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流しそうめん店で93人食中毒 〜キャンピュロは湧水にもいるのか

ちょっと前ですが、表題のようなニュースが流れました。


カンピロバクターには Campylobacter jejuni Campylobacter coliがありますが、jejuniの方が多いでしょうか。私はキャンピュロバクターという英語発音に慣れていますが、通常はカンピロバクターと書きます。動物、特にニワトリとかブタのような家畜の消化管に常在していることが多く、これらの家畜の糞便で汚染されたものを食べると感染して、腹痛・下痢などの消化管症状が出ます。食中毒の原因病原体としてもっとも多く、ノロウイルスと並びます。感染源としてもっとも多いのが鶏肉で、あとは鶏卵、いずれも加熱不良な場合に起こります。


 その意味で今回のような湧水から感染するというのは、珍しく感じました。うーん、湧水が汚染されているということは、野生動物?ヤフコメを見ると、こんなコメントが出ています。

残念ながら元論文をたぐれませんが、そうなのか。なぜか否定がついていますが、そうかかなり以前から湧水でのカンピロバクター感染の事例は知られているのですね。しかし湧水でカンピロは自然繁殖しないはずです。FNNに続報でこんな報道がありました。

【追跡】流しそうめんで93人食中毒の謎 原因の「カンピロバクター」どこから?湧き水近くにイノシシが


9/4(月) 15:13配信

FNNプライムオンライン

管から水が噴出…檻にかかったイノシシも


本来、カンピロバクターは、野生動物や家畜などが持っている細菌で、鶏肉などを加熱が不十分な状態で食べた時などに下痢や腹痛、発熱などの症状を引き起こすという。それがなぜ湧き水に混入していたのか。


現地を取材すると、流しそうめんの営業は終わっていたが、山から伸びている黒い管からは冷たい湧き水が出ていた。管をたどっていくと、水が噴き出ている箇所を発見した。


現場の映像を東京医科大学の中村兼任教授に見てもらったところ、「ここから水が噴き出しているということは、ここに外部から菌が混入する場所だと考えてもおかしくない」と指摘。「野生(動物)のふん便の中にカンピロバクターが存在していないと言えませんよね。小さなピンホールみたいなとこから菌っていうのは自由に出入りしますから」と説明した。


野生動物の腸内にいるカンピロバクターは、ふん便にも含まれる。自然に24時間さらされた管の隙間から、細菌が湧き水に入り込んだ可能性が考えられるという。


また、地上に見えていただけでも約100mある湧き水の管についても、中村氏は「(管が)長いとそれだけリスクが大きい。地中に埋めた方が安全で、外に出してるとやっぱり野生の動物がかじったり。流しそうめんの場合は、水がやっぱり重要な一つの材料になるわけで、水の管理というのがちょっとお粗末な気がします」と疑問を呈した。


管が地中に埋まっていた地点から約500メートル山頂側に向かうと、湧き水の取水口だという場所にだどりついた。その近くでは、檻にかかった3匹のイノシシに出くわした。身近に野生動物がいることがわかる。


中村氏は、「やっぱりこういった野生動物の腸には(カンピロバクターが)存在していると考えて、間違いないと思います」と話した。


そうですね、イノシシはブタと同じ仲間ですから考えられる感染源です。山中にはヒトはそれほどいなくても、野生動物は知らないだけでかなり豊富なのかもと思うニュースでした。


 追記:
上記の1987年の新潟衛生公害研究所の記載は見つかりませんでしたが、こんな記載がありました。野生の小鳥類も結構感染しているのですね。