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2023夏高校野球 〜塾高優勝おめでとう!!

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最近は高校野球まったく観ません。夏のこの時期も忙しくて、日中テレビ観戦なんてここ30年以上した記憶がないです。それに高校野球自体への関心も薄れていました。最近の出場校で勝ち残っていくチームはほぼ例外なく私立で、たまに公立であっても学区外からのスポーツ推薦を受け容れる高校ばかりです。要するに都道府県から選ばれるという地域性から乖離した高校ばかりになってしまい、応援にどういう意味があるのかわからなくなってきたからです。


 さりながら慶應は特別です。何せ母校と関係しますから、例え卒業校でなくても自ずと関心が向きます。しかし、まさか決勝で仙台育英に勝つとは思いませんでした。下馬評でも特に投手陣で勝る仙台育英が断然有利そうでしたから。こうなると「判官贔屓」ではありませんが、何とか応援に行きたくなる。例え「刀折れ矢尽きる」の状態になっても、最後まで慶應ナインの雄姿を見守りたい。普段野球に関心が薄い私ですらそうなったくらいですから、実際に首都圏から甲子園まで決勝戦観戦の弾丸ツアーを決行した慶應OBも少なくなかったでしょう。実際同級生でも何人か行ったようです。終日会議で塞がっていた私は、羨ましくて仕方なかったです。


 マズいことに同じような考えで、甲子園にはせ参じた慶應OBは途方もない数に上ったのでないかと思われます。少ないとはいえ、政財界を中心に関西など西日本にもかなりのOBがおり、8月23日の甲子園には慶應義塾「社中」が一致団結したようになっていたのでないでしょうか。観戦席もアルプススタンドを遥かに超え、半分どころか2/3くらいが慶應関係者に見えました。しかも老若男女あらゆる顔ぶれが集まっており、慶應愛は世代を超えていたことがわかりました。幼稚舎の子供達まで来ていたのにはさすがにびっくりしましたが、白髪で杖をつきながらのおじいさん達もかなりいましたね。まさに「慶早戦」と同じような状況ですが、相手は早稲田でなかった。失礼ながら仙台育英のような地方の高校を相手にあそこまで大群が集まってしまうと、「判官贔屓」の形勢が逆転になります。


 優勝したのはすばらしかったものの、応援で慶應勢はネット民に厳しく叩かれています。高野連の指導がなくても自重すべき点はありました。しかしあれだけ沢山の慶應関係者が集まってしまうと、制御は無理だったでしょう。非慶應民にとっては第二次世界大戦でナチスドイツに蹂躙された東欧諸国のような嫌悪感を持ったのでしょう。残念に思いますが、仕方なかったかな。特に新型コロナでスポーツ応援がこの3年間以上まともにできなかったことを考えれば、その歓喜爆発にはある程度ご理解いただきたいと思いました。


 私は残念ながら優勝の瞬間をスマホで見たのみでした。あとでyoutubeの映像をみて偲ぶのみです。勝利後の校歌斉唱で「塾歌」をちゃんと録画してくれている動画がなくて、残念。慶應の応援歌として「若き血」は有名ですが、「みーよー、かぜになるー」で始まる塾歌は慶應卒業生なら生涯忘れることはありません。校旗もいいですね!紺赤紺のストライプは東京6大学の中でも抜きん出て垢抜けたデザインで印象に残るものです。日本の中、いや世界中でもここまでデザイン性に優れた校旗を持つ学校は稀でしょう。慶應グッズにもあちこちでこれは取り入れられていますし、開業するOBにはこの紺赤紺ストライプをデザインとして使う先生が非常に多いです。医師は医師会の関係で卒業大学名を宣伝することを禁じられていることが多いですが、校旗の配色なら文句言われる筋合いはないし、ひとめ見て何処の大学かわかりますから。


 塾高が推薦入試を取り入れて部活動経験者にも道を開いたことは知っておりました。この制度は20年ほど前に始まっており、「野球部強化が狙いのひとつだ」という話は関係者に聞いておりました。その効果が徐々に表れてきた結果と言えます。はっきり申して、塾高が野球部を強化する意味はよく理解できません。塾高は確かに慶應の附属高校として一等の位置を占めます。しかし東京6大学野球への一般市民の関心が下がってしまった今、塾高から大学の野球部を強化できたとしてもあまり慶應イメージの向上にはつながらない感じです。今回みたいなネット民の批判の嵐に遭うくらいなら、高校野球はネット民が好きらしい「野球専門校」に任せておけば?とすら思います(そういう人たちが地元代表校についてどの程度知ってるのか知りませんが)。同じ土俵で勝負するなんてつまらないし、慶應のイメージに泥がつかないか心配になります。しかし、今回の優勝はまことに立派なものでした。難敵仙台育英の守備を突破した塾高ナインには心からエールを送ります。泉下の初代慶應応援指導部長の加藤元一先生も、さぞお喜びのことでしょう。