葉市に説明したとする一方、「私も直接伺って説明したい」と述べた。ダイヤ改正を撤回する可能性を問われると、「狙い、目的をご理解いただくことに専念する」と述べた。

つまり結論としてJR東はダイヤ変更を見直しする意思が一切ないと、明言しました。確かに京葉線の通勤快速がなくなっても総武線の快速はありますが、朝の総武線快速はものすごく混みます。そのため東京方面はわざわざ蘇我駅で京葉線に乗り換えて通勤する客もかなり多いのです。なにが「京葉線をより便利に使いやすくという目的で考えた案」なのか?ご自分の都合ばかりが優先だろうと。本音の理由として「収益強化」でしょう。快速走らせるより各停でくまなく乗客を拾った方が、儲かりますから。


 今朝(12月25日)の読売朝刊には、こんな記事もありました。JR永田駅は外房線の駅です。

永田駅隣にトイレ新設


JR永田駅のトイレが2月上旬から閉鎖された問題で、大網白里市は駅舎の隣接地に公衆トイレを新設する方針を固めた。市がJR側から土地の無償譲渡を受ける一方、整備費と設置後の維持管理を負担する。

これの前段はこういうことです。同じく読売の5月19日の記事です。

JR外房線の駅で経費削減のためトイレ閉鎖、通勤者困惑「京葉線直通の電車にはトイレがない」 


問題の始まりは、昨年4月のことだった。市はJR東日本千葉支社から、永田駅構内のトイレや隣接地の譲渡を提案された。JR側は利用者の減少やコスト削減を理由に挙げたという。

 JR千葉支社によると、永田駅の2021年度の乗車数は1日平均775人。トイレの利用者は1日平均10人で推移してきたが、コロナ禍で1日2~3人に減っていた。日中に限り、駅員は1人いる。

 市は、トイレを譲渡された場合の水道代など維持管理費を検討。「鉄道利用者が使用する駅構内の施設を、市民から幅広く集めた税金で維持するのは筋が違う」などと判断し、昨年7月に提案を拒否した。これを受けてJR側は、今年2月5日からトイレを閉鎖した

 閉鎖に伴い、JR側は列車内のトイレを使うよう促している。ただ、都内への通勤に永田駅を利用する50歳代の男性会社員は「京葉線直通の電車にはトイレがない。駅から自宅まで徒歩で15分かかるので、駅のトイレは助かっていた」と話す。


つまりJR東のトイレ廃止にともなう強要に、大網白里市は全面的に折れたということです。まさに、「雪隠詰め」です。駅のトイレを廃止した上に、列車を各停にして通勤時間を延ばす。通勤途上で我慢しきれなくなって、車内でおしっこやうんちをお漏らししてしまって恥ずかしいことになったら、どうするのか?もしかして、JR東はマゾですか?


 今、団塊世代が60歳〜65歳の退職年齢を超えたため、鉄道利用客は全体として減っています。特に新型コロナの流行が、それに拍車を掛けたのは間違いないでしょう。しかし、テレワークが減った今、また増えています。たとえ今後減っていくにせよです。


 少子高齢化が急速に進行して年金をあてにできなくなった結果、定年を超えた高齢になっても働く人が非常に多くなりました。特に午前4時台の早朝、JRの車内は杖をつきながら乗り降りするお婆さんやお爺さんに溢れているのをご存じか?昔はそういう時間帯に乗るのは、ガテン系の現場作業する若者と相場が決まっていたのにです。そういう無理して生活のために頑張って働こうとする人たちに何と言う無慈悲な行為をJR東はしているのか!まさに高齢者虐待です。日本はいつからこんな無慈悲な国になったのかと嘆息しますが、JR東はそういう公共性に対する意識がとりわけ低いと感じます。「効率を悪くする老人は邪魔だ!早う氏ね!」ということでしょうか?