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第118回医師国家試験 〜東大・京大がふるわない成績

第118回医師国家試験 〜国試合格率と卒業・進級判定



(DOCTOR-ASEから転載させていただきます)


リセマムの記事です。引用します。

厚生労働省が2024年3月15日に発表した第118回医師国家試験の合格状況によると、自治医科大学の合格率は新卒・既卒共に100.0%だった。このほか、群馬大学医学部と名古屋大学医学部、東海大学医学部は新卒者合格率が100.0%だった。

自治医大は創立して最初の卒業生が出てから、ほぼ100%の合格率ですね。一時、今から10数年前不合格者がぱらぱら出ていてさすがに国試対策に疲れたのかな?と思いましたが、近年はまた100%が復活してきました。


学校別合格者状況によると、自治医科大学が100.0%。ついで、国際医療福祉大学医学部99.2%、兵庫医科大学99.1%、産業医科大学99.0%、順天堂大学医学部98.5%、日本医科大学98.4%、名古屋市立大学医学部98.3%などの合格率が高かった。


 新卒者の合格率が100.0%だったのは、自治医科大学、群馬大学医学部、名古屋大学医学部、東海大学医学部の4校。また、自治医科大学、国際医療福祉大学医学部、兵庫医科大学、産業医科大学、名古屋市立大学医学部、防衛医科大学校医学教育部、東北医科薬科大学医学部の7校は既卒者の合格率が100.0%だった。

注目は国際医療福祉大で、昨年の1期生に続いて2期生もすばらしい成績を出しました。


 私には国試は遠い過去の話となりました。我々の頃医師国試は3月下旬(3月26日あたり)で、大学卒業式のさらに後にありました。卒業式が終わった後、近くの定食屋で同級生たちとビール飲みながら昼食をとりましたが、数日後にせまった国試のことはもちろん考えていました。先輩からは「まあ通ってしまえば、受かって当然の試験」と言われましたけど、気になりますよね。実はその直前の時代まで、医師国試は年2回あったのです。春秋の2回で、無論春が本試で、秋は救済のための追試みたいな位置づけでした。しかし、秋の国試は毎年合格率が悪いのと受験者も少ないので廃止になりました。今は年1回で当たり前ですけど、我々は廃止直後だったので緊張しました。その後、医師国試は段々複雑化していき、2日間から1日増えて3日間という時代になっていました(2017年まで)。今はまた2日間に戻りましたが、問題の精密化は進んでいると思います。


 ヤフコメです。

rsp********15時間前


自治医大は卒業後は地域医療に従事することが義務付けられているから、学生も田舎出身者で真面目な学生が多い。都会の勉強だけできる学生や開業して金儲けしようと言うのはいないし先生方も良い先生が多い。「医は仁術」の理想を教職員が実践してるからだと思う。病院の応対も感じが良い

そうなんでしょうね。でも都会の医学生を小バカにした態度は鼻につく。


ゴールデンイエロー14時間前


大学入試の時点で偏差値70オーバーの母集団が試験を受ければ当然、医師国家試験は100%の合格率になる。医師国家試験はとても難しいが、偏差値70オーバーの集団にとっては当然合格と言う感覚であろう。

bie********16時間前


今年は東大、京大はかなり下ですね

聖マリ、愛知、昭和、帝京の方が上

どうなったんですか?


金沢(私立の方)は定位置に戻り、最下位予想の川崎は頑張ったの

川崎に負ける旧帝大九州、徳島、和歌山の国公立はどうした

まあ、大学までの学力と国試合格は必ずしも比例しません。これは後で述べます。


しかし、下のしたり顔の意見も違うな。医師の方らしいですけど。

D7時間前


東大の話してる人多いけど、東大出身の先生の中には医師免許に興味の無い人も一定数いるということ。

そう、興味がないひとは医学部には一定数いて教員としては困ることだけど、国試受けなければ別に問題ありません。国試受験は卒業案件でも義務でもないですから。そういうひとまで受けるから東大の合格率が低いんだろ?でも、東大には受かりたくても受からない有名人もいるじゃないですか?


 しかし、下の京大医学部の話は本当?初耳ですが?入試で面接はしてますがね。

六甲の溝 14時間前


東大理3や京大医学部には、数学や物理学の方に興味・適性がある者が多数進学してくるので、合格した時点で燃え尽きたり、医学の勉強がつまらなく感じて身が入らないのだと思う。東大は医学部進学が確定するわけではないのでまだしもだが、京大は医師の適性が無い者ばかり入学させているとして文科省から警告を受けている。

SAT16時間前


こう言うとクレーム来そうだが、レベルの高い大学医学部は合格率が低い。レベルが低い医学部は 国家試験の合格率を気にしてるので、普段の授業でも医師国家試験を意識した授業を行っている。東大理科三類では全くそんな授業はせず、生徒任せ。ここに理由が有る!

