gillespoire

日常考えたことを書きます

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

WiLL「日大の病理」 〜日大の暗部を徹底的に洗い出すべき

林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(1)
林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(2)
林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(3)
林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(4)
林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(5)
林日大理事長を提訴する沢田副学長 〜いい加減にしろ!(6)



WiLLという雑誌は以前から知っていましたが、買ったのは今回が初めてです。日大の理事の一人でもある和田秀樹がインタビューに応じていると知り、どうしてもその内容を知りたかったのです。


 買った感想。一番は「え、これだけですか?」かです。もっと色々なことが論じられているのかと思っていましたが、巻頭の1項目だけ。須田慎一郎という日大出身のジャーナリストと和田秀樹氏の対談形式になっています。でもまあ、当事者の一人が初めて応じたインタビューですから、それなりに興味深い内容でした。


 まず感じたのは「競技スポーツ部」(以前は「保健体育局」と言った)の権限の大きさです。私立大学だとスポーツ系のクラブは「体育会」と呼ばれ、すべてのクラブの集まりである「〜大学体育会」という組織があります。しかし、そこで各クラブの運営について統括されることは珍しく、また大学組織そのものとは補助金などの支援を除いて独立です。日大の競技スポーツ部が独特だと感じたのは、それ自体が独立した学部かのように扱われている点です。日大には「通信教育部」という通信教育に特化した一種の学部がありますが、入学に関しては試験らしい試験をおこなわないようです。日大の競技スポーツ部は各スポーツに関して全国でスカウトをおこなっていますが、どこに入学させるのか?というとこの「通信教育部」だそうです。無試験ですから高校卒に該当する資格さえあればだれでも入れます。しかも、3年生になる時に編入学という手を使って、法学部とか経済学部など日大の「看板学部」に移籍させることができる。はっきり言えば裏口入学みたいなものです(まさに「裏口」です)。この競技スポーツ部の推薦で入学した学生は入学金や授業料が免除になるだけでなく、「奨学金」が支給されると書いてあります。それが一体いくらなのかわかりませんが、一般の大学生としては破格の待遇です。こういった活動のためにスポーツ競技部だけで年間50億〜60億円の予算があるそうです。今騒がれている自民党の裏金と比べると大した金額ではないといっても、中小の私立大学ならほぼ年間予算に匹敵する金額です。


 今日大のアメフト部は廃部という方針が決定していますが、競技スポーツ部から「運動部」に降格するという案もあったそうです。「運動部」って何?と思って読むと、学生部管轄の体育系クラブが「運動部」だそうで、競技スポーツ部所属のクラブにある特権がないそうです。じゃあ、競技スポーツ部所属のクラブの特権って何?というと、推薦を受けられる、奨学金をもらえる、日大の施設を優先的に使えるといったことだそう。ああ、ようやく理解しました。つまり日大のスポーツ競技部は巨額の予算を背景に、大学の中に独立王国を築いていたわけです。だから林眞理子氏も理事長に就いたものの、独立王国「競技スポーツ部」にはおいそれとは手を着けられなかったわけです。今回のアメフト部薬物汚染事件にしても、この独立王国内の事案だったから、容易にその内情を知ることができなかった理由がよくわかりました。日大はもう「競技スポーツ部」を全廃とし、すべての体育会クラブは「運動部」にしたらいいでしょう。それでようやく普通の大学の姿になれます。


 今回は林理事長が任命した和田氏など外部から導入した理事たちのおかげで、ようやく澤田副学長など競技スポーツ部を根城とする暗闇をうごめく日大幹部達の悪行が明るみに出ました。当初林真理子氏をお飾りの理事長として既得権益を守ろうとした競技スポーツ部たちの目論見が打ち砕かれそうになり、慌てて林理事長を「パワハラ」とかの笑止な理由で訴えて、引きずり下ろそうとしたわけです。


 アメフト部の廃部方針が決定してから「4年生の部員」と称する学生が、さかんにテレビや新聞などのマスコミ取材に応じていました。本人はアホだからわかってないと思いますが、まさに「傀儡」でしょう。スポーツ競技部の上層部、それと結託する日大の外郭団体、そして「保護者会」と称する今までスポーツ競技部と二人三脚で我が子をネタに儲けようとする親たち、こういう黒い集団に操られている哀れな人形に過ぎません。少なくとも言えることは、同じクラブの学生寮に住みながら「自分達は(他の部員たちの)薬物汚染など知らなかった」と堂々と虚言を吐く時点で、「アウト」です。廃部という方針は確かに現役部員にとっては重大な不利益です。しかし、もう成年である以上大人として責任を負うべきこともあることは自覚しないとならない。「教育的指導でない」とかいう一見もっともらしい意見をいう輩は、モラルを律するのは他ならぬ自分達自身であり、それが守られない場合厳しいペナルティが課せられるという社会の掟から逸脱しています。だったら正攻法で日大に入学し真面目に勉強している学生たちがバカみたいじゃないですか?甘えた特権意識もいい加減にしろと言いたい。あとでも出て来ますが、日大鶴ヶ丘高校のOGという佐伯夕利子とかいう人物がこんなことを自身のブログに書いています。

