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京アニ放火殺人事件 〜青葉慎司は統合失調症だったのか

京アニ放火殺人事件の青葉慎司被告が、普通でない精神状態であることは事件そのものからみても明らかです。しかし、47Newsの記事を読み、彼が重度の統合失調症患者であったことを初めて知りました。今まで断片的にしか報道されてこなかった、青葉慎司の事件までの精神的な軌跡がとてもよくわかりました。


記事から引用します。

2012年6月、青葉被告は茨城県のコンビニで販売店員に包丁を突き付け、2万円余りを強奪する事件を起こす。約10時間後に自首したが、実刑判決(懲役3年6月)を受けて10月、水戸刑務所に入った。

翌13年1月にはさっそく“粗暴な言質”を理由に刑務所内でトラブルを起こしている。半年後には精神科医の診察を受けている。「20歳ぐらいから何もいいことがない」と説明したといい、仕事を転々として家族との接点もなく、投げやりな態度が見受けられた、と医師は記録している。翌月のカルテには、「破滅的なことがある気がして、壊してしまう」と幻聴を訴えたとし、統合失調症の疑いと記された

青葉被告は暴言などで実に計13回も懲罰を受けている。精神科の診察も頻繁に行われており、「怒りを抑えると恐怖に変わる」「犯罪をしたことがフラッシュバックする」などと訴えている。

 個室に隔離すべきとの方針が採られ、自殺を警戒して保護室にも収容されていた。不穏な状態で大声を上げるため、刑務官が制圧したことも記録されている。こうした状況を受け、処遇も変わった。高齢者や精神疾患を持つ受刑者が集められたセクションに移され、刑務官の注意や指導が減ったという。

2015年10月には担当医が統合失調症と(確定)診断した。出所3カ月前のことで、釈放前のアンケートには、被告自身が自分のことを「なりゆきまかせ」と評し、「1年後に作家デビュー、5年後に家を買う、10年後に大御所になる」と目標を書いている


最後の言からしても、統合失調症の治療があまりうまくいってなかったことが想像できます。しかし、2016年満期で出所した後も、かなり手厚い医療配慮が続いていたことがわかります。

青葉被告は37歳だった16年1月に出所、更生保護施設に移った。このタイミングで刑務所は県知事に対し、精神保健福祉法に基づく通報措置をしている。いわゆる「精神科の26条通報」と呼ばれるものだ。


〜中略


2週に1回の医師の診察、また精神状態や服薬状況などをチェックする訪問看護を週2回のペースで受けることに決まった。簡単な仕事を行い、工賃をもらう作業所にも通うことになった。さらに週1回の訪問介護が付いていた。精神障害により日常生活のサポートが必要な人が対象で、部屋の掃除など家事支援のためだったと見られる。


こうした“手厚い”見守りの体制の下、社会生活を始めた青葉被告。落ち着いた環境で再び小説を書き始めた。巨大な目標があった。京都アニメーション大賞に応募する長編と短編小説を書き上げることだった。膨大なエネルギーを注ぎこんで数カ月で完成させたが、結果は落選だった。長編小説は応募要件を満たさず、審査対象外となっていた。がっかりし、裏切られた気になった。「ナンバー2が圧力をかけて落選させた」などと妄想に取りつかれた。


〜中略


小説を京アニ側に盗まれたと被害意識を募らせ、精神的に追い詰められていく。アパートの壁が薄いのか、隣や上階から漏れる音に常時悩まされた。昼夜逆転の生活となり、人に会うのが嫌になっていったという。アパート上階の住人の物音には、自ら騒音を出して対抗した。スピーカーで大音量の重低音を響かせた。

 アパートの大家ともめ、住宅支援員が間に入る。110番を受け、警察官が何度も臨場しているが、青葉被告はその都度「もうしません。引っ越しを考えているし、薬も飲む」「すみません」などとその場しのぎの対応をした。

18年5月、男性看護師の訪問に、包丁を持って対応する出来事が起きた。インターホンを押しても出てこないため、ノックするとしばらくしてぱっとドアが開いた。現れた青葉被告は左手で胸ぐらをつかんできた。頭のところに振り上げていた右手には包丁が握られていた。そして「つきまとうのをやめろ、殺すぞ」と怒鳴ったという。被告が現実と妄想の区別が付いていないと考えたのか、男性は自分が看護師であることと、事前に訪問の連絡をしたことを伝え、包丁を渡すように言った。すると、被告は包丁から手を離したという。部屋の中に入ると、被告が愛好していた革ジャンや布団が(刃物で)ズタズタに切られ、パソコンやゲームも破壊されていた。

