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デスモスチルス 〜北大総合博物館訪問

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今回の北海道旅行で、ひとつ書き忘れていました。北大総合博物館でのデスモスチルスとの対面です


 思えば海外の旅でも機会があれば必ず土地土地の科学博物館に行きました。お目当ては「化石」。今まで見た中で印象に残っているのはベルギー・ブリュッセルの科学博物館で見たイグアノドン。中生代の石炭層から発見された恐竜ですが、数がバカ多いので有名です。もうね、館内で化石イグアノドンが隊列を組んで行進してますわ。フランス留学中にも一度訪れましたが、帰国してからも恐竜好きの息子とヨーロッパ旅行した時に訪れました。


 日本では残念ながらそんなに沢山の恐竜化石、特に完全体は出土していません。例外は北海道で発見された「カムイサウルス」ですが、未見です(というか公開されているのかい?)。ここで紹介するデスモスチルスは恐竜ではなく、哺乳類です。国立科学博物館の甲能直樹氏の記載では以下のようになっています。

今からおよそ1800~1300万年前、北太平洋沿岸にはデスモスチルスと呼ばれる奇妙な海生哺乳類が生息していました。この仲間は、1888年に最初の化石が報告されて以来、特異な形をした歯の化石しか見つからなかった時期が長かったため、ごく最近まで「幻の奇獣」と呼ばれていました。そして、最初の発見以来120年経ってなお、この動物がいったいどこで何を食べていたのか、未だに意見が一致していません。

〜中略

デスモスチルスとは、ラテン語で「束ねた柱」を意味します。文字通り、臼歯の一つ一つの咬頭が柱のように円柱状をなしていて、それらが束ねられて一本の臼歯をなしていることから、目(もく)の分類名も束柱目と呼ばれています。束柱類は、1300万年前に絶滅してしまっていることや、現生の哺乳類でこのように特異な形態の歯を持つ種類は全く存在しないため、この動物が何をどうやって食べていたのかについて、さまざまな意見がありました。

そう、歯の形状に特徴があります。wikiによると

日本から北アメリカ大陸西岸までの太平洋沿岸に生息していた。当初は歯の化石のみであったが、岐阜県瑞浪市で最初の頭骨化石が発見され、後に樺太から全身骨格が発見されている(全身骨格発掘は当時北海道帝国大学教授の長尾巧が担当)。

また祖先と考えられているアショロアが1976年足寄郡足寄町で見つかった

となっておりまして、実は全世界で2体しかないデスモスチルスの全身骨格の化石の1つは、北海道大学が所有しています。私、このことを小学時代から知っており、デスモスチルスの化石を見ることは長年の念願でした。


 今回ついにそれを見ることができました。


奥がデスモスチルスで、手前がその祖先型のパレオパラドキシアです。パレオパラドキシアは

福島県伊達市梁川町の広瀬川河床の梁川層で、1984年(昭和59年)8月21日に発見された梁川標本が有名。ほぼ完全な形で発見されたのは世界で4例目であり、頭骨まで正常な形で発掘されたのは梁川標本以外にはアメリカ合衆国北カリフォルニアのSLAC(Stanford Linear Accelerator Center、スタンフォード大学の物理学研究施設)にあるのみ。

だそうです。いずれもレプリカの展示ですが、なかなか迫力があります。札幌に行かれる機会があれば、是非見ておきたい標本です。