日常において薬物問題が「近しい」海外居住者ならばこの辺りの感覚も肌感でご理解頂けるだろうが、私は身近にこうしたケースを見ているからこそ、「薬物問題」は「非難する」「禁じる」「罰する」では解決しないと断じて言える。


おそらく、そして残念ながら、すでに日本においても薬物の広がりは報道されている以上のものであろうし、私たちの想像を超える層、量、範囲で日本社会に浸透してしまっていることだろう。


そして近い将来、日本でも「え?あの人が?」といった身近なところで薬物依存症に苦しんだり、依存から生まれる嘘の連鎖、窃盗や横領から家族を巻き込んで家庭崩壊が起きるなどといったケースを見聞きすることも増えるだろう。


だからこれは日大アメフト部の問題ではなく、「日本の未来」が問われているのだと感じる。


そもそも、スポーツ基本法で、日本は国がスポーツを「人類の文化である」と定めている。そして「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のもの」とし、「全ての人々の権利であり」「スポーツを楽しみ参画することのできる機会が確保されなければならない」としている。


この『スポーツ基本法(平成23年法律第78号)(条文)』のどの部分を読みとってみても、今回の「日大アメフト部廃部」という決定が、いかに国が定める「スポーツ」の文脈に繋がらないかが分かる。スポーツには相応の存在意義があるからだ。


個人的に私は、日大アメフト部の廃部という決定がなされる過程において、それらの不正が部として「組織化」しているかどうかを問うべきであり、所属選手がいち個人として犯した犯罪に対し「組織としてけじめをつける」的な決定に、未来に繋がる意義を感じ得ない。

はっきり申し上げます。大学は薬物中毒者の更生センターではありません。それは専門の医療施設に任せるべき問題です。とても素人が手出しして改善できるような代物じゃないことは、関係者ならわかっていることです。また、まさかアメフト部が組織だって薬物摂取をおこなっていたとは思いませんが、そういう汚染を黙認していた行為が「組織的な罪」であると言われているのです。しっかりしましょう。


 関西の大学アメフト界の雄である関西学院大学のアメフト部が、日大アメフト部の廃部に反対して署名を集めたというニュースにはびっくりしました。まず私が思ったのは、「自分達の所属でない他の大学の運営に干渉するのは、たとえ善意であっても絶対に止めるべきだ」です。一種の内政干渉であると同時に、内情をよく知らない、ただ単に競技を通じて交流があったというだけの理由であれこれ干渉しようとするのは不見識であるということです。しかし、これも新聞報道を読むと裏があったようです。産経新聞の報道です。


日大アメフト部の廃部撤回求め、署名提出 関学大OB「大きな損失」


日本大がアメリカンフットボール部を廃部とする方針を固めたことに対し、ライバル関係を長年築いてきた関西学院大OBが30日、撤回を求めて1万人以上の署名を日大に提出した。「日大を倒すのがモチベーションだった。日本のフットボール界で大きな存在。なくなるのは大きな損失」と理由を語った。

同OBは29日からインターネット上で署名を募っていた。12月1日に理事会が行われるという報道を聞き、提出を決めた。署名活動は今後も継続する。このOBは東京・日大鶴ケ丘高出身でもあり大半は真剣にやっている。何かに打ち込む場は必要」と力説した

また日大は、アメフト部員13人が29日に180人分の署名を添えて、方針撤回を求める要望書を大学側に提出したことを明らかにした。大学側は正式決定後、部員と保護者に説明会を開く予定。


おっとぉ、内情を知らないどころか内情をよく知る黒幕の煽動に、関西学院大アメフト部の関係者はうかうかと乗せられているだけじゃないですか?そもそも関西圏の私立大学アメフト部にも、日大同様な封建的な部の運営が根強く残っていると聞きます。「自分達の方の暗部までも、このまま日大アメフト部の廃部を放置すれば光を当てられるのでないか?」と恐れているのでないかと、勘ぐりたくなります。


 まあ日大もその体育会も、私とは縁もゆかりもありません。どうなってしまったって知ったこっちゃないとも言えます。しかし、こうも考えます。今日本の大学教育は少子化の極端な進行で危機的な状況に陥っています。少ない若年世代をできるだけ伸ばしていかないと、日本という国自体が沈没していきます。特に日大OBは古田重治郎以来、自民党を中心とした日本の政界保守層や右翼と親密な関係を保ってきています。「今までだって大した問題にならなかったんだから、まあこの程度はいいじゃないか」という馴れ合いに基づく幕引きは徹底的に排除しないと、日本全体の法治にも影響する予感がします。そのためには日大の改革を厳しくおこない、本当の意味で若い世代に優しい教育をおこなえるよう、林真理子理事長始め日大を改善したいと念じる理事達の自浄活動が実ることを心から祈っております。大学の一般入試が目前に迫る今、こういうインタビューに応じて掲載されることには、和田秀樹氏も色々考えたと思いますが、その勇気に共感します。