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国循・大津欣也理事長の研究不正疑惑 〜「白い巨塔」再来

国循(国立循環器病研究センター)で続く研究不正の疑惑


不正疑惑の報道は以下の通り。
*国循:国立循環器病研究センター(大阪府・吹田市)
厚労省・高度専門医療研究センター指定の6国立病院の1つ

一部報道によると、今年6月に大津理事長が責任著者となって発表した7本の研究論文(2003年~20年)について、世界の科学者たちが研究論文を検証するWebサイト「パブピア(PubPeer)」で不正行為の疑いが指摘されたというもの。具体的には、研究論文に掲載された画像が、「別の実験画像の再利用」や「実験画像の切り貼り」などの不適切な処理が施されたと指摘している。


正直言って、大津理事長の発言が以下の報道通りなら完全にアウトでしょう。

NEWSポストセブンで報じた直後、取材班が国循から帰宅する途中だった大津氏に声をかけると、淡々と応じた。


──論文の捏造・改ざんについて、実際はどうなのか?


大津氏「それは今、調査委員会で調査してもらっていますけども」


──調査委員会は、まだ立ち上がっていないのでは?


大津氏「僕は(調査から)切り離されているんで。この前の理事会で、第三者の調査委員会を立ち上げる決定をして、それからは監事の弁護士が中心にやっているそうです」


 一連の指摘について、どのように受け止めているのか、尋ねると──。


大津氏「いやいや、あれはパブピアですから。誰でも書ける匿名のサイトですので」

理由はその下に書いてある通りです。

「パブピア」は誰でも自由に投稿できると大津氏は述べたが、実際は異なっている。匿名ではあるが、論文執筆経験者など、事前に審査を受けた研究者に投稿資格が与えられるシステムになっており、STAP細胞事件の論文捏造が発覚する契機にもなった


 国循の広報によると、大津理事長は「パブピア」の指摘について6月中に把握して、所管の厚生労働省にも報告済みだった。第三者委員会を設置して、調査することを決めたという国循の対応こそ、「パブピア」による指摘が単なる匿名の書き込みとして処理できるものではないことを示しているのではないか。

不正はデータのコピペによる使い回しですが、複数の論文間だったので発覚しづらかったようです。今回見つかった理由として以下の推測が挙げられています。

数多くの研究論文を手掛けてきた日本医科大学の勝俣範之教授はこう述べた。


「驚きました。これが事実だったら、前代未聞の不正行為です。心臓病の分野で日本のお手本となる国立病院のトップが研究論文の捏造や改ざんをしていたのなら、医学研究の信頼性が根本から揺らいでしまう。重大な日本の危機です」

 勝俣教授によると、これまで画像の使い回しなどを“人の目”で見抜くことは現実的に難しかったという。ではなぜ、パブピアでこれだけ多くの不正の疑いが指摘できたのだろうか?

最新のAI(人工知能)を使って過去の膨大な論文のデータベースと照合した結果だと思います。研究論文は専門家による査読という事前審査がありますが、別の論文の画像と比較するまでは無理です。今回はAIでなければ見抜けなかった不正行為です」(勝俣氏)

なるほど、AI(人工知能)はパターン認識が得意ですが、こういう使い方にもなるのか。


研究不正のウォッチャー「世界変動展望」氏は以下のように書いています。

大津欣也(Kinya Ohtsu)国立循環器病センター理事長らの論文に大量の捏造等が指摘されている事が報じられた。第三者調査委員会が調査するという。

週刊ポスト(写し)、朝日、読売、ミクスOnline、毎日、

私はPubPeerで大津欣也の論文に大量の捏造等が指摘されている事を以前にツイートした。たぶんニュースバリューがあるので、どこか報じないかと思ったいたが週刊ポストが報道。

国循というと野尻崇、寒川賢治らの捏造と大量訂正による隠蔽、私の通報を隠蔽して健康被害を発生させた事件、神谷厚範の捏造事件など不祥事が続く。たぶん誰か国循関係の研究不正を追及している人がいるのだろう。

ポストの記事では、大津理事長たちの母校・大阪大学医学部の体質問題も指摘しています。

大阪大グループの存在

 国立循環器病研究センターは、医療関係者の間で通称・国循(こくじゅん)と呼ばれる。


「東の国立がん研究センター、西の国循」と言われ、心臓病の治療や移植などで日本の司令塔というべき存在だ。米ニューズウィーク誌の「世界病院ランキング」で、心臓治療の2部門でアジア1位にもなっている。


 現在、国循の理事長を務める大津氏は大阪大学医学部を卒業。同大の循環器内科に進み、心不全の原因や治療薬の開発を目指す基礎研究グループの中心的存在となった。


 2002年当時、大津氏は大阪大の講師だったが、翌年以降に不正が指摘されている3本の論文を続けて公表した後、助教授に昇格する。


 その後、同様の指摘がある2本の論文を公表すると、英国キングスカレッジロンドン大に教授として招聘された。


 そして、前述の世界的な医学誌『Circulation』に論文が掲載された翌年、国循のトップとして凱旋帰国を果たしたのである。

〜中略

医学の研究論文は、チームを編成して書かれるのが一般的だ。大津氏のように指導的な立場は「責任著者」として論文全体の責任を担う。そして、実験や論文の執筆を担当するのが「筆頭著者」である。


 実は、不正行為が指摘された論文7本の「筆頭著者」は、すべて大津氏の弟子にあたる大阪大・循環器内科グループの医師だった。


 2本の論文で「筆頭著者」を担当した2人の研究者は大阪大循環器内科の准教授などを経ていずれも国公立大の教授に栄転している。この他にも、研究に参加した医師の大半が大阪大の出身、または医局に在籍した経験を持つ医師だった。


 元東京大学特任教授の上昌広氏(医療ガバナンス研究所・理事長)は、大阪大グループ内で不正行為が横行していた可能性を指摘する。


「パブピアが指摘した、過去の実験画像を加工して再利用(使い回し)する手口は、7本の論文に共通しています。20年前から大阪大の循環器内科で不正行為が受け継がれていた可能性もある。基礎研究は実験室という密室で行われるので、よほど高いモラルがないと不正が起きやすい」


 大阪大は、東大や京大と並び間違いなく国内トップレベルの位置を占めている。それなのに、研究論文の不正疑惑が多数指摘されるのはなぜか。


「旧帝大医学部では、患者の評判がよくて腕が立つ外科医でも、基礎研究の論文で評価されないと教授になれません。そのために、患者の治療には全く貢献しないような基礎研究をやっているケースも多い。昇進に直結するので、研究論文の画像を都合よく加工する誘惑があるのは事実でしょう」(上氏)