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いちごの季節 〜日本のいちごは美味しい

團伊玖磨さんのこと(「パイプのけむり」など)


土井善晴氏が日経の「あすへの話題」でいちごを取り上げていました。この時期いちごが店頭に並びますけど、日本は露地物がほとんどなくハウス栽培が主流なせいでしょう。いつからハウス栽培が始まったのか知りませんが、土井氏の言から推測すると昭和30年代(1950年代後半)には始まっていたようです。

私は2 月生まれ。幼利園か、小学校の低学年のころの誕生日のプレゼントに、木箱に入った一箱の苺をねだった。昭和卯年( 1955 年)頃ハウス栽培の技術ができて、ようやく広く食べられるようになったらしいが、まだまだ苺は高級な果物だった。

しかし、その頃のいちごはあまり甘くなかった。

ベリー皿に、小粒の苺を3〜4 個、グラニュー糖をかけて、ピッチャーからミルクを注ぐ。苺はフォークでつぶして食べるものだった。白いミルクと苺の赤でグラデーションができる。ビンク色になったミルクを少し飲む。ミルクを少し増量してまたつぶす。ミルクと実と一紹に食べる苺の時間は、子供なりの至福のひとときだった。

昭和のいちごは、砂糖とミルクで潰して食べるのが一般的でした。今でも自宅にイチゴ潰しのスプーンはありますが、砂糖をかけて潰して食べる習慣はなくなりました。いちごが甘くなったからです。

 上の写真のいちごは1月高崎駅で買ったものですが、「かおり野」でした(最初「やよいひめ」と書いてしましたが、間違いだった)。産直らしく、自宅近くのスーパーで買ういちごよりずっと新鮮でした。少し固く、しかし香りは匂い立つよう。甘さも十分でした。

フランスの女の子が言っていた。「私は5 月ごろに出てくる小さな苺が大好き」。日本にも甘い、大きいだけじゃなくて、いろいろ楽しめる苺があれぱいい。

うーん、このフランスのいちごは経験ないな。土井氏はいつ何処で、このフランスの女の子と会ったのでしょう?いちごに関しては、自分の経験ではフランスは全然駄目でした。フランスのマルシェで出るいちごは露地物が中心らしく、3月半ば以降でないと出回らなかったです。そのいちごは赤くてとても美味しそうなのですが、食べると酸っぱい!毎年つい気を引かれて買いましたが、何度買っても酸っぱい。昭和の日本のいちごと同じようなものだったかもしれませんが、香りもあまりしませんでした。木イチゴのフランボワーズの方が遙かに甘い上に香気豊かなので、いちごの駄目さ加減は余計に残念でした。そうそう、フランスなのにマルシェで売っているいちごはなぜか判を押したように、スペイン産なのです。


 土井氏はいろいろ楽しめるいちごがあればいいと言っておりますが、僕は團伊玖磨氏が随筆で書いたいちごを思い出します。確か「エスカルゴの歌」に出ていたと記憶しますが、「白いいちご」なのです。團伊玖磨氏は動物園が好きなのですが、札幌の円山動物園を訪れた時、偶然園内に生えていた白いいちごを見つけます。小さい粒だけど、口に入れるとその香気が素晴らしかったと書いていました。しかし、そのいちごは他では見たことがない種類でした。團氏はそのいちごは日本産ではなく、シベリア原産の野生種であることを突き止めたと書いていました。後年團氏が円山動物園を訪れた時、残念ながらその白いいちごは影が消えていたそうです。團氏がそのいちごを見たのは1950年代と思われ、シベリアで抑留されていた日本兵が帰還した時に持ち帰ったものかもしれませんね。最近、店頭でも白い品種のいちごも売ってます。しかし、僕はその團氏が食べたというシベリア原産の白いいちごを一度食べてみたいです。