京都新聞から引用します。
記録が「永久保存」となった「重大少年事件」とは 京都府内分の一部が判明、識者「市民に分かりにくい」
7/6(日) 13:16配信
重大少年事件の記録が事実上の永久保存になる「特別保存」とされず、廃棄された問題を受け、京都家裁は、危険運転致死傷や強盗殺人未遂など少年事件9件、家事事件6件を特別保存にした。京都新聞社の取材で、特別保存となった事案の一部が判明した。
筆頭の表が判明した分となります。
京都家裁は2013〜23年に審理が終結した少年事件9件、家事事件6件を過去にさかのぼって特別保存とし、各事件の事件番号と終局日、事件名の一覧を6日に公開した。京都新聞社が当時の報道を基に家裁に確認した結果、少年事件3件、家事事件1件についてはどの事件かが判明した。
判明したのは、京都市西京区で少年(15)が男性会社員をナイフで刺した強盗殺人未遂事件(13年)▽京都府与謝野町で自衛官(19)の車が民家に衝突、同乗者4人が死傷した危険運転致死傷事件(21年)▽福知山市で大学生(19)が神社などを全焼させた連続放火事件(23年)=年齢はいずれも当時。
家事事件の判明分は、京都市の50代経営者が、女性と婚姻したまま戸籍の性別を男性から女性に変更するよう求めた事案(19年)。
各地で相次いだ記録廃棄を契機に、裁判所が永久保存に当たる特別保存の対象事件を見直している。識者は「歴史文書として後世に残すため、まずは保存体制を整えることが重要だ」と意義を強調する。一方で、裁判所は対象事件の事件番号などを公表しているだけで、どの事件が永久保存になったのかが分かりにくいとの指摘もある。
少年事件の記録は、少年が26歳を超えれば原則廃棄されるが、家裁が資料的価値があると判断すれば特別保存にできる。永久保存される記録には、家裁調査官が作成する調査票のほか、警察や検察の捜査記録なども含まれる場合がある。
犯罪被害者支援に取り組む奥田尚彦弁護士(京都弁護士会)は「記録の保存には、後に法改正を検討する際の資料になる可能性や、重大事件を風化させない効果がある」と話す。
これで思い出すのは神戸児童連続殺傷事件の裁判記録廃棄です。GoogleのAIサーチから引用します。
神戸地方裁判所が、1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の裁判記録を廃棄していたことが判明しました。この事件は、当時14歳の少年が小学生2人を殺害し、3人に重軽傷を負わせたもので、社会に大きな衝撃を与えました。最高裁判所の内規では、史料的価値の高い記録は永久保存とされていますが、神戸家裁は少年審判の記録を廃棄していました。この記録廃棄により、事件の検証や再発防止策の検討が困難になったと 遺族や専門家から批判の声が上がっています
これだけ社会に衝撃を与えた殺人事件の裁判記録が保管されないというのは、驚愕でした。上の京都地裁は保管と決めた事件一覧で興味を覚えたのは、少なくとも全国的にはあまり知られてない事件ばかりという点です。2022年の福知山の大学生の連続放火事件も比較的地味な事件に思えますが、どういう経緯だったのでしょうか?産経新聞から引用します。
京都・福知山の神社全焼させた疑い、大学生男を再逮捕
2023/7/14 12:31
京都府福知山市の神社を放火し全焼させたとして京都府警は14日、非現住建造物等放火の疑いで、同市の大学生の男(19)=建造物等以外放火容疑などで逮捕、処分保留=を再逮捕した。男は「ガソリンをまいて火をつけた」と供述し、容疑を認めている。
福知山市内では5月下旬以降、民家などでの不審火が連続で発生。男は他の数件への関与をほのめかしており、府警が慎重に捜査を進める。
再逮捕容疑は6月15日午後、福知山市土師の愛宕(あたご)神社に放火し、全焼させたとしている。
府警によると、木造の本殿などを含む約82平方メートルが全焼した。けが人はなかった。境内ではランタンなどに使われる石油燃料のホワイトガソリンの缶が複数発見された。府警は男が犯行に使用したとみて経緯を調べる。
その後別な放火もしていたことがわかります。
京都府警捜査第1課と福知山署は23日、福知山市内在住の男子大学生(19)を建造物侵入・建造物等以外放火の疑いで逮捕した。
調べによると、大学生は6月18日午前2時25分ごろから29分ごろまでの間、福知山市土師宮町のホームセンター敷地内に、放火する目的で侵入し、軒先に置かれていた段ボール箱などに放火したもの。
防犯カメラの映像などから特定し、午後2時すぎ、自宅で逮捕した。犯行時に使用したと見られる自転車、着衣などを押収している。
「イライラしていた。何かに火を付けて燃やせばおさまると思った」と供述しているという。ほかにも数件の放火をほのめかしているともいう。
付近では15日以降の1週間以内で、愛宕神社が全焼したのをはじめ、不審火による火災が神社、空き家、ホームセンター、民家など合計5件、ここ1カ月では6件が判明している。
地元の人びとから大事にされてきた愛宕神社。前田地区神社総代世話役、土手隆晴さん(73)は「まだ関連は分からないが、住民はひと安心です。すごく憤っています」と話している。
イライラか。火を付けて放火することに快感を感じる連続放火犯は昔からいます。この犯人は大学生なので当てはまりませんが、知的障害を持つ者が多いです。大きな火を見ることにある種の熱狂を感じるようです。あとは「劇場型犯罪」で、消防士や消防官が放火して消火活動にあたる自分のヒーロー像に陶酔する倒錯した人格を持つ者も時々いますね。まさにマッチポンプ!
