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日常考えたことを書きます

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「波」 〜そこらの週刊誌よりずっとためになる


書店に寄ったら、フリーペーパーコーナーに「」が置いてありました。私、タダには大変弱く、何か置いてあったらすぐさまいただいていきます。「波」久しぶりだなあ。もう10年以上、いやもっと長い間手にしてなかった気がします。そもそも仕事でずっと忙しくて、大学生協の書店以外行ってなかったです。


 さて「波」ですが、これ新潮社の発行だったのですね!私ずっと岩波書店のフリーペーパーだと思っていて、岩波の「波」から名付けられたと思ってました。いやー、お恥ずかしい。しかし以前の「波」は読んでもあまりおもしろい記事がなかったと記憶します。そういうこともあって、自分の記憶からこの雑誌は遠ざかっていたのでないかな。


 さて久しぶりに手にした「波」ですが、すこぶるおもしろい。巻頭の筒井康隆幾たびも美食日記」。ほおほお、筒井康隆は金持ちなのね。良いもの食ってるわ。でもいやみには感じない。阿川佐和子は「おかずフルーツ」。うんうん、わかる。豚肉料理とか果物を添えると合うのですね。鴨もそうだけど。


 最相葉月村岡俊也の「穏やかなゴースト画家・中園孔二を追って」を紹介している。この前のNHK日曜美術館で中園孔二という画家を初めて知りましたが、夭折したものの才能に溢れた画家だったようです。最相葉月の紹介を読んで、改めてこの画家に興味を持ちました。


 マンガも出ています。梨木香歩・近藤ようこの「家守奇譚」とはこれまた如何なる命名?12回目だそうですが、「白木蓮」というお題。うーん、この季節外れの木蓮の花、確かにそういう幻想を抱かせます。うまい!


 私の好きな戦史ものも掲載されています。大木毅の「指揮官と参謀たちの太平洋戦争」。今回は「マレーの虎」山下奉文(ともゆき)が紹介されています。


 川本三郎の「荷風の昭和」。永井荷風はもともと食えない奴と思っていたが、ここまで性格がひんまがっていたとは!戦災で焼け出された荷風を助けた従弟の杵屋五叟は尊敬していたとはいえ、ここまで荷風に酷い目に遭わされてよく我慢しましたね!


 いやー、「波」がこんなに充実した内容になっていたとは、全然知りませんでした。皆様ももし書店のコーナーで見掛けたら、是非手に取ることをお勧めいたします。