残念ながら治療に対してきわめて反応がよくない重度の統合失調症だったと言えます。

この一件を、被告の地域生活を支えるチームは深刻に捉えていた節がある。直後の診察では、不安でそわそわしている様子がカルテに記されており、地元の総合病院に入院させようと病院側に打診したが、家族がいないために断られた、となっていた。

この後は、妄想がどんどん拡大し、大宮駅での無差別殺人の衝動を経て、最終的に京アニのガソリン放火殺人に至ります。青葉慎司はたとえ今回の事件でなくても、いずれ大きな事件を起こしたことは間違いありません。読んでいて暗然としました。しかし、こうなると裁判で青葉慎司は心神喪失で責任能力を問えないということになりやしないか、非常に気になりました。もしもそうなったら、ご遺族や被害者の方々はやり切れない気持ちになるでしょう。


 あと気になったのは、ヤフコメです。意味不明で、医学的にみて青葉慎司にきわめて近い精神状態の者が複数コメントしています。こういうコメント、普段は滅多に見ません。

自分も31から7年間無職ニートです 原因は 医療ミスに伴う薬のミスからでしたところが仕事につけなくなって分かったことは 人との繋がりがゼロになるようになってるシステムで 男の場合は仕事が生きがいとか言うけど違ってて友達が担保に取られてるような状態に。

趣味を持ちなさいとか言うけど底辺労働では趣味を持つ 余裕もないし 休みは 疲れきって動くこともできなくてどんどん 余裕なんて 奪われる

働くことしかないように設計してて早い段階で家庭を持ってた人たちは 子供は住民税控除をつけられるけど友達と付き合うことに 控除はない こうやって どんどんバラバラに

最初に弱い職業や ブラック企業 あるいは PTSD で職業につけないとそこまで 人質になってしまう 社会 なんだってこと 自分は理解していますよ

私は、今回の、被告人の、青葉真司被告人は、過去にも、犯罪を犯して居ましたね。で、刑務所から、出所をしてから、厚生施設に身を寄せて居ましたね。で、後は、話わ変わりますが、私の、仕事仲間で、事件を起こして、刑務所から出所をした人で、同じ身寄りが無い人で、市役所と、刑務所に、連携で、NP法人とゆう訳アリの人が入る施設に入りましたね。で、何でも、その施設は、県に、何箇所か有るそうで、生活保護を受けながら、生活をして、家賃や、共益料や、食事代を払い生活をしていたそうですね。又、そうゆう施設は、更生保護施設と同じく、の宿の門限が厳しく決められているそうですね。


一方、こういう精神障害者たちと関わりを持つと思われる方のコメントもありました。

知的障がい者を専門に支援する仕事をしています。統合失調症の方も支援していますが幻覚や妄想、幻聴に日々悩まされているのが支援を通じてよくわかります。統合失調症は認知機能障害も併発するので適切な治療を施してもそれらの進行を食い止めるのが精一杯だと思います。

そもそも統合失調症と診断された時点である程度症状が悪化している場合が多く、また本人に病識がない(病気だと理解できない)ので薬を定期的に飲ませる事が難しいです。

青葉被告の場合、人生のかなり早い段階で統合失調症を発症し長年放置した結果医療と支援の限界を超えてしまったのでしょう。

しかし、統合失調症であっても常に善悪の判断が出来ない事は稀(そのような状態だと物事を順序良く実行できない)なので彼はただ単にやけくそになっただけだと思います。

彼が統合失調症を患っている事で他の統合失調症患者が言われなき批判に晒されないようにするべきです。

確かに十把一絡げはよくないですが、統合失調症が進行すると「やけくそ」リスクは多寡あれど上昇するのでは?と私は感じます。青葉慎司が刑務所にいたとき、「個室に隔離すべきとの方針が採られ、自殺を警戒して保護室にも収容されていた。」と記載されていますが、いっそこの時自殺させてしまっていればと思う私はおかしいのでしょうか?