その後の裁判経過は以下でした。
大学生連続放火「世間の注目集めたかった」懲役3年の判決 400年の歴史ある神社焼失 判決受け『再建へ』決意新たに 2024年06月13日
京都府福知山市で神社などに放火した罪に問われた元大学生の男に対し、京都地方裁判所は懲役3年の実刑判決を言い渡しました。
■6件の不審火に関与した罪
当時19歳の大学生だった男は、去年5月から6月にかけて、福知山市内の神社やホームセンターに放火するなど、合わせて6件の不審火に関与した罪に問われています。
■「大学生活のストレスで大きな火が見たかった。世間の注目を集めたかった
これまでの裁判で男は起訴内容を認め、「大学生活のストレスで大きな火が見たかった。世間の注目を集めたかった」などと話していました。 争点は男の『責任能力』で検察側は「完全責任能力があった」と主張し懲役5年を求刑しましたが、弁護側は「心神耗弱だった」として減刑を求めていました。
■400年の歴史も焼失
放火された建物の1つ、400年の歴史を誇る愛宕神社。 事件から1年がたっても基礎の部分だけが残った姿です。
■神社の再建目指しクラファン
元の規模に再建するには1億4000万円以上の費用が必要ですが、男に損害賠償を請求しても支払いの見込みは不透明で、神社を管理する土手隆晴さんたちは10日からクラウドファンディングで全国に支援を募っています。
【愛宕神社再建委員会・土手隆晴委員長】「再建できたらいいんです。一歩でも前の規模の神社にしたいがなかなかね。力がなくて困っているんです」
■「完全責任能力ある」懲役3年の判決
土手さんたちも見守る中、迎えた12日の判決で京都地裁(増田啓祐裁判長)は「愛宕神社の放火はあらかじめ用意した燃料を用いて、木造の神社という可燃性の高い対象を選んで放火するという危険性が大きい手口による悪質なものであり、全焼という重大な結果をもたらしている。敷地内に人がいたため断念して引き返したにも関わらず、再度赴いて犯行に及んだものであり、強固な犯意に基づくものといえる」と指摘。 「一連の犯行により、地域社会に大きな不安を感じさせたことも看過できない。被告人はわずか約1か月で6回にわたり、同じような犯行を繰り返したもので、強い非難を免れない」としたうえで「被告は完全責任能力がある」として懲役3年を言い渡しました。
■「神社がどうなったか写真も見たと思う。社会復帰後のケアを十分に活用して」と裁判長
また増田啓祐裁判長は最後に被告の男に対して以下のように語りかけました。 「6件の放火を起こして、社会に与えた危険性の責任はやはり重い。まず最低限のことをして、こういうことを繰り返すことのないよう、火をつけるのがどれだけ危険か分かったと思います」 「愛宕神社がどうなったか写真も見たと思います。繰り返すことのないように、生活環境を整えることも必要。社会に戻ったあと、地域の中でケアしてくれる人たちのもとで生活も期待される。サポートする人のもとで、生活するときは、その人のことをよく聞いて、社会復帰したあとのケアを十分活用して生活してください」
■「反省の弁もない。他人事みたい」
【愛宕神社再建委員会・土手隆晴委員長】「求刑が5年で(判決が)3年ですか。なんか短いような、ようわかりませんけど。反省の弁もありませんし、これでいいのかと思うのと、我々被害者に対して何もない。他人事みたいに私は受け止めました」
土手さんは『再建に向けて一歩でも近づけるように頑張りたい』と決意を新たにしていました。
(関西テレビ 2024年6月12日)
なるほど。この大学生は判決を受けてもまったく無反省だったようです。「出所後に再犯の可能性がきわめて高い」と裁判所が判断していると思われます。とすると懲役3年は妥当な量刑だったのか?と疑問が残ります。これを読むと、神戸児童連続殺傷事件の裁判記録を破棄したのは、出所後の犯人の行動・言動を思うと判断ミスだったとつくづく痛恨の極みです。
なお、健常者(一応)で連続放火犯というと、諏訪市の「くまぇり」を思い出します。wikiから引用します。
