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「肉」はあまり食べず「魚」と「野菜」はしっかり食べているのに、なぜ「日本人」の「大腸がん」は多いのか

表題の記事は「現代ビジネス」です。従来日本人の悪性腫瘍で頻度がもっとも高かったのは胃癌でした。今も多いことには変わりないですが、この10数年で急激に増加したのが大腸癌です。今大腸癌はもっとも頻度の高い悪性腫瘍です。大腸癌の発生原因として、昔から食生活が言われておりました。つまり欧米のような肉食が多く脂質の多い食事が、大腸癌発生頻度を上げると。日本人の食生活が昭和時代と異なり、欧米に近くなったことが、その増加原因と思っていました。ところが、この記事はそうでないとまでは言えないまでも、知らなかった観点を示してくれています。


 記事を引用します。

魚は少し増やすほうが良いにしても、食物繊維は足りている。肉は食べてはいるが欧米ほどじゃない。野菜も十分摂取できている。こんな日本で、なぜ大腸がんが減らないのでしょうか? 

 大腸がんの原因が単純でないのは、一つには大腸そのものが複雑だからです。先に書いたように、部位によってがんの発生率が違い、がんの発生原因が異なる可能性もあります。たとえば結腸がんと直腸がん。日本では、以前は直腸がんが多かったのが、次第に結腸がんが増えて、今では結腸がんのほうが発症率が2~3倍高くなっています。発生原因にも違いがあって、直腸がんは塩分の取り過ぎが関係することが知られています。このことから直腸がんは、結腸がんの性質と胃がんの性質の両方を持っていると指摘する専門家もいます。

そうか、確かに結腸癌は増えている実感があります。途中大腸癌とがん遺伝子の話がありますが、そこは飛ばします。

大規模なコホート研究から、日本酒に換算してアルコールを1日2合以上飲む日本人男性は、まったく飲まない人とくらべて大腸がんに2倍なりやすいことがわかりました。アルコール飲料に含まれる純粋なアルコールの量をもとに換算すると、第2章で書いたように、日本酒1合は、ビールなら中びん1本、焼酎なら0・6合、ワイン4分の1本、缶チューハイ1・5缶に相当します。

 そして、2005年までにおこなわれた5件の調査を総合的に分析したところ、男性も女性も、1日に飲む量が増えるにつれて大腸がんの発症率が上がり、男性は最大で3倍高くなることも明らかになりました。この傾向は、結腸がんでも直腸がんでも認められます。

 さらに、この研究結果を欧米でおこなわれた調査と比較すると、飲酒による影響は、欧米人より日本人のほうが深刻なことが確認されました。日本人を含む東アジア人の約半数が、肝臓でのアルコールの分解にかかわる遺伝子に生まれつき変異があるからです。こういう人は、変異がない人とくらべて、アルコールを16分の1しか分解できないことがあります。欧米白人とアフリカ系には、この変異を持つ人はいません。

 なるほど、これは新しい視点。日本人ではADH(アセトアルデヒド脱水素酵素)の活性が遺伝的に低い人が多く、お酒に弱いことが知られています。そういう人が無理に飲酒していると、ある程度飲める、つまり肝臓でのアルコール(とアセトアルデヒド)分解能が促進されるようになります。ところがそういう人に限って、口腔や食道の癌(主に扁平上皮癌)が増加しやすいことが知られています。飲んだアルコールがじかに触れる口腔や食道粘膜もADH活性が低く、アルコールの毒性で細胞が傷つき、炎症などで発生する活性酸素で核DNAに変異が起こる結果だろうと思っています。しかし胃を過ぎて大腸に到達する頃にはほとんどアルコールはないだろうと思っていました。そうでもないのか。


 そして口腔癌や食道癌でも言われている飲酒と喫煙の発がん相乗効果があるようです。

飲酒に喫煙が重なると大腸がんの発症率が上がるのは、アルコール依存症患者だけではありません。日本人男性が日本酒に換算して1日2合以上アルコールを飲み、タバコを吸うと、飲酒も喫煙もしない人とくらべて大腸がんの発症率が3倍になります。男性は、年齢で調整した大腸がんの発症率と死亡率が、ともに女性の2倍高いことが知られており、直腸がんに限ると男女差はさらに広がります。飲酒、喫煙する人の割合が高いからでしょう。


 しかし、ここまででは大腸癌でも結腸癌の頻度が直腸癌と比べて増加している理由がわかりません。

飲酒、喫煙に加えて、大腸がんを招くのが机に向かう仕事、デスクワークです。なかでも結腸がんの発症率が上がります。オーストラリアの研究者らは、デスクワークを10年間続けた人は、デスクワークについたことがない人とくらべて、大腸がんの発症率が2倍高いと述べています。

 また、日本でおこなわれた研究で、立ち仕事の人とデスクワーク中心の人を比較すると、立ち仕事の人は、大腸がんの発症率が70%以上低かったと報告しているものがあります。そして、日本人約6万5000人を対象とした大規模な調査によると、立つ、歩く、走る、重いものを持つ、激しいスポーツなど、すべてをひっくるめた身体活動が多い男性は、結腸がんの発症率が40%以上低くなりました。女性については、はっきりしたデータが得られていません。

 大腸がんは、北海道、東北、山陰という、冬に雪が積もる地方で多い傾向があり、国立がん研究センターによる2016年の全国推計値で死亡率が最も高かったのは青森県でした。これも、体をあまり動かさない生活と大腸がん発生の関連を裏づける証拠の一つと言えます。机に向かう時間が長いと結腸がんが増える原因については、肥満になりやすいこと、腸の動きが悪くなって、発がん性物質の影響を受けやすくなること、胆汁分泌の乱れ、免疫機能の低下などが考えられています。

肥満といいますか、その原因となる高脂質の食事を継続すると、大腸癌になりやすいことについては、研究結果があります。肝臓から分泌される胆汁酸ですが、腸管循環で再度腸管から吸収されます。この時大腸にいるクロストリジウム族の細菌が胆汁酸を酸化させると、発がん性の高い二次胆汁酸(デオキシコール酸)になるのです。高脂質食は腸内環境を変化させ、クロストリジウム族細菌を増加させると言われています。こちらの影響は確かに直腸より結腸の方が大きそうです。腸のぜん動運動が低下することも関係しそうですね。


 ヤフーコメントで上位に出てくるのは、興味深いものが出ていました。