余部(あまるべ)鉄橋 〜父の命令で鉄橋から飛び降りた少年
なにがあったのか 〜昔JR常磐線・柏駅で自殺した慶應中等部女子生徒
子どもの世話 型のみの娘 〜普通に考えてネグレクトでないか?
もうひとつ、鉄道での自殺事故を記しておきます。これは相当以前の話で、有名な1986(昭和61年)年12月28日の余部鉄橋・列車転落事故より、さらに10年近く前のことだったと思います。ですから1970年代半ばのことでしょう。
余部鉄橋は山陰本線の兵庫県香美町香住区余部の海沿いの谷に掛かる橋で、高いことで有名です。地上から実に40メートル超とのことで、高所恐怖症の私は車窓を見る余裕などないと思います。この鉄橋で小学4年の男の子が飛び降りたのです。もちろん即死です。実はこの子は一人でなく、父親と一緒だったのです。どういう事情だったかわかりませんが、父子家庭で父親は養育しかねたようなことが、新聞に書かれていました。そして夜8時前後だったと思いますが、山陰本線の普通列車に二人で乗り込みます。乗車してしばらく経った頃父親は息子に向かって、「今度通過する鉄橋(=余部鉄橋)から飛び降りてくれ。」と言ったのです。「男の子はしばらく黙ってうつむいていたが、やがて立って歩いて後方まで行き、そこからドアを開けて飛び降りた。」と父親の供述が新聞に書かれていました。「飛び降りてくれ」はそうしろと命じたつもりではないとか、無惨な父親の言い訳も書いてありました。
これを読んだ僕は衝撃を受けて、息が詰まりそうでした。何という父親!おそらくその男の子は、自分が父親に「厄介者」と思われ、愛されてないとわかっていたのでしょう。しかし、心が優しい男の子は、今際の際にせめて父親の言うことを聞いて愛してもらったことにしたかったのでしょう。その時の気持ちを思うと、今でも私は泣きたくなります。父親の年齢は30代半ばだったと記憶しますが、あれから50年近く経った今存命かどうか、半々くらいかな。いやこんな極道な父親は、きっともっと早くに死んでいるに違いない。死んで無間地獄に落ちていろと僕は怒りにまかせて思います。でも父親の命令で飛び降りた男の子はどう思っているでしょうか?「お父さん、これからは僕と一緒に暮らして」と言って、天国に父親を迎えているような気がするのです。
児童虐待は重大な犯罪です。特に子供を殺したような親や大人は、全員一律死刑でいいと私は信じます。早く死刑になってあの世に行き、殺された優しい子供の慈悲に触れるのが一番の救いだと思います。
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