諏訪地方連続放火事件(すわちほうれんぞくほうかじけん)とは、2006年(平成18年)4月から5月にかけて、長野県諏訪地方の諏訪市・諏訪郡下諏訪町で中学校の体育館・資材小屋・自動車が放火され全焼し、さらに茅野市でも放火が行われた連続放火事件。諏訪市在住の自称「熊田曜子ソックリさん」でくまぇりと名乗っていた当時20歳の女性(2016年に刑務所を出所)が、自身のブログで火災写真を掲載していたことでも注目された[1][2]。
こんなこと書いていたらしいです。
2006/05/01[月]
火事
今日の熊ぇりビックリ
さっき午後11時30分頃近所で大火事がぁりました
一軒家まるまる燃えて全焼燃え上がった炎が電線を燃やし
電線がバチバチバチっと爆発してあたり全部停電で真っ暗
消防や警察や野次馬ですっごぃ人だかりで
まるでお祭りのような騒ぎでした
最近不審火が多発してて今月で6・7件位発生してます怖いょ~
2006/05/11[木]
また火事だょ
今日の熊ぇりビックリ
また近くで火事がぁったょ今回ゎ中学校の体育館が全焼だょ
くまぇりの母校だからショックだょ~
もぅ先月から合わせると10件にもなるらしぃ
今回の体育館が燃えたのゎ全国ニュースになってたょ~
怖いょ~
2006/05/25[木]
またまた火事
今日の熊ぇりビックリ
ぇ~とちょっと前5日位前かな?
又火事が近くであったょ~
もう諏訪で10件以上岡谷でも10件以上茅野市でも
何件か起きてるからかなりの数だね!
夜ゎ家の周りは消防車やパトカーや覆面パトロールや
交代制の歩きの見回りである意味賑やかです…(-"-;)
普通に犬の散歩してるだけなのに職務質問されるし
(`へ´)ちあんが悪くなったなぁ(・_・;)怖い…
2006/05/26[金]
また火事
今日の熊ぇりビックリ
昨Θ下諏訪で火事があったよ!
乗用車2台を焼く火事だって!
もう諏訪では不審火が18件も起きてるらしい!
だから隣町とか合わせるとかなりの件数だね!
もう近所中警戒して電気つけたり見回りの車とか凄いよ~Y(>_<、)Y
2006/06/02[金]
5月30日に又不審火
今日の熊ぇりビックリ
30日か31日にまた不審火の火事があったらしい!
ウサギ小屋が燃えてウサギが1羽死んじゃったらしい!犯人許せない
ウサギさんを焼き殺したのは、あんただが?驚くのは逮捕のために警察が自宅を訪れた時、読者モデルということで「SPA!」記者が取材に来ていてその撮影が終わるまで、逮捕を待つことを懇願したこと。
逮捕当日の2006年7月8日、女性は読者モデル「くまぇり」として総合週刊誌『SPA!』に掲載されるグラビアのため、水着姿による写真撮影をする予定になっていた。撮影に出向く直前に長野県警察の捜査員が自宅を訪れたが、撮影を行いたいという本人の意志が強く、女性捜査員が同行して撮影は予定通りに行われ、撮影終了直後に女性は逮捕された。このとき撮影された写真は、当初予定されていたグラビアアイドルの取り上げ方ではなく、ニュース写真として『SPA!』に掲載された
その結果がこの写真。
・・・どういう心境で撮影に臨んだのだろうか。
平田恵里香は受刑中に雑誌インタビューに応じております。一応反省はしていたようですが、こんな文を「創」という雑誌に寄せています。
『あなたにたいほ状が出てます』と言われたときは天と地が逆さになりました。さっきまで天だったのに・・・SPA!はまだ見てないんですよ。自分ののっているざっしやしんぶんも一回も見たことないんです。ダメなんですよ。留置所で新聞が切り取られていると『あ・自分のきじだな』って分かります(中略)マスコミ報道はおおげさにまたおもしろおかしく書くので私は大嫌いです。親もそのつど悲しんでいました」
一応健常者と書きましたが、この歳でこんな内容でしかもひらがな混じりの文章とは、如何に不登校やパニック障害があったとはいえ、違和感があります。「創」では獄中記のマンガも出版しましたが、出所後の平田恵里香がどうしているかはわかりません。