うーん、そうかな。我々の頃、母校でも国試対策はまったくなく、それどころか卒業試験もなかったです(卒試は今に至るまでないと聞く)。勝手に勉強してくださいという感じ。しかし、6年生の9月になって国試の過去問を初めてやってみたら、全然点がとれない!やば、と思って慌てて自分で勉強を始めました。ポリクリは年明け2月末までばっちりありました。最終週、整形外科のオペが終わった後でレポート課題を講師の先生があれこれ出されるので、「あのー、先生。そろそろ勉強に集中したいのですが?」と恐る恐る申し上げたら、「何の勉強?」と言われてしまった!それでも新卒受験の同級生も含めてほとんど合格しました。


東大医学部の合格率がよくないことに関して、一昨年(2022年12月)AERAにこんな記事がありました。小林哲夫氏が書いた文章を引用します。

医師になるためには、医学部医学科(以下、医師養成系という意味で医学部とする)に入学する必要がある。学部の名称がそのまま職業を示し、「業務独占系学部」と呼ばれている。


 1953(昭和28)年、1963(昭和38)年の医師国家試験合格率(表)をみると、100%の大学がいくつも並んでいた。1960年代前半に医師国家試験を受けた大阪大医学部名誉教授によれば、(1)医学部が少なく優秀な学生が集まった、(2)成績が良いからではなく本当に医者になりたい学生が多かった、(3)医学が格段に進歩した現在よりも国家試験の問題が難しくなかったなどの理由があるという。


 ところが、1970年代に入ると様相が変わった。合格率100%の大学が減り、60%、70%台という低水準の大学が出てきた。

そうなのか。


これは興味深いです。東大や京大も昔は優秀な合格成績だったのですね。

ふるわない東京大、京都大の合格率


 医学部人気は昭和、平成から令和の今日まで続いている。このなかで変わらず最難関なのが東京大理科III類(医学部進学課程)であり、日本の大学でもっとも偏差値が高いというのは、高校や予備校関係者の意見の一致するところだ。したがって、医師国家試験の合格率も東京大医学部が毎年ほぼ100%でランキング1位、以下、偏差値が高い医学部の順に並んでいる……と思いきや、そんなことはない。1980年以降では、1980年88.3%(22位)、1990年88.1%(32位)、2000年79.7%(50位)、2010年90.4%(42位、2014年90.2%(48位)、2016年89.3%(63位)、2018年90.0%(51位)、2021年91.1%(52位)。最近20年で30位以内に入ったことは一度もない。


 京都大医学部の医師国家試験合格率もふるわない。1980年87.5%(23位)、1990年92.1%(15位)、2000年83.3%(29位)、2010年88.6%(54位)、2014年90.2%(48位)、2016年92.8%(34位)、2018年93.3%(26位)、2021年89.7%(61位)。東京大ほど悪くはないが、最近20年で上位10位以内に入ることはない。

そうか。

東京大、京都大いずれも年によっては1割以上が不合格だ。医学部は他学部に比べ、難易度が年々高まっている。優秀な学生が医学部を目指しているはずなのに、なぜだろうか。東京大医学部教授で同大卒の医師などによれば、東京大の医師国家試験合格率の低さの理由について、次のようにみることができるという。


(1)大学受験最高峰の「理III」合格を達成したため燃え尽き症候群となり、大学受験時以上の勉強ができなくなった。


(2)大学受験は学校や塾で徹底した受験対策を行ってきた。東京大医学部では一部の私立大医学部のように医師国家試験対策を行わない。そのため、強制ではなく自ら勉強して医学知識を覚えることが実は不得手だった。


(3)大学受験はゲーム感覚でクリアできたが、医学に興味を持てず、勉強する意欲がわかなかった。


(4)理IIIに合格したという自信から「医師国家試験ぐらい少し勉強すれば合格できる」となめてかかる、あるいは油断してしまう。


(5)いくつかの特定分野で深く勉強しすぎてしまい、基本的な知識を広く身につけることができなかった。


 医学の世界で日本の学歴を考えるとき、東京大、京都大がこの体たらくというのはまずい。自分の頭の良さを証明するために、特に東京大理IIIに入学する者がいるという話は、灘、開成両高校の教師からよく聞く。東京大理IIIが入試で面接試験を復活させたのは医師の適性に欠け、医師国家試験に受からないような受験生を拒否したいからだろう。

小林氏が挙げた5つの理由は、どれも可能性があると感じます。あと一つ付け加えるとすると、精神的な問題でしょうか。ひとつは統合失調症に代表される精神疾患です。特に統合失調症は100人に1人は発症します。医学部在学中に発症すると、治療しても国試合格は非常に難しくなります。しかし、統合失調症はどこの医学部でも万遍なくいるはずです。東大や京大に多いのは、発達障害でないでしょうか。特にアスペルガーに代表されるASD。個人的な経験から言うと、ASDはそんなに珍しくないです。ただし一言でASDといっても症例は実に多様で、他の発達障害と移行的だったり一見では気づけない程度だったりします。しかし、この2校に関してかなり目立つと感じています。そういう方でも国試は合格できることが多いようですが、そうでないひともいるのでないかと感じます。